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助動詞「らる」の用法(大鏡)

「鶯宿梅」に出てくる「らる」の用法がよくわかりません。 (夏山繁樹が命令通り梅の木を持ってきて、帝が褒美を下さる場面) 「衣かづけられたりしも」 「かづけ」は下二段活用の未然形だから他動詞です。 それに続く「られ」は、尊敬と考えるべきかもしれませんが、主語が帝なので、普通なら「させ給ふ」といった敬意の高い表現をするべきではないのでしょうか。 よろしくご教示下さい。

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  • kimosabe
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回答No.2

思ふやうなる木もてまゐりたりとて衣かづけられたりしも辛くなりにきとて、こまやかにわらふ。(大鏡) <「られ」は、尊敬と考えるべきかもしれませんが> →いいえ、「受身」の意味です。全体を現代語訳すれば、 思いどおりの木を持ってまいったということで、褒美の衣を掛けられた(=褒美の衣をいただいた)のも(かえって)つらくなってしまいましたと言って(繁樹は)にっこり(この部分意訳)笑う。 といったところです(岩波書店の「日本古典文学大系『大鏡』」の注でも同じような解釈が施されています)。 「衣かづけられたりし」の主語は繁樹です。帝が主語ならば、ここは当然「させ給ふ」といった敬意の高い表現をするべきです。平安時代、尊敬の「る」「らる」が単独で用いられている場合、その敬意はかなり低いとされていますから、帝の動作を「らる」単独で尊敬表現するなんてまずないでしょう。 こんなわけで「衣かづけられたりし」の主語は繁樹で、「らる」は「受身」という回答が出てくるわけです。。 ところで、 「かづく」に一種の「尊敬」のニュアンスが既に含まれている ホントかな?

beart
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 拝読してちょっと思ったのが、例えば 「御覧ぜらる」「仰せらる」 のように、エライ人の動作を表す言葉(この二つの場合は尊敬の動詞)の後に、同じく尊敬を表す助動詞「らる」が付くケースがある、 ということです。 こちらも興味深いです。

その他の回答 (1)

  • Parismadam
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回答No.1

こんにちは。7/18のご質問以来ですね。 ご質問1: <「られ」は、尊敬と考えるべきかもしれませんが> その解釈で結構です。 ご質問2: <主語が帝なので、普通なら「させ給ふ」といった敬意の高い表現をするべきではないのでしょうか。> おっしゃる通りです。 1.ただ、ここで使われている下二段動詞の「かづく」は「上の人が下の人に『被け物』として与える」意を表します。 例: 「御衣ぬぎてかづけ給ひつ」(竹取) 2.つまり、この意味でのこの動詞は上の者にしか使えない動詞ですから、一種の「尊敬」のニュアンスが既に含まれているのです。 3.従って、ここは単純な尊敬の助動詞「らる」だけを用いて、「かづく」+「らる」で2種類の敬語を使用しているような語感を与えるのです。 4.確かに、上記の例のように「給ひ」を用いた方がより敬意は表せますが、「らる」が敬意が落ちるというほどのものでもありません。 以上ご参考までに。

beart
質問者

お礼

いつもお世話になっております(礼) いつもいつもお礼が遅れて、大変申し訳ありません。 下二段の「かづく」のように、主語が上の者に特定される動詞って、確かにありますね。こちらも興味深いです。 ありがとうございました。

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