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金属材料のポアソン比について
初めて投稿させていただきます。 通常の金属材料のポアソン比は約0.3であると学びましたが、なぜどのような金属も約0.3という値になるのかがわかりません。 ご存知の方おられましたら、ぜひ教えてください。よろしくお願いします。
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またまた回答なしで申し訳ないのですが・・・。 No.4の方のモデルでコインの半径を1、左右のコインの移動に伴う歪をδとすると、縦の歪は、 (4-3(1-δ)^2)^(0.5)-1 ~(4-3(1-2δ))^0.5-1 ~(1+6δ)^(0.5)-1 ~3δ となって、"ポアソン比"は1/3ではなく、3になってしまいます。 No.3で示しましたように、完全非圧縮性の物体のポアソン比はεxx+εyy+εzz=0という条件から0.5になります。現実の(等方的)物質では0.5以下になるわけですが、その物理的意味は、全ての物質は「圧縮されれば体積は減る」という事実に基づいています。(もし、押されて体積が増えるような物質があれば、常圧で不安定なはずです。)つまり、金属のポアソン比が0.3で0.5より小さいということは、金属は押されれば体積が減ることを意味しています。 多くの金属の結晶構造は六方稠密構造か面心立方構造で、球を積み上げたとき最も密度の高い構造です。ですから、もし、コインのような剛体球のモデルが成り立てば、あらゆる変形に対して必ず体積が「増える」はずです。つまり、ポアソン比を考える上で、剛体球のモデルは良くないことになるかと思います。 剛体球のように、金属結合に方向性が無いことと何か関係していそうな気は確かにするのですが・・・。相変わらず正しい答えはわからないです。申し訳ありません。
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- shota_TK
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#2,4のしょうたです. コインの変形は説明不足でした. あれは,上下に引張荷重がかかるモデルです. 最初の状態の4つのコインに対し,外力は上下方向にかかります. だから,#6さんが計算して下さった通り,横方向のひずみδとしたとき, 縦のひずみが3δになる,ということは,縦方向の変形に対して ポアソン比1/3ということになりますよね. このモデルは,いくつかの問題を含んでいますが, 入門として理解するには,こんな感じでよろしいと思います. 上記の説明は,"Engineering Materials Science"という本に 出ていたものです.(コピーしかないので著者・出版社不明です) 金属を本格的に勉強するなら,これでは不十分だと思います. 実際の金属の結晶は3次元でいくつかの種類があり,しかも 発泡スチロールの粒粒のように,いろんな向きの結晶がくっついた 状態になったりしています.コインモデルのような理想的な系では 説明することは不可能です.
お礼
しょうたさん、たくさんのアドバイス本当にありがとうございました。初めての利用なのでルールをよく把握してなかったのですが、ポイントの発行には限度があるんですね(・o・)「金属材料のポアソン比はなぜ約0.3になるのか」この疑問にこれからも追求し答えを見つけ出したいと思います!3度にもわたる投稿、本当にありがとうございました。
#1です.申し訳ございません! m(_ _)m 感嘆させてしまったRaputaさん,一瞬でも「よろしい」と思わせてしまったshota_TKさん.「長さが2倍になったときに偶然0.3になっただけ」だったんですね.悔い改めて精進致します
お礼
ご回答くださった皆様、本当に真剣に考えてくださって本当に感謝感激でいっぱいです。私も1K0Gさんの当初のアドバイスで計算し、「よし、できた!」と喜んでおりまして、自分の愚かさを知りました(+_+)とにかく何度もありがとうございます!!
- shota_TK
- ベストアンサー率43% (967/2200)
#2のしょうたです.確かに,#3さんのご指摘は正しいです. ためしに,縦方向に10%伸びる系を計算すると, 断面は0.953×0.953になります. 高さは1.1ですから,この場合のポアソン比は0.47になりますね. つまり,長さが2倍になったときに偶然0.3になっただけなんですね. せっかくなので,ちょっと調べました.次の説明が一番わかりやすかったので, ご紹介します. 例えば,4つのコインを用意して,まず2つを縦にくっつけて並べて下さい. この2つのコインの左右に残りの1つずつをくっつけて並べます. 横に広いひし形ができますね. これを互いに接触した状態を維持しながら,左右のコインを近づけます. このとき,上下のコインは少しずつ離れますね. この微小変化について,左右のコインの移動量と上下のコインの移動量の比 を計算すると,1/3になります. 金属の変形においても,おおむね,このような現象が起こっていますので, ポアソン比は約1/3(0.3~0.33)の値になります. ・・・どうでしょうか. おそらく,金属によって結晶状態は違うし,平面で考えることに問題は あると思いますが,概略を理解するにはわかりやすいと思うのですが….
お礼
原子レベルでの移動(微小変化)で考えれば、「一般材料の金属のポアソン比は約0.3」になるのでしょうか。。。う~ん、ポアソン比って本当に奥が深い・・・ コインを用いた考え方を教えてくださってありがとうございました。
- vortexcore
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申し訳ないのですが、No.1の方の説明は間違っていると思います。ポアソン比は変形が線形の範囲にとどまるような微小変形の場合に定義されています。長さが倍になるような大変形の場合は適用外です。 No.1の方と同じ縦歪み=1で方向が逆の場合、つまり押しつぶす場合を考えると、長さは0になってしまいます。その場合体積が不変なら断面積は∞、ではポアソン比は∞?そんなことはありません。 今のような、体積が変化しない(体積弾性率が∞)物質のポアソン比は0.5です。これは、z方向へ圧力をかけた時の変形後の体積(1+εzz)(1+εxx)(1+εyy)=1と置いて、歪εの二次以上の項を無視して(線形ですから)、εxx=εyyと置けば出てきます。(εzz=-2εxx) じゃあ、金属のポアソン比はなぜ0.3なの?といわれると実はよくわかりません。もう少しミクロに金属結合を考えないといけないのではないかと思います。 あと、No.2の方のおっしゃる「ポアソン比0.5以上のもの」はεxxとεyyが大きく異なるものでしょうか。この場合「ポアソン比」ということばを使うのはポアソン比の熱力学的意味を考えるとあまり良くないような気がします。 回答がなく、けちばかりですみません。
お礼
すばらしい!!言われてみると縦歪みが1というのは、たしかに極端ですね。僕ももっと頭を働かさなければ・・・それにしても皆さんの回答には驚かされるばかりです。初めての利用なのですが、本当に感動しています。そして、もっと頑張って勉強しようと思います。ありがとうございました。
- shota_TK
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弾性変形時には,厳密には体積変化しますが,#1さんの説明でよろしいと 思います.わかりやすい説明ですね~♪ 数学的に求めることもできますが,同じストーリーですので必要なさそうですね. ぼくは異方性を扱っているのですが,ポアソン比0.5以上のものは 普通に存在します.(等方性の金属ではありえませんよね) あと,面白いところではポアソン比が負という材料. ポアソン比,結構奥が深いです.
お礼
へ~、そうなんですか(^o^)ありがとうございます。金属も塑性変形をしている場合なら体積は事実上一定で、ポアソン比0.5と本で読みました。ポアソン比の奥深さ改めて実感しました。ありがとうございました。
違ってたらごめんなさい. ポアソン比=0.3 → 横歪み/縦歪み=0.3 → 縦歪み=1としたら横歪み=0.3 ですよね.簡単のために断面が正方形の角棒を長手方向に引っ張る場合をイメージしましょうか. 縦歪み=1ってことは倍の長さまで引っ張るってことですよね.体積が不変なら,断面積は半分になってるはずです.てことはアバウトに言って,断面(正方形)の一辺の長さは,√0.5≒√(0.7×0.7)=0.7倍になってる.つまり横歪みは0.3です. 理想的というか体積不変で完全に等方的に変形する時,幾何的に言ってポアソン比は0.3だから,とでもなるでしょうか.
お礼
はぁ~(感嘆の声)、なるほど!!かなり納得しました。大変ありがとうございました。
お礼
毎度こと細かなアドバイスをくださっているのに、具体性にかけるお礼の言葉しか差し上げることができませんで本当に申し訳ございません。自分の勉強不足を痛感しております。そして、ポアソン比がこれほどまでのものとは思ってもいませんでした。「ポアソン比が0.3になる理由は転位論の中にあるのでは」と脳みそを絞ってみると思えてきました。(的外れかも)もう一度勉強してみます。本当にありがとうございました。