- ベストアンサー
特許公報より5ヶ月して公開公報
お世話になります。 特許法64条(出願公開)には、 「特許庁長官は、特許出願の日から1年6月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。・・」 とあります。 したがって特許掲載公報(特許公報)が掲載された案件については、公開公報は掲載されないと考えていました。 ところが、早期審査で登録査定を受けた案件が、 特許公報(B1)掲載から5ヶ月(登録からでは7ヶ月)も経過してから公開公報(A)が掲載されました。 掲載事務手続きの関係で3ヶ月くらいのタイムラグなら掲載されるのも理解できるのですが、64条では「特許掲載公報の発行をしたものでも出願公開をしてもよい」と解釈すべきということでしょうか? よろしくご教示ください。
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
No.1 です。なんとなくわかってきました。 実務上は、昭和61年から平成9年6月までは特許公報が発行された後の公開公報の発行は無かったようです。 ただ、平成9年7月以降登録分からは後追いで公開公報が出るようになった模様です。 背景として考えられるのは、一つはすでに指摘がある検索対象の問題(とはいえ、抜けている上記期間は登録も検索しないといけない)、もう一つは世界公知の観点から、出願時に出願人が公開しようとした技術は規定の時期に刊行物にすべきという立場、と思われます。 これによって、出願時に日本に限らず全世界に対して公になることを了承されていた技術が埋もれることが無くなる、という考え方です。 これにより、出願者にとっては、アメリカにおける先発明主義に対しては明確な発明日の明示ができますし、他の国に対しても優先権主張をして、出願時の明細書範囲全体を権利化できる可能性を残せます。(日本では一部しか特許性が認められなかったとしても、他国では全部認められるかもしれないため) そして、競合者にとっては、包袋を取り寄せずとも日本で権利化できなかった範囲が把握できるとともに、権利化されなかった部分の技術についても公知技術として、各国での新規性・進歩性判断に用いることができます。(他国での権利化阻止にも使えます)
その他の回答 (4)
- shintaro-2
- ベストアンサー率36% (2266/6245)
一時期、日電が出願と同時に片っ端から審査請求し、 公開前に登録となってました。 当初、公開公報は発行されていなかったのですが、 業界として不便であるため、特許庁に要望を出し、 その結果、公開公報が発行されるようになったものです。 >64条では「特許掲載公報の発行をしたものでも出願公開をしてもよい」と解釈すべきということでしょうか? その解釈でokです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 そのような経緯があったのですね。 出願分野によっては早期審査対象外でも 公開前に登録になるものもあるそうですね。 参考になりました。
- Murasan759
- ベストアンサー率59% (312/527)
昔の公告公報の時代からの運用で、公告公報(現在の特許掲載公報)が発行されたものでも公開公報を発行することとなっています。 その理由は、サーチの利便性です。公開公報さえサーチすれば、出願された技術は全て網羅できるようにするためです。 特許公報が発行されたものは公開公報が発行されないとすると、特許公報もすべてサーチしないとサーチ漏れが生じてしまうという問題を是正するために昔からそのように運用されています。
お礼
サーチの利便性はたしかに向上しますね。 参考になりました。ありがとうございます。
>64条では「特許掲載公報の発行をしたものでも出願公開をしてもよい」と解釈すべきということでしょうか? 「すべき」かどうかは知らないですけど、「特許掲載公報の発行をした場合には、その特許出願について出願公開をしてはならない。」とは書いてないですね。 ざっと調べたところ、審査基準や審査ガイドブックには特にこのようなケースについての規定は見つかりませんでした。どこかに書いてあるのかどうかを知りたかったら、特許庁に電話して訊いた方が早いかと思いますよ。 ところで、特許掲載公報には出願時の特許請求の範囲及び明細書は記載されていないんじゃありませんか? それだったら、何らかの手段によって出願時の特許請求の範囲及び明細書を公開しないとまずくありませんか? 無効審判(特許法第123条)請求事由第1号に該当しないものであるのかどうかを第三者が判断できない状況ってのは問題になりそうな気がしますが、いかがでしょうか? 理屈で言ったら、特許掲載公報発行後でも、出願公開公報を発行する方が筋が通っているように思います。 だったら、64条の「特許掲載公報の発行をしたものを除き」という除外規定は不要じゃないのか?という反論もあるかも知れませんが、元の明細書から全く変更がない場合には無効審判のことを考えても公開公報発行の必要はないので、そういう場合には無駄なことをしないようにするために、「発行しないことも可能」という規定を設けたということではないでしょうか。 というか、この除外規定って、早期審査制度が始まる前からあったんですよね。当時は公開前に公告決定や特許査定になることは実質的に皆無であり、こんな除外規定は極めて現実離れした「万が一のため」の規定に過ぎなかったんだろうと思います。
お礼
参考になりました。ありがとうございます。
- trytobe
- ベストアンサー率36% (3457/9591)
具体的な案件(出願番号)がわかれば的確にご説明できますが、ご質問の内容からだと、以下のような可能性を挙げることしかできません。 ・特許査定をいそぐため、公開前に出願を分割することで、一部を特許査定させ、残った未審査の部分が公開公報で公開された。(この場合は、出願番号は同一であるが、分割などの書誌情報が見られる) ・日本で特許査定したものであるが、PCT出願により各国に同時に出願されたものであったため、公表公報として後日別途公開された ・そもそも良く似た2つの出願を同日にしており、1つは公開前に特許査定、もう1つはそのまま放置されて公開公報が出された。(この場合は出願番号が違う)
補足
ご回答ありがとうございます。 具体案件を明示できず申し訳ありません。 当該案件は分割出願はしませんでした。 また、PCT出願もしておりません。 同日出願案件もありませんでした。 思い当たるふしとしては、最初の拒絶理由通知に対し、 意見書と手続補正書を提出しました。 手続補正は請求項の減縮と併合であり、明細書は全文補正でしたので、 公開公報を見ると、出願時の約2倍のページ数になっています。 (補正内容が末尾に追記されているため) このような中間処理があったためなのでしょうか?
お礼
度々のご回答ありがとうございます。 参考URLも拝見いたしました。 11年間は特許公報のみの時代があったんですね! 第64条は「・・特許出願の日から1年6月を経過前に、取下げおよび拒絶査定が確定したものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。・・」 にしておくと実際の運用に近いと思いました。