[足利事件]再審開始確定へ 弁護側、特別抗告断念。どういう意味か。

質問

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090623/trl0906231206005-n1.htmをみたときに思いました。

　弁護側が特別抗告を「断念する」ということは、場合によっては(理論的には)特別抗告しうるが、様々な事情を考慮してやめたというように読めます。
　しかし、私の理解では、弁護側が再審開始を求め、裁判所が開始決定をした以上、全面的に主張が認容された弁護側が特別抗告をする余地はないと思うのですが、どうなのでしょうか。

　少ない知識と偏った情報からひねり出した推測としては、以下がありますが、皆様のご意見を聞かせてください。全くピント外れであれば、その点のご指摘も当然歓迎です。ちなみに、下記2,3は、特別抗告の理由にならないと思いつつ記載していますので、その点斟酌いただいて詳しい解説等いただけると幸いです。

1. 単なる語法違い。
2. 弁護側は、決定の内容に不服がある。例えば、検察側鑑定人の意見をみて、「弁護側鑑定人の信用性を判断するまでもなく」としているのが気に入らない。
3. 再審開始決定で、当時の捜査の適法性に関する審議をするか、再審でするように明記するかしてほしかった。

回答No.1

nep0707 · ベストアンサー

マスコミ報道でしか情報が入ってこないので、かなりあやふやな前提による回答だと、まず言い訳しておきまして…

法的な問題をさておいて、実際の理由は2、3だと思います。

私の聞いている話では、これ、検察側からの再審請求だったと思います。で、検察側が既に無罪を求めている（犯罪の立証をしない）ので、裁判所は審理するまでも無く無罪判決を下すことになるわけですが、被告人、弁護人はそれでは不満だ、ちゃんと審理してきっちり「あれは間違いでした」と言え、なぜ間違ったのかちゃんと明らかにしろ、という話だと理解しています。

従って、いちおう検察側の再審請求を棄却しろ（そして改めて当方の再審請求を受け取れということなので）、いちおう法的にも刑事訴訟法４５０条に基づく即時抗告は可能です。

ただ、抗告してそれが通り、被告人・弁護人側の再審請求を通したとしても、いたずらに時間を費やすだけで大した利益は無いでしょう。

被告人・弁護人側の主張が上記のとおりならば、再審したところでそのような意味での真相究明（特に「なぜ間違ったのかちゃんと明らかにしろ」）は期待できないからです。

質問者様はご存知と思いますので蛇足な補足になると思いますが、刑事訴訟というのはあくまで当事者たる被告人が有罪か無罪かを決める場であって、事件の真相究明はその判断に必要な範囲においてしか行われません。

もちろん、もしこの再審請求が被告人・弁護人側から行われたものであれば、質問者様のおっしゃるとおり、抗告なんてことがそもそもありえないことになります。

お礼

ありがとうございます。請求の申し立て人は検察でしたか。それは意外なのでちょっと驚きですが、わたしもちょっと考えてみます。

　それはさておき、検察が申し立てしても、特別抗告が決定に不服があるときになされるものだとすると、やはり法的には許されないような気がしてきました。明確な理由があるわけではないのですが、無罪判決(当然原告は検察官)に対する上訴が許されないのと近いイメージを持っています。