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川柳 俳句
「狼は 財布ばかりを 食い残し」という川柳(俳句?)があるのですが、これについて意味や作られた時代、、作者など何でも結構ですのでご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください。
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No.2の回答内容は、しばらく前に調べたものを今日になって時間が出来たものでアップしたものでした。 グッドタイミングです。本日、また資料を見つけてきました。 『探訪 江戸川柳』 興津 要 著、時事通信社刊 江戸川柳を、風俗テーマ別にとりあげた本です。この「動物たち」の項目に、「狼は~」の句が載っていました。 句のそばに、「食肉動物の狼は、財布には目もくれまい。」と書いてあるだけですが。 どうも、江戸の町中か、町はずれかで、人が狼に食われるということもあったようですね。 というわけで、専門家は「狼は狼として」素直に解釈しているようです。けっこう物騒な句です。 でもやはり、私には「しわいことかな」とのつながりがわかりません。 ……狼に食い殺され、財布だけ残っている無惨な姿を見ても、「財布が食い残されている」ことに目が行ってしまう人間の心を「しわいもの」としているのでしょうか。
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- ASAYOSHI
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こんにちは。 過日、No.1の回答をさせていただいた者です。 私自身もこの句に興味を持ち、図書館に行ったついでに追跡調査のようなものをしてみました。 その結果、先の私の解釈が、全くの見当はずれであるようでしたので、あらためてわかったことを書いてみます。 まず、この句は、「誹風柳多留」第七編所載という点については確認が出来ました。 岩波文庫刊『俳風柳多留 (一)』 (山澤英雄 校訂) に 「狼ハ さい布斗を 喰ひのこし」が載っています。 この句が詠まれた会は明和7年(1770年)に開かれたと見え、前句は「しわいことかな しわいことかな」となっています。作者=詠み手自身についての言及はありません。 「しわい」=けちなことだ、しみったれたことだ、から見るに、先の解釈の「暴行」や「飢饉」とは無関係のようですね。お恥ずかしい限りです。 さて、これとは別に『新編 川柳大辞典』 (粕谷宏紀 編、東京堂出版刊) という辞典があります。古川柳に登場するさまざまな語句の解説を載せている辞典のようです。 これで「狼」の項目を引くと (1)堕落僧の異称。 (2)送り狼のこと。(別項を立てて詳説あり) (3)品川狼之助勝盛のこと。毛利方につき、山中鹿之助と戦うが、これに刺され死す。 とあり、 さらに 「狼に衣」諺、うわべと違い、凶悪な人のこと。 「狼の糞」狼煙の異称。狼煙の中には狼の糞を交ぜるという。 「狼の反吐」食い殺されている人の死体。 「狼之助」堕落僧の擬人名→「おおかみ」(1) と関連項目が立てられています。 (さいふ、くう、くいのこす等の語句の項目はありませんでした) さて、ここまでつきとめてもなお、私はこの句を解釈しかねております。 仮に狼が堕落僧を表しているとして、どういう状況を詠んだものなのでしょう。 ○堕落僧が、身の回りのものはみな金に換えて食いつぶしてしまい、財布だけが残っているのか。 ○堕落僧が、口八丁で托鉢をして、財布しか残らないほどなんでも持って行ってしまうのか。 どちらにしても、「しわいことかな」の前句にぴったりという感じがしないのは否めません。 同様に、「送り狼」→先の「暴行説」も、「しわい」とは微妙にずれる気がします。 どなたか、さらに江戸風俗に詳しい方の回答がつくことを祈るばかりです。 失礼いたしました。
お礼
いろいろ調べていただきありがとうございます。 狼を何かに例えずそのまま解釈するということは考えられないのでしょうか? …川柳とか全く知らない分野なので、的外れなことを言っているようでしたらすみません。
- ASAYOSHI
- ベストアンサー率42% (358/834)
こちらのページはすでにご覧になっていると思いますが。 http://www.ami-yacon.jp/yume_edosenryu/yume_edosenryu_183_ookami.htm この中で、「狼は 財布ばかりを 食い残し」の句は「柳7」となっていますね。 《誹風柳多留》の第7編所載ということかもしれません。 《誹風柳多留》というのは、江戸時代に編纂された、川柳をやる人なら当然名前は知っている句集で、1765年~1838年の間に167編が編まれたということです。 Wikipedia↓ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%B9%E9%A2%A8%E6%9F%B3%E5%A4%9A%E7%95%99 となると、当時の江戸風俗に詳しくないと、正しい解釈などは出来そうにありません。 なので、以下は、私の勝手な読み方ということで、あしからず。 「狼」は、もちろん「狼藉を行うもの」「悪い奴」です。 「食われた」のは、娘さんではないでしょうか。 娘さんを手込めにして、なおかつ、金品ももっていく悪い奴。残ったのは傷ついた娘と、空の財布。なんか、川柳に詠むには殺伐としすぎている気もしますね。 これが、たとえば「金などあっても物がない。価値があるのは腹を膨らませる食べ物だけ」という時代背景ならば、「財布(金)を残してでも、食べ物は残さず奪っていく悪者」が想像できます。たとえば、飢饉で「食べ物のほうが、金よりも価値が高い」状況はあったかもしれません。 ご参考までに。
お礼
ありがとうございます! 言葉そのままの句、なのですね。 しわいことかな、の解釈もASAYOSHIさんの推測がただしいように思います。 何かもう少し裏の意味も期待はしていたのですが、 財布ばかりに着眼してしまうそんな人間の心が皮肉だ、ということなのでしょうかね。 ありがとうございました!