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Louis Armstrong "WHAT A WONDERFUL WORLD 「この素晴しき世界」"の"I'll "の解釈に関して教えてください
Louis Armstrong の"WHAT A WONDERFUL WORLD" は、私にとって希望を与えてくれる大切な曲です。 最終部分の訳・英文法で判らないことがあり教えてください。 http://www.mathematik.uni-ulm.de/paul/lyrics/louisa~1/whataw~1.html http://listen.jp/store/artword_19424_56296.htm ”They'll learn much more than I'll ever know ” 日本語訳の多くは「この(未来ある)子供達は、自分が経験したことよりも多くのことを学ぶだろう」と解説されている場合が多いようです。 自分ではキング牧師の演説と重なり、「人種差別等で自分は知ることの出来ない、体験できない、可能性が限定された世界に生きたけれども、この子達の未来は、自分が想像できないような拡がりをもつ自由な素晴しい世界を生きてくれるだろう」 との、次世代への希望を継いでいると解釈しています。 I'll ever know に関して、I will ever know と理解しているのですが、歌詞全体にある対比構造から、子供達の(未来)と自分の人生(過去)との対比であると考えますが、 ”I had ever know ” が私の乏しい英語の知識では正しいのではないかと考えました。 何度も聞き直しましたが、I'll ever knowと聞こえますので、恐らく私が間違っているのだと思います。 しかし、子供達の(未来)と自分の人生(未来)となり、対比構造が消えてしまうように思えるのですが、”I'll ever know”を文法的に過去を意味する解釈もしくは慣用句があるのでしょうか? 恐れ入りますがよろしくお願い申し上げます。
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I hear babies cryin', I watch them grow They'll learn much more than I'll ever know まず、多くの訳の解釈にある「経験した」というところに誤解があると思います。Have/Did you ever...? などから ever に「これまで・今まで」の意味があるような印象を受けますがその意味を出しているのは現在完了形ないしは過去形の動詞です。 I'll である以上あくまで「未来」です。 「赤ちゃんたちは私がこれから知るであろうことよりも多くのことを知るであろう」 ごく当たり前の解釈です。人種差別の背景があってもなくてもすでに大人である「私」と生まれたばかりの子供を比べれば当然そうなります。 多くの解釈が ever を「これまでの経験」と間違って思い込んだために動詞の未来形との整合がとれず未来形を無視したあるいは過去か現在完了のように解釈してしまっているのです。 ところで ever ですが、これは和訳のしにくい語なのです。強いて言えば「~することがある」くらいの意味ですが辞書でも「強意」程度の説明しかされていないこともあります。疑問文や条件文では訳出することは比較的容易ですが Do your train run in time? 「一体おたくの電車は時間通りに走ることがあるのか」 If you ever go there, do visit them.「そこに行くようなことがあればぜひ彼らを訪ねてください」 例のような文ではなかなか難しいものです。more than I'll ever know に関しては、この文の「裏」を考えてみれば何となく見えてきます。 「私がこれから知るよりも多く」ということは「私がこれから知ることができないほど多く」とも言えます。すると表面上肯定文でありながらも比較されることで否定の意味が内包されると考えられます。 I'll never know は「私はこれから知ることはないであろう」とごく普通に解釈できます。これを内に含むので never の裏返しとして ever が出てきたのです。なお、俗語では正しくない形として more than I'll never know のような形が出て来ることがあります。一方が「知らない」もう一方が「知る」では比較にならないので正しくないとされるのですが、心理的に「私には知ることができないくらい」の気持ちがあるので否定が引き出されます(こういう否定語を虚辞ということがあります)。 この歌詞もこういう風に解釈されるでしょう。ともかく未来形である以上これまでの経験ということはありえません。
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- mesenfants
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とてもいい詩ですね。たしか米国のベトナム戦争映画の酷たらしい終景にこの歌が流れていました。それから二十数年後の「シンレッドライン」(テレンス・マリック監督)を見ながら、この映画にこそ似合う歌だなあと思ったのを覚えています。 さて「will」を未来ときめてかかることもないのでは。ここは「推量」の助動詞でいいかと。こどもたちはいろいろなことを「学ぶ」「身につける」「この世で生きていくための技術を習得する(それは幸せや善への道なのだというのがギリシア的あるいはプロテスタント的なのかもしれません」だろう(「will learn」の「learn」に注意)。それに対し「I' ll know」では「know」となっており、これは「行為」の動詞ではなく「状態」のそれだと思われます。「知っている」「体のなかに熟成して、知悉している」その「量の多さ」ではなくむしろ「質」にポイントがあり、「私の理解(know)の質の範囲をおそらく越えるような」ことを「こどもたちは当たり前のように習得して」「すばらしい人生の春秋(とき)をたどっていくだろう」と歌っているのではないでしょうか。「ever」はこの推量助動詞を強調しているのだと。
お礼
推量助動詞という切り口があるのですね。 もう一度英文法の本を読み直してみます。 このような些細な部分からでも多くの方から回答頂いて、複数の視点から学んでいくことは、大変充実した勉強ができそうです。 ありがとうございました。
- Agee
- ベストアンサー率42% (414/964)
回答ではありませんが、一言。 私のコンピュータに存在する'WHAT A WONDERFUL WORLD'(ソースは不明)を聞いてみましたが、ルイアームストロングは"I'll never know"と歌っています。 Googleで検索してみました。 「キーワード:Louis Armstrong」 「フレーズ:more than I'll ever know」 「地域:アメリカ合衆国」 ヒット数:725件 「キーワード:Louis Armstrong」 「フレーズ:more than I'll never know」 「地域:アメリカ合衆国」 ヒット数:527件 "ever know"の方が多いですが、"never know"も無視出来ない数字です。権威あるオリジナル歌詞を探すことをお薦めします。
お礼
ありがとうございました。 こういう検索の使い方は思い付きませんでした。 CD購入してみようと思います。 ヒヤリングの勉強ももっとしなければならないですね・・・
詩というものは、人それぞれの解釈があってよいのです。 また、翻訳では、翻訳者が自分の解釈やイメージで変更することも許されています。つまり、直訳の場合から創作に近い翻訳まであります。 babies について言っているわけですから、未来のことですね。一方、自分自身のことで言えば、もちろん、これらのbabiesより多くの経験を積んで来ているし学んできたことも多いわけです。ただし、自分についても未来のことを比べているので、今後自分よりも長い人生を送るだろうから、自分よりは多くのことを学ぶだろうと思っているのですね。 babiesは、自分の学んだことも含めて、知識としては学校や書物などで学べる機会もあるし、合計の絶対量としては、自分より多くのことを学ぶだろうということですね。自分もさらに今後多くの事を学ぶにしても、時間で考えると、その時間は共通ですから、自分の死後の時間はすべて彼らのものなわけです。 意味として、未来(babies)と過去(自分)の比較ではなく、未来(babies)と未来(過去を含む自分)の比較なのです。
お礼
ありがとうございました。 他の方々の回答を拝見して、英文法の時間軸は面白いのですね。 慣れていないので戸惑っていますが。 「未来(babies)と過去(自分)の比較ではなく、未来(babies)と未来(過去を含む自分)の比較」 それまでの歌詞では同一空間・現在での比較に止まっていたのに、最終節で「未来」の一方向へ向けた長短の比較構造なのですね。 この転換が、それまでの比較を統合させて、寂然と「希望」を抱かせてくれるのでしょうね。そう考えると美しい構造をした詩ですね。
- thermal_7
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「I had ever know」は正しくないです。 「I'll ever know」は今までの経験したことだけではなくて、まだ経験していないけど、経験することも含んでいます。
お礼
「まだ経験していないけど、経験すること」という発想は、ご指摘頂くまで日本語でも想像できませんでした。 ありがとうございました。
お礼
ご丁寧な解説ありがとうございました。 虚辞という構造があるのですね。 文祥では伝えきれなかった疑問を、まるで私の心を見通して頂いたような的確な回答に感謝申し上げます。