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thingのニュアンス
「ロード・オブ・ザ・リング」(映画)を字幕でみていて、不思議な表現に出会いました 1巻の前半部ですが…、以下状況説明。 主人公のフロドが指輪を持ってエルフの里に行きます。 そこで指輪を破壊するための会議が開かれます。 おなじみのメンツ、エルフやドワーフ、ガンダルフやアラゴルンなどが、 フロドと行動を共にすることを誓います。 会議が終わるというときに、ホビット族の3人が、突然現れて「俺たちもいくぜ!」という。 お調子者のホビット族の1人が、全員が唖然とする中で、こういいます。 「Anyway, you need people of intelligence on this sort of......mission.」 この手の冒険には、頭のいいやつが必要だ それでもシーンとしていることにバツが悪くなり、さらに言葉を続けます。 ★「Quest」 違う? ★「Thing」 だろ? 長くなりましたが、この★がついているセリフ(吹き替え)ですが、 どうしてこんな日本語になるのでしょうか? questもthingもわかりません。 ご教授下さい。よろしくお願いします。
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私はこういう訳、残念に思うんですよね。笑いのツボと、物語のテーマを定義づけている言葉を、外しているからです。でも、ここは確か、“笑わせつつ、テーマを定義づけつつ、ホビットの意気込みを伝えるシーン”であったと記憶しているので、意気込みの部分だけを重視して訳したのでしょう。 さて、よく日本人が、言葉がパッと出てこない時などに「ヤツ」を使いますよね。「ほら、あの、あれだよ、あのああいうヤツ」と。その「ヤツ」が「thing」です。そして、このシーンでの「Thing」は笑うところです。もっと言えば、「mission」と「Quest」で少し笑って、「Thing」でドッと笑わせています。一方で、深読みすれば、この物語の何たるかを表している、導入のセリフでもあります。 しかし、この和訳では笑えないし、物語のテーマも読みとれないので、例えば原語で映画を見ていた人と、日本語字幕を読みながら映画を見ていた人が、あとで感想を語り合った時に、名ゼリフとされているこの一連のシーンを思い出して気持ちを共有する、ということができないのです。 ただ、字幕は読めないと意味がないので、動画に合わせて字数を制限すると、訳語の選択肢が限られてきます。また、無理に原語の意味を伝えようと、いわゆる“通りの悪い”日本語訳にしてしまっては観客がリラックスできなくなるので、このように“スッと入ってくる”訳が好まれたりもするのです。もちろん、訳者と配給会社とモニター的な立場の人たちとのあいだで意見が食い違って、結局、こう落ち着いたのかもしれません。私も、目の前で映像を見ながらこの回答を書いているわけではないので、そこは何とも言えません。 いずれにしても、実際には、以下のようなことを言っています。 「頭の良いヤツがいなきゃな。こういう任務には」 (「任務」などと大げさな表現を使っているところが笑える。建前上、この物語は「任務」の話) 「んん、冒険?」 (相手の反応が鈍かったので、自分たちの解釈が間違っているのかもしれないと考え、言い替えてみた。実質、この物語は「冒険」いわゆる「クエスト」がテーマ) 「何だか知んねえけどさ!」 (「任務」でも「冒険」でも何でもいいから、とにかく連れてってくれよ!という思い。重い物語の道化役であるホビットの愛きょうを示すことで、観客を明るい旅立ちにいざなっている) ちなみに、原作の『指輪物語』には筋金入りのファンが多いだけの、この映画の翻訳に対しては、公開当時、かなりクレームがあがりました。とはいえ、洋画字幕のルールに慣れた人に配慮して「んん」は使ってはいけないことになっていますし、最後の部分はここまで字数をとれない可能性がありますので、実際に字幕にする場合は、つらいところでしょう。
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- wind-sky-wind
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quest はそのまま辞書的に「探求」 (ただし,文語的であり,「(中世騎士の)冒険の旅」かも)) thing も,そのまま「もの」 こういった種類の 「任務,使命」というか, 「探求」というか, 「もの」 日本語と同じで,最後の「もの」は 「等々」の意味だと思います。 字幕にせよ,吹き替えにせよ,よくあることだと思いますが, うまく英語のセリフに乗っけているだけです。
お礼
thingのイメージがスっと頭に入ってこれればと、いつも英語をしていて悩みます ありがとうございます!
- zatousan
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こんにちは、 >どうしてこんな日本語になるのでしょうか? 訳をご覧になれば、一目瞭然なのですが、英語では >Anyway, you need people of intelligence on this sort of......mission. と、mission、Quest、Thingが文の最後に来ます。 だから、 >この手の冒険には、頭のいいやつが必要だ といった時に、「冒険(mission)」でシーンとなったので、「冒険の旅(Quest)」だったら、良いの?と最後の部分を言いかえてみます。 最後の「もの(thing)」では、名称なんかどうでもいいやって感じでしょうかね? 兎に角日本語で言い直すとなると、英語では最後の部分の言葉が文の中間にくるので、 (1)この手の冒険には、頭のいいやつが必要だ (2)この手の冒険の旅には、頭のいいやつが必要だ (3)この手のものには、頭のいいやつが必要だ と三回繰り返すのもなんだし、、、。 要するに話者がquest… thingで言いたいのは、「なにか言葉選びでそそうしました?」なので、自然にシーンを運ばせる為に、 >★「Quest」 >違う? >★「Thing」 >だろ? にしたのだと思います。 直訳的には間違いですが、意訳的には正しいのではないかと思いますし、セリフ的にも悪くないと思います。 >questもthingもわかりません。 英和辞書へのリンクです。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=quest&stype=0&dtype=1 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=thing&stype=0&dtype=1 ご参考までに
お礼
なるほど! 言われてみれば、mission→quest→thingと言い換えているのが理解できました。 それにしてもよくわかりますね いつも勉強させてもらっています ありがとうございます!
お礼
すばらしいです! この、mission→quest→thingの言い換えに、そんなニュアンスが隠されていようとは… 別に隠しているわけではないですね(^^;) 吹き替えだとこの面白さが伝わってきません いつも勉強させてもらっています ありがとうございます!