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ローラン展開について質問です
- 教科書の例題にて、1/(z-2)のz1(≠2)を中心としたローラン展開を|z-z1|>|z-2|(z=2を含む領域)の範囲で幾何級数を用いて解く例題があります。
- 例題の答えはΣ(n=0~∞)(2-z1)^n/(z-z1)^n+1となっているのですが、定義の積分から導くと一致しません。
- 教科書に解答が載っていないため、変形するだけなのか、根本的にやり方が間違っているのかが分かりません。
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>|z-z1|>|z-2|(z=2を含む領域)の範囲で幾何級数を用いて 答えから類推して|z-z1|>|2-z1|の領域じゃないですか? >An=1/2πi∫1/(z-2)(z-z1)^(n+1)dz >特異点はz=2のみなので ここが間違ってます。 周回積分の経路は|z-z1|>|2-z1|の領域内にとるので経路の内部には z=2にある1位の極の他にn≧0に対してz=z1にn+1位の極があります。 n<0では特異点はz=2にある1位の極だけなので質問者さんの言うとおり An=1/(2-z1)^(n+1) (n=-∞~-1) ですがn≧0に対してはちがってきます。具体的にA0とA1を計算してみます。 A0=1/2πi∫1/((z-2)(z-z1))dz 被積分関数はz=2とz=z1に1位の極をもつのでA0はそれぞれの留数の和で A0=1/(2-z1) + 1/(z1-2)=0 A1=1/2πi∫1/((z-2)(z-z1)^2)dz 被積分関数をp(z)とおくとz=z1に2位の極があるので p(z)=B[-2]/(z-z1)^2 + B[-1]/(z-z1) +… と展開できるはずです。B[k]はk次の項の係数です。 留数の計算で必要なのはB[-1]だけで B[-1]=(d/dz)(p(z)(z-z1)^2) (z=z1) = (d/dz)(1/(z-2)) (z=z1) = -1/(z1-2)^2 またz=2に関する留数は1/(2-z1)^2なので A1=1/(2-z1)^2 - 1/(z1-2)^2=0 A2以下についても0になることを示すのはそれほど難しくないと思います。結局 f(z)=Σ(n=-∞~-1)(z-z1)^n/(2-z1)~(n+1) を得ますが、和の範囲が(n=-∞~-1)であることに注意してください。 -(n+1)をmとでもおけば f(z)=Σ(m=0~∞)(2-z1)^m/(z-z1)^m+1 となって幾何級数を用いた結果と一致します。
お礼
>答えから類推して|z-z1|>|2-z1|の領域じゃないですか? すいません|z-z1|>|z-2|は間違いでした、それで正しいです。申し訳ありません。 なるほど確かにz=z1も考慮しなければいけませんね! f(z)の特異点の周りのローラン展開しか解いていなかったので気づきませんでした。 とてもわかりやすい回答どうもありがとうございます。勉強になりました!