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寂
寂として という副詞がありますよね。 これの用例をいくつか教えて頂きたいです。 辞書にはネットでしらべても 寂として声なし というものしか出てきません。 皆様、ご援助の方お願いします。 またこの副詞は 寂とさせ など、少し崩した形で使うことも可能でしょうか。 以上二点、教えて頂きたいです
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「寂として/せきとして」、あまり日常では使われない言葉ですが風情があって自分は好きです。 先に後者の御質問ですが、「凛として」「時として」を例に取るとわかりやすいように 副詞には活用がありませんので現在辞書に掲載されている言葉としてはありません。 が、そもそも「寂として」は「名詞(寂)」+「接続助詞(と)」 +「動詞(し)」+「助詞(て)」という連語を便宜上、副詞としたものですので、 文法上に誤りがなければ「寂と~」という使い方も当然間違いではございません。 (といっても多少考えたのですが具体例が一つも出てこなかったので 「寂として」以外の使い方はしない方が無難ではあると思いますが……) そして前者の御質問ですが、この用法の場合「寂れる」のイメージは特になく 「静か」、また「ひっそり」のニュアンスが多いようです。なので一例としては、 「観客は寂として彼女の演技に魅入っている」 「寂として雪が降り続いている」 このような文章が適切であると私は思います。 ちなみに同じ副詞に「寂々と/じゃくじゃくと、せきせきと」という言葉がありますが こちらは「寂として」とは違い「寂しい」「寂れる」のニュアンスの方が大きいです。 文章を書く上でこだわりがあるならば是非覚えて頂きたい使い分けです。 「寂しい」「寂する/じゃくする」「寂として」 一つの漢字で三つもの品詞を持つ素晴らしい言葉ですね。 「寂莫」「寂寥」など趣深い熟語も多数ありますので、 是非今後の質問者様の叡智に役立てばと思います。
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- kine-ore
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「寂若無人(セキジャクブジン、寂として人無きがごとし)」は「南史 傳昭伝」に由来し、後の「世説新語」などで広まり、わが国では「寂として声なし」の慣用句として残っているだけのようです。 この場合の「…として」は、と(格助詞もしくは断定の助動詞「たり」の連用形)+し(動詞「す」の連用形)+て(接続助詞)の連語の全体で上の体言「…」を受けて一つの格助詞となり、格助詞「も」を強めた表現のように用いられており、しかも下に否定を伴っているので「ひっそりと静かで人がいないようだ。」「まったくもって人の気配もない。」といった構成となっています。 このような否定語を伴う類似の慣用句としては、他にも「粛として」「蕭として」「杳として」などがありますが、そもそも単漢字の字音は重ねて、いわば畳語の形「寂々」に、また「…然」を伴う「寂然」のような複合語にすることで、副詞的にあるいは形容詞的用法へと語彙を増やしているのが現状なのだと受け止めるとすれば、結果として訓読みではない場合の単字音においては限られた慣用的用法に留まっている例が多いだけに、それを崩した表現は徒に受け手の違和感を招きかねないのではないでしょうか。
お礼
ありがとうございます。 そうですね。 【寂として】これは活用のない副詞でした。 ありがとうございました。
お礼
ご丁寧に、またとてもわかりやすく回答してくださり感謝の気持ちでいっぱいです。 例文の方もありがとうございます。 凜として、時として、といった同じ系統の副詞もあげてくださり理解が深まりました。 さらに 寂 という漢字でこんなにもたくさんの熟語があるとは知らずまだまだ勉強不足と痛感いたしました。 Garnet396様の御回答、大変参考になりました。 今後ともよろしくお願いします。