まず、「近代」という言葉が生まれた背景からお話します。
時代は、ルネサンス時代にまで遡ります。
ルネサンスによって、古代ギリシア・ローマの思想・文化・文明などが意識されました。
これらの古代文明を「理想」とし、それが失われた「暗黒時代」として「中世」と位置づけられました。
そして、古代の文明が復活し、かつキリスト教の神に目覚めている時代として「近代」が位置づけられました。
この考えは、ルネサンス期の人文主義者達から発しますが、その後、宗教改革や反宗教改革、そしてフランス革命に影響を与えた啓蒙思想などが出てくるにあたって、「中世」と「近代」の間の時代として「近世」が位置づけられることになりました。
整理すると、
「古代」・・・理想の時代。但しキリスト以前故に不完全
「中世」・・・古代の理想が失われた時代。但しキリスト教の神に人々が目覚め始めた時代。
「近世」・・・古代の復活とキリスト教の神との融合。つまり、人が神の真理に近づき始めた時代。
「近代」・・・人が神の真理に近づき、発展し続ける時代
「未来」・・・最後の審判。これにより神の国が出現する。
という、感じですね。
ただ、市民革命などを経るに従い、「哲学の世俗化」というかキリスト教的思想が後方に退いていきます。
そして、19世紀にはニーチェに「神は死んだ=哲学の世俗化」とまで言われます。(まぁ、「神の死」はヘーゲル以降顕著になったとされますけど)
現在の歴史学的な観点からは、近代の位置づけは以下が主な転換点として指摘されています。
当然ですが、個々人の歴史観やどの面から歴史を語るかでその区分は分かれますが、おおよそ18世紀後半から19世紀前半が近代の始まりとされます。
キーワード
経済の資本主義化、国民国家の登場、市民社会、兵器の近代化(大砲、鉄砲などの火器が中心に)、国民軍の組織化、人権・人道主義の台頭、道徳・倫理の世俗化etc,,,
出来事
フランス革命、ヴェストファーレン(ウエストファリア)条約、ヘーゲル哲学の登場、イギリス産業革命、殖民地戦争etc,,,