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帝政ローマとキリスト教について

来年度受験予定の高校2年生です。 世界史でどうしてもわからないところを質問させてください。 1) 3世紀の危機の時代の「軍人皇帝」なんですが、「各地の軍隊が勝手に皇帝を立てて…」とプリントにあります。 ただ武力があっても「皇帝」とは呼ばれないと思うんですが。。。 元老院がこれをその都度追認したということなんでしょうか? 2) 三位一体説の「聖霊」って何ですか? いろいろ調べても今一よくわかりません。。。 すいませんがよろしくお願いします。

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  • tanuki4u
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回答No.2

武力があるあるいは、軍人だから皇帝になれるのではなく、ローマ帝国の皇帝選出の原理では、軍人が皇帝を選ぶこと、廃位できることになっていたから、軍人皇帝。 ローマ帝国の原理 皇帝とは、imperator 軍事司令官 であり、Princeps 第一人者であります。 また、市民=軍人 市民ならば軍人であり軍人なら市民であるという建前になっていました。 王制を嫌った古代ローマに、王制的な制度を導入するためのオクタビアヌスの知恵でもあります。 上記の政治制度になっていたので、市民(=軍人=軍隊)が市民の第一人者を選び、元老院が軍事司令官を選ぶ。その選ばれたものが、一致する。 一致しない時は、実力(=軍事力)がある方が優先される。実態としては、元老院が追認する。という事になりました。 これじゃ安定せんがな ということで、ディオクレティアヌスは、皇帝が選ばれるのでなく、皇帝が官僚を選んで支配するという方向転換します。なので、以降は専制君主制と言われるようになりました。 ※ 軍人皇帝時代は、専制君主制とは言わない、なぜならば市民=軍人によって選ばれるという原理だったから。 さらに、その後は、コンスタンティヌス朝とか、選ばれるのではなく、血統だから継承したんだ!というように、皇帝の決め方が変わります。 市民=軍人が選ぶという原理は、東ローマ帝国時代も生きていて、皇帝は、コロッセウムで、そこにいる市民に「いんぺれらとーる! いんぺららとーる」と声援というか合意を取らないと、皇帝じゃないという雰囲気がありました。

8yukicchi8
質問者

お礼

学校でも教えてもらえず、私一人では調べきれなかった内容や情報がたくさんあって、とても興味深く読ませていただきました。 元首政から専制君主政への変化の重要なポイントになるんですね。 専制君主政の成り立ちも少しあいまいな部分があったのですが、とてもすっきり解釈できました。 本当にありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • tyr134
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回答No.3

(1)についてはNO2さんが簡潔にまとめられていますので(2)について。 ローマ皇帝は最初はキリスト教を弾圧(オカルト宗教扱い)ていきますが、徐々に教会勢力(教会とは組織のことで建物を指しているわけではないことに注意)が国内に浸透し、ローマ人の中にも多くの改宗者が出てくるようになりました。 そして、A.C.313年コンスタンティヌス1世のミラノ勅令で合法宗教に、続くA.C.380年にはテオドシウス1世によってキリスト教はローマ帝国の国教の地位を手に入れます。(政治的勝利ともいえます) ただ、教会が拡大すると『聖書』の解釈(=神学)にもいろんな論が出てきました。 そんな中で、二つの派が激しく論戦を戦わせました。 その二派とは「三位一体」を唱えるアタナシウス派と、それを否定するアリウス派です。 で、この三位一体の「三位」とは 1・父なる神 2・子なる神イエス・キリスト 3・聖霊である神 の三つです。(それぞれをペルソナ(位格)と言います) 神は万物の唯一の造り主であるけれども、3つの位格の違いがあるが、それはどれも神と同じで同質のモノとします。 つまり、三つに見えているけれども本質は一つですよ~という教えです。 1は神そのもの、2はまぁ何となイエス・キリストも神かな~とイメージは出来るかと思います。 では、ご質問の「聖霊」とはなにか。 イエスは処女マリアが身ごもって生まれた子です。 この時、処女マリアに下ったのが「聖霊」です。 また、イエスが洗礼を受けたときにも「聖霊が降りた(マルコ1・10)」と書かれています。 これらは、イエス以前から神の力が働いていたことを窺わせます。 そして、イエスの死後は弟子達に「聖霊」が下ります。 この事を「聖霊降臨」と言い、これによって弟子と共に「聖霊」はとどまり、その弟子達はこの「聖霊」によってイエスの教えを悟り、彼らが組織した教会を通して個々人の信者にも働きかけられます。 まぁ、簡略化して書くと「聖霊」とは「この世に働きかけている神の力」という事になります。 アリウス派は、上のようなまどろこしい説じゃなくて、「神は唯一一つであり、イエスも聖霊もまったく異質のモノだ」と唱えてました。 こっちの方が簡単で一般人にも分かりやすいのに、三位一体説が主流(カトリック・プロテスタント・正教会が採用)なのは、論理以外の所、つまり政治闘争というなんとも俗っぽい理由なようですね。 その後も、細々と頑張ってはいたんですけど、結局消滅の方に向かいました。 ではでは、参考になれば幸いです。

8yukicchi8
質問者

お礼

とても興味深く大変勉強になりました。 自分で調べていても「位格」などのキーワードは拾えたのですが、そのことばそのものを噛み砕いて説明している資料がなかったので、とても困っていました。 わかりやすく丁寧に説明してくださってありがとうございました。 政治闘争・・・の部分がとても説得力があって、すごく身近な出来事に思いました!!

  • Mumin-mama
  • ベストアンサー率45% (1140/2503)
回答No.1

1)>元老院がこれをその都度追認したということなんでしょうか? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%BA%E7%9A%87%E5%B8%9D >>元老院が容認した皇帝だけでも、前半の33年間(235年-268年)に14人が擁立された。 2)「聖霊」を広辞苑で引いてみました。 >>「聖霊」(Holy Spirit)キリスト教で三位一体(父なる神、子なるキリスト及び聖霊)の第三位を占める位格。 人に宿り、神意の啓示を感じ、精神的活動の鼓吹力となるもの。 参考になるとよいのですが。 「鼓吹」(こすい)勢いをつけはげますこと。

8yukicchi8
質問者

お礼

広辞苑には少し詳しく解説が載っているんですね。 No.2、3の方の解説とあわせてかなり理解できました。 朝早くから回答下さって本当にありがとうございました。

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