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100℃の湯と0℃のをくっつけても50℃にならないのは?
中西博士の http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1524-9.pdf p58 熱伝導の限界 で、 100℃の湯と0℃の水を、くっつけた場合、 >複雑な無限級数を計算して その温度の極限値が 100℃であることを示した とあります。 どんな、無限級数なのか興味があります。 教えて頂ければ幸いです。
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中西博士の論文がどのような内容かは不明ですが、特殊な熱交換機の原理に似ているものだと思います。 100℃の湯Aと、0℃の水Bを以下のように熱交換機を通すと0℃のA、100℃のBに変換できます。(実物の動作を実験したことがあります) 1.2本の長い銅パイプA,Bを平行に接して列べ、両者が接しているラインを全部ハンダ付けする。平行パイプは断熱材で包み熱が逃げないようにしておく。 2.銅パイプAの端から100℃の湯を流す。一方銅パイプBの逆の端から0℃の水を流す。つまり、両者は互いに逆方向にすれ違う方向に流れる。 3.銅パイプのそれぞれの出口では、Aから0℃の水、Bから100℃の湯が出てくる。 この動作を理解するには、パイプ内の液体を長さ方向に無数に分割して考えます。A←→B間の熱伝導によって起こる熱平衡化を各微少体積ごとに考えると謎が解けます。簡単のためにパイプの熱容量は無視してよいです。 熱平衡→移動→熱平衡→移動→熱平衡 という過程がA,Bの流体のすれ違いフローによって起こります。これを計算で精密に解くためには分割数を無限に増やしていけばよいです。 パイプAをA[0]~A[2n]の区分に分割、パイプBをB[2n]~B[0]の区分に分割します。各区分は断熱扉で仕切られていて、液体の移動時のみ全て同時に開くと考えます。100℃の湯、0℃の水をそれぞれA[0],B[0]から入れます。一定の時間が経過したら、1つ先の区分へ移動するという行程を何度も繰り返すとします。 A,B同じタイミングで移動を続けると、最初にすれ違うポイントは、A[n]、B[n]のところです。ここで両者微少体積の流体は一定時間経過によって熱平衡に達し、いずれも50℃になります。さて、ここから1ステップ移動が進むごとに複雑な過程が展開されていきます。A[n]の液体がA[n+1]へ、B[n]の液体がB[n+1]に移動したとき、A[n-1]・B[n+1]、A[n]・B[n]、A[n+1]・B[n-1]のペアで熱移動が起こります。熱移動前は、A[n-1]は100℃、B[n+1]は50℃、A[n]は100℃、B[n]は0℃、A[n+1]は50℃、B[n-1]は0℃ですから、移動後には、A[n-1]・B[n+1]のペアは75℃、A[n]・B[n]のペアは50℃、A[n+1]・B[n-1]のペアは25℃になります。 このようにして1ステップごとに起こる熱平衡の配列を考えると全体を通じて漸化式のような級数で表現できると思います。級数はまだ導いてないので、ここではご紹介できません。申しわけありません。 意外にも、このような熱交換機の構造がペンギンの血管に見られます。動脈と静脈が熱交換する構造になっていて、血液が末梢に流れても体内の熱が奪われないようになっているのです。
お礼
丁寧な説明、ありがとうございます。 > A[n]の液体がA[n+1]へ、B[n]の液体がB[n+1]に移動したとき、A[n-1]・B[n+1]、A[n]・B[n]、A[n+1]・B[n-1]のペアで熱移動が起こります。熱移動前は、A[n-1]は100℃、B[n+1]は 50℃、A[n]は100℃、B[n]は0℃、A[n+1]は50℃、B[n-1]は0℃ですから、移動後には、A[n-1]・B[n+1]のペアは 75℃、A[n]・B[n]のペアは50℃、A[n+1]・B[n-1]のペアは25℃になります。 < これで、定式化してみます。 おそらく、中西襄博士が繰り込み群的手法で導いた無限級数=熱交換機での無限級数 ではないか、と思います。
お礼
わかりやすい絵で、納得しました。 ありがとうございます。