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複素関数の微分でも接戦という概念は有効ですか
微分のことを接線を通して理解したいと考えているのですが、複素関数の微分の場合にも接線の概念を使って理解できるものなのでしょうか。
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>大小がなかったら接線のことも考えられないように思いました。 大小関係と接線・・・多分「方向」「向き」と大小関係が ごっちゃごちゃなのでしょう. 実数の場合は大小関係があり, それから「自然」に「向き」と「方向」が入るんだけども, すでに普通の実平面の段階で大小関係がない (点の「位置」に大小関係はない, これは複素数に大小関係がないことと同じ)のに 接線ってあるでしょう? 「方向」と「向き」ってあえて分けて書いてるけども 「方向」ってのは「ベクトル」が表現するもので 空間内の方向を表す意味でここでは使ってる. 英語だとdirection.接線はこの「方向」を示すもの. 方向と大小関係はそれほどは関係ないです. 「向き」ってのは空間に対して定まるもので, 「正の向き」「負の向き」の二つがある. 物理でいう「右手系」「左手系」のこと. 英語だとorientation. たとえば,w=f(z)なんていう正則関数があったとする. このとき,w-f(z)=0の「グラフ」ってのは 2次元複素平面C^2の中で複素曲線をなすわけ. 複素だから曲線であっても「実二次元」で平面ともみれる. このとき,「接線」ってのは(1,f'(z))の「傾き」をもつんだけども 実はこれだと何も面白くないんだ.それで終わり. 実の場合は「速度」のように発展があるけども 複素の場合はそういう側面はないといってもいいくらい. だから,w-f(z)=0ではなくって f(z,w)=0みたいな「陰関数」のタイプがでてくる. このとき,偏微分(fz,fw)を考えてやると, はじめて「接線」の幾何的な意味がでてくる. (fz,fw)がゼロベクトルでなかったらそれは その近傍では,曲がってるかもしれないけども 実質的には直線(複素平面)と同じとみなせる(陰関数定理). けど,ゼロベクトルだったら。。そこは「特異点」と 呼ばれる重要な点になるんだ. たとえば,f(z,w)=zw としたら,f(z,w)=0はzw=0 これは原点での偏微分は(fz,fw)=(w,z)=(0,0)でしょう. そして,原点では 「二つの複素平面が4次元空間の中で一点で交わる」 という状況になってる.これはノードと呼ばれるタイプの 特異点のもっとも簡単なケース.ここでの「接線」は存在しないけど 交わってる複素平面のそれぞれ(分枝とかいう)は 「接線」を持ってる. ・・・てな感じで,実数の類推でいくと すぐ一変数じゃ収まらない話になってしまう. 接線は重要な道具なんだけども(実際「グラフの各点での接線の傾き」を集めた集合は「接束」といって極めて重要な数学的対象), 一変数の複素関数論の場合は, 微分のあの定義の実数での幾何的な意味をいったん外して, あの式そのものが引っ張り出してくるものを考える, あの式の「複素数」での(幾何的な)意味を 再構築するようなことをやっていくわけです. 「複素解析は幾何」ですよ. ある程度「武器」がそろったら 複素多変数で幾何をする道がありますが, 実数とはまったく違う世界だし, 道具も一変数のものだけでは ほとんど太刀打ちできなかったりします.
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- rabbit_cat
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>微分のことを接線を通して理解したい 微分の概念を理解するには、接線ていうのはあんまり良くないような気がします。 微分は、つまり、ある関数を1次式で近似するってことだと思ったほうがイメージとしてはいいような。 y = f(x) という関数があって、y0 = f(x0) だとしたら、x = x0 + Δx のときの y = y0 + Δyと書くと、 Δy ≒ f'(x0) * Δx と近似できる、(このときの誤差は、Δxの2乗以下のオーダーになる) てことです。これをきちんと書いたのが、いわゆる平均値の定理(あるいはテイラーの定理)なわけです。 複素関数に関しても、全く同じことが言えます。
お礼
微分で習う接線もどこか近似と関係があるように感じていましたが、二つの点が限りなく近づくということが一次式で近似することに対応するということでしょうか。ご教示ありがとうございました。
- fusem23
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>複素数に大小がないと聞きましたが、大小がなかったら接線のことも考えられないように思いました。 接線と大小の有無は関連がないと思いますが、何のことでしょう? >ご教示の学び方の流れそのものが接線から一度離れないといけないということなのですね。 別に接線に拘りたかったら拘って良いですよ。ただ、一般的には数式だけで分かった様にして進んだ方が効率が良いということです。 でも、本当は拘るべきです。数式で求めた答は、間違ってても気付かないからです。それを何度も、接線という概念まで戻って確認し続けるという行為は大切だと思います。多分、何気なく使っている公式などは、そういう過程を経て確認されたものです。 だから、数学者の中には、図形を三次元以上で考えられる人がいます。どういう認識かは私には分かりませんが… 複素関数の微分も、接線の概念は使えます。このQAでは伝えきれなので、あとは自分で努力してください。
お礼
大変励まされるご助言でした。努力してみます。ありがとうございました。
補足
方向を決めるには大小が必要かと思ったのですが意味がない疑問でしょうか。
- kabaokaba
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何度でもいうけど・・・思いつきだけでなく たまには少しは考えましょう. 微分の基本は接線の傾きです. ただし,複素関数の場合は 極限をとる範囲が「複素数」であることに十分注意すること. つまり「接線の傾き」ではあるが,実関数のような 単純な世界ではないということ. 微分であっても,それは複素の話であって 実にすると平面になることと 複素関数はたとえ一変数であっても 実二次元空間の間の写像であることを理解しましょう. 実際のところは 複素関数の場合は,「実関数の接線の傾き」というあの定義を 形式的に複素数に広げて, いったん「接線の傾き」というものから離れて 積分定理・展開・特異点・解析接続などなど展開していって それからまた幾何的な世界 (リーマン面・複素多様体など)に やってくる流れですかね. #一次分数変換とか等角写像の話はとりあえず無視
お礼
数学は自分にとって結局彼岸なのかと思いました。ご教示の学び方の流れそのものが接線から一度離れないといけないということなのですね。ありがとうございました。
補足
複素数に大小がないと聞きましたが、大小がなかったら接線のことも考えられないように思いました。
お礼
せっかく御懇切なご説明をいただいても私には猫に小判ではありますが、自分なりに勉強してみたいと思います。しかし能力の限界とともに独学の限界というものもありそうです。ありがとうございました。