- ベストアンサー
電子の行方
- 電子の行方について、ブルーバックス・山田克哉著「光と電気のからくり」には「電池は決して余分の自由電子を回路に供給したりしません。電池の働きはあくまでも外部回路にすでに存在している自由電子を循環させるだけ」とあります。
- しかし、J.J.トムソンの陰極線の実験では、衝突した電子はどこに行くのか疑問です。陽極を越えて進む場合、循環しないと考えられます。
- この電子の行く先については、詳しい解説を見つけることができませんでした。他の文献でも同様の記述や解説があるのか気になります。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
その他の回答 (3)
- veryyoung
- ベストアンサー率75% (65/86)
テレビのブラウン管に関しては「メタルバック」という帰還路の工夫が存在したという記憶があり、検索してみたのですが、おっしゃるように、全貌を示すぴったりの図は見つかりませんでした。メタルバックとは蛍光面に蒸着したアルミ薄膜で、電子ビームは一旦透過して蛍光体を叩くものの、この導電膜に流入します。私はブラウン管に関してあまり知見はありませんが、イメージを添付しました。赤線が電子の流れる経路です。電子の加速は左端のカソード、アノード間で完了します。電子はその後、導電性の広いカゴの等電位(電界僅少)空間を、ほぼ等速運動して蛍光面に達するという感じでしょう。スクリーンは電源に対し導電性が確保されており電子流が流れ込むという意味の真の陽極と言えます。 青い点線の中は主題とは関係ないのですが、先のご回答に関連し描き込んでみました。管面が汚れる原因は、電子流による帯電というより、ガラス裏面に大きなアノード電圧がかかっているからではないでしょうか(TVでは、カソード側がほぼ接地電位になるよう設計されます)。また、ファンネル外面の導電コートに接触させてあるアース線は、ファンネル内外の導電コートで形成されるコンデンサの片極であり、電子の還流経路では無いと思います。このコンデンサは交流パルスから直流高電圧を得る回路方式において、平滑の役目を担っています。 上述ブラウン管構造と電流経路の根拠ですが、記述としては以下のものが見つかりました。 http://eclub.eizo.co.jp/lab/2005/11/crt2_1.html 「 2. 変調・集束 」のところに以下の記述があります。 ビームスポット形式のメカニズム。G1~G3は集束(フォーカス)電極。G4は加速電極(陽極)。G4とシャドウマスク及びアルミニウムのメダルパック(蛍光面の裏)は同電位である。 http://www.j-tokkyo.com/2004/H01J/JP2004-152538.shtml 【従来の技術】の【0003】に以下の記述があります。 この蛍光面の金属膜はメタルバック層と呼ばれ、電子源から放出された電子により蛍光体から発せられた光のうちで、電子源側に進む光をフェースプレート側へ反射して輝度を高めること、および蛍光面に導電性を付与しアノード電極の役割を果たすことを目的としたものである。また、真空外囲器内に残留するガスの電離により生じるイオンによって、蛍光体が損傷することを防ぐ機能をも有している。 http://www.j-tokkyo.com/1997/H01J/JP09306392.shtml 【従来の技術】に以下の記述があります。 一般にカラーブラウン管は、・・・パネル1の内面に設けられた蛍光体スクリーン2・・・に、ファンネル4に設けられた陽極端子を介して陽極電圧を供給するために、ファンネル4の内面に塗布形成された導電膜5に弾性的に導通接触するコネクター6が・・・
- debukuro
- ベストアンサー率19% (3634/18947)
ガラスに衝突して跳ね返ります それから陽極に回収されてリサイクルされるのです ブラウン管のコーンはなぜアースされているのでしょうか? ここを考えてください
お礼
ご回答ありがとうございます。 あなた様のご説明では「跳ね返る」ということで、この場合は「ガラスの表面を流れる」のとは結果的には変わりはないでしょうが、現象(表現?)としてはかなり違いががあるような気がします。もしこの点で明確な解説があれば、幸いに存じます。
>テレビのブラウン管の場合も同様です 最近テレビのブラウン管を見なくなりましたので分からないでしょうか、ブラウン管の漏斗型の脇の方に電子の逃げ口が貼り付けてあります。 電子はガラス面上を流れこの逃げ口から放電管回路に戻ります。 多少静電気として残るためにブラウン管上は分極しており黒いスス上のゴミを引きつけます。 ですので、昔はブラウン管をぞうきんで拭きました。
お礼
早速のご回答ありがとうございました。「電子はガラス面上を流れこの逃げ口から放電管回路に戻ります」、なるほどそうだったんですね。長年の疑問が解消しました。重ねて感謝申し上げます。
お礼
掲示スペースに表示されたようにOKWaveで同様に貴回答欄を開き、ちゃんと画像を見ることができました。 全く懇切丁寧にご回答いただき、感謝申し上げると同時に驚きも感じております。 質問からお察しのように、この方面に詳しくないので、全文理解できたわけではありませんが、概ねブラウン管の電子の流れに関しての構造が納得できました。 それにしても関連特許をも詳しくお調べられたのには頭が下がる思いです。 今回、こういったサイトに質問を投稿し、回答を得たのは初めてなので、もともと期待半分でしたが、このすばらしさに感激もしております、これからも大いに活用させていただこうと思っております。 ほんとうにありがとうございました。