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モーメントの意味
確率統計の勉強をしています。物理の勉強をしたことがありません。 原点周りの一次のモーメントが期待値で、期待値周りの2次のモーメントが分散であることはわかったのですが、なぜ、期待値や分散をモーメントという名前を使って表さなければならないのか、よくわかりません。結局、モーメントというのは確率分布の特徴を示す物という理解でいいのでしょうか?
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確率と物理のモーメントは,正確には同じものではありません。 計算の形式が似ているから,同じ名前が使われているのだと思います。 例えば,力は「向き」がありますから,ある向きを正と取ると,逆向きは負になりますが,確率は全て非負,つまり0以上です。 それを念頭に置いた上で,計算を考えて見ましょう。 例えば,テストの10点,50点,60点の平均を求める。 これは,小学生でもできる。 (10+50+60)/3 = 40 です。 しかし,これを確率分布の考えを使って計算すると,一つ一つの標本 x が取り出される確率 p は等しく1/3だから, その平均(期待値)は ∑x・p =10*(1/3) + 50*(1/3) + 60*(1/3) = 40 となります。 小学生でも知っている平均の計算は,実は,確率分布に関する計算をやっていたわけです。 これを加重平均と呼びます。 つまり,上の場合,ひとりひとりが同等の確率 1/3 を持つと考えて,その確率に,10,50,60という重み付けした評価をしたのです。 話は脱線しますが,例えば,上のテストが3人の点だったとして,10点のA君に先生が10点水増しして20点にしたらどうでしょうか。 通常,平均は (20+50+60)/3 = 43.3 と計算します。 しかし,生徒が取った点数自体は10点,50点,60点だが,先生がA君の確率を2倍(つまり2/3)にしたとも考えられます。 すると ∑x・p =10*(2/3) + 50*(1/3) + 60*(1/3) = 43.3 と出すこともできます。 この式,他の生徒の確率が1/3なのに,A君には2/3という,いかにも,えこひいきって感じが出てるでしょう? 同じ答えでも違った見方が出来る例です。 では,モーメントを考えます。 確率pが,力Fに当たると考えるので,同じ10kgの重り3つの物体を考えてみます。 力を考えるときは,通常,重力加速度9.8(m/s^2)を使い,N(ニュートン)という単位系に直しますが,数値が変わるだけで,計算方法は変わらないので,ここでは,10kgを使います。 長いシーソーを考え, その支点の左 3m に重り1つ,右1m と2mにひとつずつ重り を載せます。 添付図参照 シーソー自体の質量は無視します。 支点の周りの回転を考え,反時計回り(左回り)を正の力の向きと考えます。 すると左の重りの力は正,右の重りの力は負 となります。 このモーメントは ∑x・F = 3*10 + 1*(-10) + 2*(-10) = 0 となります。 モーメント0,つまり,回転しないで釣り合った状態にあるわけです。 質量だけ考えると, 左10kg,右(10+10)= 20kg と右の方が重いのです。 しかし,距離を重み付けすることによって平衡状態だとわかります。 統計の計算では,ただ1点の平均値,によって分布全体を代表できる。 物理の計算では,ただ1点の支点, によって重り全てを支えられる。 いずれも,重み付け計算によって出来たことなのです。 なお,この支点位置が,3つの重り全体の重心とも言えます。
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- 井口 豊(@Iguchi_Y)
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物理でいうモーメントとは,回転運動で, 中心からの距離rと力の大きさFの積r・F (中心の周りのモーメント) のことです。 数学で期待値は, 確率変数 x(これはx-0,つまり原点から距離x,と考えて良い) と密度関数 f(x)の積,x・f(x) (原点の周りのモーメント) から求め,これは物理のモーメントと同じ形になります。 また,分散は期待値Eとすると (x- E)^2・ f(x) であり,期待値からの距離の2乗とf(x)の積だから 2次のモーメントと言います。
お礼
回答ありがとうございます。 今日、別の回答にも答えていただいてましたね。 その節はお世話になりました。 確率変数xが原点からの距離であるというのはわかりました。 そういう説明の仕方をしてるものがなかったのでよくわかりました。 ですが、力の大きさFが確率密度と同じというのはなんだか納得できません。 もうちょっとそのへんをおねがいできないでしょうか?
お礼
回答ありがとうございます。 画像まで挿入していただき、感謝しています。 力の大きさFと捉えるよりも 確率密度も力の大きさFも事象の重みという訳ですね。 やっとわかりました。 ありがとうございました。