使役動詞で補語部分が否定を意味するもの
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3132204.html
時制の表現とその意味について(前置修飾の意味)
以来の、語法の説明についての質問です。
make him not do とか influence him not to do の形はほとんど見ません。また、talk him to do/not to do の形はありません。補部に来る形についてまとめをしてみました。
このような考え方で良いでしょうか?または、同様なことが、今までに他で言われていたでしょうか?(多分、結構、この分野の研究はされているので、結構あるような気がするのですが、くろしお出版「謎解きの英文法 否定」などを見ても取り上げていないようなので、ちょっと書いてみました。)
1.一般的に、ask him to go there のようなto do が来るものは、ask him の場面とhe goes there の場面が別である、または、時差があることを示す。それに対して、make him go thereのように原形不定詞が続く場合は、時差がないこと、心理的距離感が無いことを示す。They made him go there.は、makeの「完成状態を作る」と言う意味から、him go there が完成されたものとして意識され、toが示すような距離感を伴わない。They let/helped him go there.の場合は、心理的距離感がないため。つまり、「彼自身がそこへ行くことを望んでいる」ため。They had him go there.は、彼がそこへ行くということが自然また義務だと前提されているから。
2.否定とは、否定の対象が否定され、それ以外のものは残っているわけで、not A とは、A以外のB,C,,などがあると意識される。They made him not go there.と言うと、him not go there の意味するところが明確でないため、不明確な文章になり、一般に使われない。
3.I asked him not to go there.のような文章がよく使われるのは、実際に「~しないで欲しい」と言う表現があるため。
4.influence/want/force him not to do の形が普通使われないのは、influence/want/force に一種の積極性のような感覚があり、それが否定と言う意味あいと結びつきにくいから。これらの動詞に感じられる積極性を目的語駆動力と表現する。この意味は、influence/want/force に「~してくれ」と言うような言い方をしている場面が連想されることによる。
5.prevent/hamper/discourage him not to do とは言わず、prevent/hamper/discourage him from doing の形になるのは、prevent/hamper/discourage に「進路に立ちふさがる」と言う感覚があり、やりたいこととして生き生きと意識されているdoingから目的語を隔てると言う感覚があるから。
6.tell him to do/not to doと言え、talk him to do/not to do と言えないのは、tellにあるような「命令する」と言う感覚がtalk にはなく「対等な話し合い」と言う感覚が強いため。
7.talk him out of doing のように、out of doing の形は、既にそう言う行為をやっていてそれを止めさせるという意味あいになる。そのため、to do が続く時のような「これからそれをやる」と言う意味あいとは異なる。同様に、一種の積極性をout of doing は意味しないため、ask/influence/force/want him out of doing の形は普通とらない。 talk/persuade him out of doingの形になるのは、talkやpersuadeに目的語駆動力があまり感じられず、目的語自身が自分で判断するための判断材料を示すと言う意味だから。
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