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英語教育で発音記号の「逆さv」と「逆さe」を区別する理由
私は、日本人には逆さvと逆さeを同じに教えて良いと思うのですが、どうも反対意見が多いようです。(文字化けするので、発音記号は打てませんでした・・・) まず私が同じと教えて良いと思う理由としては、一般ネイティブにとってこの2つが違う音という認識がないこと。 イギリスの有名な言語学者、Ronald Wardhaugh先生から直接聞いた話では、 音素/逆v/ の異音として [逆e] と [逆v] が現れるという解釈です。 これは、[逆v]はストレスのある位置、[逆e]はストレスの無い位置で相補的分布をしていて、ミニマルペアがないということで説明ができるでしょう。 言うまでもなく、「両者は音の質が違う」ということは、「違う音素」という証拠として不十分です。 むしろ、「日本人の耳には違う音に聞こえることもあるが、ネイティブは同じ音と認識する」という説明が良いのではないでしょうか? 「リスニングのため」という反論もあるかもしれませんが、日本人には両者の音の質以前に、例えばcommunicateのoをオ、terribleのiをイ、apartmentのeをエ、と読むような「カタカナ英語では、ストレスのない母音はローマ字ベース」ということの干渉の方がよっぽど重大な問題じゃないでしょうか?まずこれが矯正されてからの話だと思います。 「受験の発音問題のため」という反論も聞きますが、少なくともここ10年くらいのセンター試験で両者の違いを問う問題は出てないはずです。 もちろん全ての大学入試をチェックしたわけではないので、もしそういう問題が出た具体例があれば、教えていただけたらと思います。 そもそも、語中でも文中でもなく、単独で両者を意図的に発音し分けられる人は、ネイティブも日本人も含め、訓練された音声学や発声発音の専門家に限られるのではないでしょうか? 又、「あいまい母音」という用語が、「日本語の発音はハッキリしてる、英語はあいまい」などという妙なビリーフの種にもなる気がします。 つまり、「音声教育」ではなく「英語教育」という視点で見れば、学習者の負担をへらすためにも、両者を別物と扱う必要は全くないと思うのですが。 もちろん私も見落としている点はあるでしょう。 別物と教えることによるメリットがあれば、教えていただければと思います。
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- purunu
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外国語教育だからこそ、 音素/逆v/ の異音として [逆e] と [逆v] が現れるのを、 区別したほうがよいと思います。 ちょっと別の例。日本語で、「画像」/「動画」は、 ローマ字でも「gazo」/「doga」ですが、発音では はじめは「硬いガ」、あとは「やわらかいガ」ですね。 minimal pair にはなりません。しかし、日本語学習者 には発音記号的に区別(gとnの下が伸びている記号)で 区別したほうがはっきりしますね。
- deadwood
- ベストアンサー率58% (57/97)
そういう考えもアリかな、と思いつつも、腑に落ちない点もあります。 例えば同じ理由で、[ae(アッシュのつもり)]と逆eを異音と考えてはいけないのか?というようなことです。 [ae]も逆vと同様にストレスを受ける音なので、[ae]と逆eのミニマルペアはありません。 familyとfamiliarの発音を比べてもわかるように、第一音節のaにストレスがあれば[ae]、なければ逆eです。 [ae]と逆eは調音位置が違い音色が違いますが、これをもって別の音とすべきでないことは質問者さん自身がおっしゃってます。 もし逆eが逆vの異音なら、familiarの第一音節にある逆eにアクセントをおいてfamilyとした場合に、なぜ逆vの音が出てこないのでしょうか。 他の母音の場合も同様です。compareのoにストレスをおいcomparableでは、oは逆vではなく広母音のアで発音します。 regimentのmentは逆eなのに、これを強く読むregimentalでは逆vではなく[e]になります。 要するに逆v=逆eなら、すべての逆eにストレスを置けば逆vになるはずですが、実際はそうではありません。この点では、逆eを中立的な「あいまい母音」と説明する一般的なやり方の方がうまくいくと思います。 逆eを逆vとだけくっつけてしまうメリットはあるのでしょうか?
お礼
意見ありがとうございます。 > 例えば同じ理由で、[ae(アッシュのつもり)]と逆eを異音と考えてはいけないのか? はい、まさしくこういう解釈も聞いたことがあります。 > [ae]と逆eは調音位置が違い音色が違いますが、これをもって別の音とすべきでないことは質問者さん自身がおっしゃってます。 「すべきではない」ではなくて、「するには証拠不十分」ということです。 > もし逆eが逆vの異音なら、familiarの第一音節にある逆eにアクセントをおいてfamilyとした場合に、なぜ逆vの音が出てこないのでしょうか。 これは、異音の[逆e]から音素を逆算するのではなく、underlying formの/逆v/、/ae/、その他から異音の[逆e]が現れるという計算だからじゃないでしょうか? 例えるならbetterの/t/も、ladderの/d/も、たたき音[D]になりますが、「/t/が[D]になる」という話をした時、「じゃあなぜladderを丁寧に発音してもtの音がでてこないのか。」ということと同じじゃないかと思いますが、どうでしょう? > 逆eを逆vとだけくっつけてしまうメリットはあるのでしょうか? 「音韻論」等と視点からは、特にないかもしれませんね。 しかし、「日本人への英語教育」という視点からは、学習者の負担を減らすというメリットがあると思います。 カタカナ発音ベースで英語の基本的な音韻体系がよく理解できてない人には、まずもっと他にやるべきことがあるのでは、という話です。逆v逆eの習得は、基本ができたうえで、よりネイティブライクな発音を目指す人がやればいいことだと思うのです。 例えるなら、テニススクールのコーチが生徒全員に強烈変化球サーブの習得を強制したら、生徒にとって負担以外の何物でもないどころか、基礎サーブができてない人にいきなり教えたらおかしなことになるのと同じでしょう。 もう1つ、異音には、話者に意識されてるものと、意識されてないものがあります。aeその他と逆eは、話者に違う音と認識されてますが、逆vと逆eは一般の話者には認識されてないので、逆vを分けて考えるのもありだと思いますが、どうでしょうか?
補足
aeその他と逆vは、つづり字で書き分ける方法がありますが、逆vと逆eはつづり字で書き分ける方法が無い、というのもネイティブの認識がどうなってるかという1つの基準にはならないでしょうか? ネイティブの子供用の国語辞典では、単語の読み方表記として、逆vも逆eもどちらもuhで書かれています。例えばcompulsoryの読みは、kuhm-PUHL-suh-reeと書かれています。
お礼
意見ありがとうございます。 > 外国語教育だからこそ、 音素/逆v/ の異音として [逆e] と [逆v] が現れるのを、区別したほうがよいと思います。 確かにそうも思いますが、私の考え方としては、最初は「同じ」と教えて、学習者が実際ネイティブと会話していくうちに、「でも違う音に聞こえることがあるけど?」という疑問が出るレベルに達した時に、そこで初めて「/逆v/は、場所によって[逆e]になることがあるけど、両者の違いが単語の意味を変えることはない。」と教えればいいのではないかと思うのですが、どうでしょう? 日本語の硬いガとやわらかいガの区別は、消えつつある異音で、NHKアナウンサーによる日本語発音講習を受けた時にも、今更身につける必要もないと言われたほどなんです。日本語学習者にも特に教えてないと思います。 ただ、確かに外国人用の日本語リスニング教材などで両者を分けて発音してるものを聞いて、例えば「ぎ」を「に」と聞き違えて混乱している学習者等も見たことがあります。そこで初めて説明すればいいと思いますが、どうでしょう?