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磁気モーメントの物理的意味
物理の教科書には磁気モーメントが m=Qd と書かれていましたが、これの物理的な意味がいまいち理解できませんでした。 Qとdの積が一体何を示しているのか、分かる方は教えていただけませんか?
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- sanori
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こんばんは。 まず、ちょっとだけ脱線しますが、 マクスウェル方程式4本のうちの2本、 ∇・D→ = ρ ・・・電場の源(単独のプラス電荷、単独のマイナス電荷)はある。 ∇・B→ = 0 ・・・磁場の源(単独のN極、単独のS極)はない。 単独のN極、単独のS極のことは、仮に「磁気単極子(モノポール)」と呼ばれていて、 宇宙論に関連して、実は存在するとか、存在しないとか、現在でも、ことあるごとに議論されています。 しかしながら、古典電磁気学(=マクスウェル方程式)では、磁気単極子はないものとして方程式が立てられています。 さて、 磁気単極子がないということは、磁場が存在するためには、N極とS極のペアが存在しなくてはいけません。 しかし、N極とS極の距離がゼロであるとすれば、N極による磁場とS極による磁場は完全に相殺してゼロとなります。 つまり、N極もS極もないのと同じです。 ですから、磁場が存在するためには、N極とS極との間に距離 d→ が必要です。 d→ に磁極(N、S)の強さQをかけたものが m→ です。 Qが大きいほど磁場が強くなるのは、当たり前ですよね。 そして、d→ の大きさが大きいほど、磁極の近辺でも、磁気双極子からある程度離れたところでも、磁場の強さが大きくなります。 これは、鉄亜鈴の腕の長さが長いほど、遠くから見たときでも腕の長さが長く見えやすいことと同じです。長いほど、鉄亜鈴の両端の2つの鉄球が別々のものに見えます。(=NとSが別々に見えます。) ですから、物理的意味としては、 「磁気双極子によって発生される磁場は、磁気双極子の長さが長いほど強くなる。 磁気双極子の長さがゼロであれば、磁場を発生できなくなる。」 ということになります。 それを踏まえて、下記の記事もご参考にどうぞ。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%81%E6%B0%97%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%81%E6%B0%97%E5%8F%8C%E6%A5%B5%E5%AD%90 (磁気モーメントは、「磁気双極子モーメント」を真空の透磁率μ0 で割っただけのものです。) 以上、ご参考になりましたら。