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電子と電気

陽極と陰極の離れている間を放電させるときに 初期に高圧をかけてスパークさせて電気の通り道 を作ると思うのですが、スパークの瞬間は電子が 先に飛び出して電機の流れ道を作るのでしょうか? それとも電気が流れ出して電子が放出されるので しょうか? 基本がわからなくてお恥ずかしいのですが、どなたか ご教示頂けたらと思います。 よろしくお願い致します。

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  • CaF2
  • ベストアンサー率64% (20/31)
回答No.3

どうも  空気中など、真空とみなせない気体中放電を考えるときに誤解しやすいことは、 「放電とは、陰極金属から飛び出た電子が、陽極に到達する現象」 と思ってしまうことです。    これは、真空管などを中学生くらいで、勉強したことのイメージをひきずっているためだと思います。実は、このような放電は、どちらかというと例外です   考えてみてください。窒素などの分子が立方mあたり10の25乗も あるような場所では、電子は、数μmもまっすぐには飛べません。(電場 にもよりますが、我々が通常考える範囲では、そんなもんです)  大気圧放電が起きる過程(グロー放電アーク放電などと言われる類です) は、近似的には、以下のように考えます。  1)空気中には、元々1立方mあたり10乗~13乗程度の自由電子がある (衝突、光電効果、静電気、宇宙線・放射線・・・etcに起因する)  2)電極間に電圧がかかり、電場Eが上昇していくと、その自由電子が     F=eE    に依存して加速される。(自由に移動できる距離はμmオーダー)  3) ついに、その電子の速さが、分子ののイオン化エネルギー    (5~25eV程度)相当を超える。  4) その電子が、酸素などと衝突して、イオン化させ      X + M +e → X(+) +M +2e    のような感じで、電子が増えはじめる。(Mは中性分子など)  5) 自由電子がなだれ的に増加し(立方mあたり20乗以上)    気体といえども、まるで金属のように自由電子だらけになる。      6) 抵抗は自由電子の量に反比例するので、1Ωcmオーダーまでプラズマの抵抗が落ちる       →この結果、気体が絶縁破壊され、金属と同じように、電流が流れる  この一連の現象が、回路定数にもよりますが、ナノ秒程度で起きます。    こうなってしまうと、放電プラズマは、ただの抵抗体ですから、 オームの法則とだいたい同じ考え方に従って、電流が流れると言って いいでしょう。    更に、プラズマ中をなぜ電気が流れるのか?を突き詰めて考えだすと、 場の理論まで行かないと説明できないので、自由電子が増えたから、 電流が流れやすくなった・・・という考え方で終わりにして おきたいと思います。  なお、この時でも、電極のごく近傍では、金属と空間の間で、電子の 出し入れがあるわけですが(そうでないと、電荷が移動しないから、 電流が流れるというイメージになりません)、ここでは色々な過程が考えら れ、一筋縄ではいきませんので、略させてください。  また、放電前に、予備放電や、X線を照射せて、放電を安定化させる例が あり、これは種になる自由電子の量・分布を安定化させるためにやると 言われていますが、定量的な解析研究は、実は少ないように思っています。   

4416ito
質問者

お礼

非常にわかりやすいご説明頂き ありがとうございました。 勉強になりました。

その他の回答 (2)

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.2

補足ですが, 最初,「電気」というものが存在して,プラスからマイナスに流れると 思っていたんですね。それを元に,いろんな物理法則や機械を作るときの ルールなんかが決められました。 ところが,その後の研究で,電気が流れるという現象は, 実際には電子というものが,マイナスからプラスに移動することだと わかったんです。 その時点で,たくさんの法則やルールが「電気の流れる向き」を基準に 決められていましたから,今さら全部逆向きに変えるわけにもいかず, 仕方ないので,「電子は電流の向きとは逆の方向に移動する」という ふうに便宜的に決めることでつじつまを合わせたんですね。 だから,電気には実体はないんです。 電流計などで,「あ,こっち向きに電気が流れてる!」って思ったら, 実は逆向きに電子が移動しているのを観測しているってことですね。 スパークも同じです。

4416ito
質問者

お礼

「なるほど!」と思いました。 大変参考になりました。 ご回答ありがとうございました。

  • ymmasayan
  • ベストアンサー率30% (2593/8599)
回答No.1

電気と電子と同時に考える時には、電子は存在するが電気は「架空のもの」といわ ないといけません。なぜなら電子の持つ電荷の符号を変え、方向を反対にしたものを「電気」とか「電流」と呼んでいるからなのです。 スパークでも流れるのは電子です。その方向を反対にみて、スパーク電流が流れたと言うわけです。 流れているもの(実体)はあくまでも電子ですが、歴史のいたずらと、判りやすさから実体の無い電気や電流と言う表現を使っています。

4416ito
質問者

お礼

参考になりました。 「そういうことか!」と納得でき、 大変感謝しております。 ありがとうございました。

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