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複素積分について
孤立特異点が閉曲線Cの内部にある場合、外部にある場合は コーシーの積分定理などでわかるのですが C上にある場合はどうなるのでしょうか?
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「極を迂回する積分路をとる」あるいは「特異点を積分路上からずらす」となると 1.特異点を積分路からずらすことができない場合とかはないのか。 2.迂回するとしてもどちら側に迂回すれば良いのか という疑問が出てくるのではないでしょうか。まず「特異点をずらせない場合」はないといって良いでしょう。 http://hagi.k.u-tokyo.ac.jp/~mio/note/elemag/waveeq.pdf の「3次元波動方程式のグリーン関数」を見てください。グリーン関数は式(71)を満たすものですが、k平面の積分路で極を迂回しなければ定義されません。そしてどちら側に迂回するかは境界条件で定まります。場の量子論ではWick回転と呼ばれているものです。 このように「特異点をずらす」ような積分は物理学のいろいろな分野に出まくります。物理を少しでもやっていれば知らないはずはないのです。このサイトにおられる「自称専門家」の諸大家にはこの質問は簡単すぎてお答えにならないようです。
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- grothendieck
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「∫[C] f(z) dz を考えるためにはf が C 上のすべての点で定義されていなければならない」ということはありません。ルベーグ積分はおろかリーマン積分でも不連続点の測度が0であれば有界関数の積分が定義されます(例えば区分的に滑らかな曲線の"角"では速度ベクトルは定義されないが、曲線長が定義されないとは考えない)。f(z)を f(z) = 1/z という原点に1位の極を持つ関数とし実軸上を通る積分路を考えます。このときf(0)の値をどのように定めても通常の積分も広義積分もできません。 積分路上に極がある場合、積分路を極を迂回するように少し変形し積分後に元の積分路に近づける極限を取ります。あるいはこれと同値ですが「特異点を積分路上からずらし」て積分後に特異点を積分路に近づけます。上の例で言えば 1/(x + iε) = P/x - iπδ(x) という公式があります。Pはコーシーの主値、δ(x)はデルタ関数です。このように「正則関数の実軸上の上下からの極限の差」として超関数を捉えるのが佐藤超関数の立場です。 金子晃「超関数入門」(東京大学出版会) などをご覧ください。
- PRFRD
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複素に限らず実の積分でも同じことですが, 普通は ∫[C] f(z) dz を考えるためには f が C 上で定義されていないといけません. なので,特異点がある場合には積分不能です. それでも何らかの値を導きたい場合は,例えば (1) 適当に値を埋めて積分する. (2) 特異点を抜いた領域で広義積分する. などの方法が,ケースバイケースで行われます. (1), (2) の計算では関数の性質が良い場合は コーシーの積分定理などの複素積分の手法が使えますが, 最悪の場合は曲線を実数でパラメトライズして線積分する, という「定義通りの積分」を行うことになります.
お礼
ありがとうございます。 参考になりました。さっそくやってみようとおもいます。