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「人種」は存在するのか
「人種(race)」について調べています。 科学的には人種というものの定義は存在しないとききました。 しかしやはり人の住む地域によってある程度の見た目の特徴のルールがあるように思えます。 本当にそこに実証的な違い・証拠はないのでしょうか? また、そもそも「人種」を区切る規定というのうはどこにあるのでしょうか? それはどのような基準で定められたものなのでしょうか? 答えてくださってもありがたいですが、参考にできるサイト・文献などを紹介していただけると嬉しいです。英文のものでも嬉しいです。
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「人種」という言葉は生物学の言葉ではありません。つまり質問者さんが書かれた「科学的には人種の定義は存在しない」と同義です。 ですから、人種の分類基準は別に決まってません。肌の色で分けたり地域で分けたり、いろいろです。 最近は遺伝学的に、人類はいくつかのグループに分けられることが知られています。分岐した順に列記すれば、ネグロイド、コーカソイド、オセアニアン、モンゴロイドということになります。アメリカインディアン(ネイティブアメリカン)はさらにモンゴロイドと分けて記述されることもあります。 ただ、人類は全てホモ・サピエンス・サピエンスという亜種まで同一とされています。もし人種を生物学的に成立させるならば、それぞれが亜種ということになるのでしょうが・・・ よく「種の分類基準」について勘違いした記述を見かけますが、互いに交配可能か否かは種の分類基準のひとつではありますが唯一の基準ではありません。現にニホンザルとタイワンザルのように容易に交配できるが別種に分類されている動物種はたくさんあります。 一般的には、地域的に隔離されていて形態的に異なる特徴があれば「別種」として分類されます。その多くが交配可能です。 要するに、「独立した遺伝子集団」というのが種分類の根本ですから、地域的に隔離されていれば互いに交雑はなく、それぞれの集団は互いに独立した遺伝子集団と見なせます。形態的に差違があれば、それぞれの集団の遺伝子構成が異なることを意味するわけですから、それで別種と分類できるわけです。飼育下等の条件下で交雑可能か否かは基本的に問わないわけです。 という理屈で考えれば、人種を亜種として分類する根拠は十分にあるでしょう。地域的に隔離され、それぞれ形態上の特徴がありますから。 例えば宇宙人が地球に住む人類を観察していれば、彼らは人類を何種類かの亜種に分類しているかもしれません。 ヒトが自分達人類を亜種に分類しないのは、生物学的な理由より人道的、あるいは政治的な理由が強いでしょう。分類すれば即、人種差別や優生思想に直結しますから。 また、犬などの家畜は、ヒトによって選抜淘汰されています。これを自然淘汰に対して人為淘汰と言いますが、そうやって分化させた生物は種や亜種ではなく「品種」という分類をしています。 まあ、チワワとセントバーナードなんて、普通に見ればどう考えたって別種ですよね。これを「同一種」と思いこむのは、「種分類の基本は交配可能か否かで決まる」という誤解からなのですが、もしそうだとしても、チワワとセントバーナードはもはや自然交配は不可能です。 宇宙人が犬を観察していれば、間違いなく犬を数十種類の「種」に分類するでしょう。