- ベストアンサー
「国民動員令 近代戦は軍だけでは戦えない」の意味。
近代戦は軍だけでは戦えないってどういう意味でしょうか? 国民動員令が必ずできる根拠は何でしょうか? どういう理屈や前提があるんでしょうか? どの本を読めばあの言葉を理解できるか、教えてください。 たとえば、ルーデンドルフの総力戦って関係ありますか?
- みんなの回答 (7)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
win32さん、おはようございます。 たとえば、ルーデンドルフの総力戦って関係ありますか? あります。彼は第一次世界大戦で直接帝政ドイツの戦争指導し、総力戦を体験しました。その経験談を著書「総力戦」に書いたのです。 かつて、帝政ドイツの参謀総長モルトケは将来の戦争は短期決戦ではなく、長期戦、それも何回も決戦が行われるだろうと予言しました。 第一次世界大戦でその予言は的中します。独仏は大規模な軍隊を整備しておきながら、塹壕戦という一種の消耗戦を強いられました。そんな中ロシアとの戦争で勇名をはせたヒンデンブルグとルーデンドルフは総司令部で指揮を執ることになりました。ルーデンドルフは著書「総力戦」で有名な将軍です。彼はクラウゼビッツの「戦争論」では軍事は政治の解決手段の一つに過ぎないと説いていますが、ルーデンドルフはもはや、「政治の任務はより拡大したのであることを考えれば、総力的な戦争、総力戦と同様に総力的な政治、総力政治を実施しなければならない。戦争が国民の生死を決める最も重大な緊張であるために、総力政治は平時から国民に闘争の準備を進める。そのために政治は戦争に寄与しなければならない。」という風に軍事に政治が協力すると説き、「政治権力の中枢から指導される必要があるために軍部指導部、特に最高司令官の元で一元的に指導されなければならない。最高司令官は総力政治のために軍事的な戦争準備だけでなく、財政、商業、生産、教育を指導する。」つまり、政治が軍事に従属するといったのです。だから、政治も国内の体制を統制することや外交手段で軍事に協力しなければならないと説きました。 近代戦は軍だけでは戦えないってどういう意味でしょうか? 国民動員令が必ずできる根拠は何でしょうか? どういう理屈や前提があるんでしょうか? それまでの戦争に比べ、総力戦は一回の弾薬や兵員の消耗が半端ではない。それも何回も決戦をするということは工場で弾薬や大砲などの兵器を大量生産したり、国民から兵隊を徴兵したりするので、国民に新たな戦争協力というか義務を課さなければ戦えない、つまり、戦争継続能力が勝利へのカギとされるということです。そのため、政治も物資の集中や人員の動員などを行うためにあらゆる法律を制定し、軍事に協力するようにしなければならない。このような体制を総力戦国家体制といいます。 下記のURLを参照してください。 総力戦 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E5%8A%9B%E6%88%A6_(%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95) 国家総力戦 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%B7%8F%E5%8A%9B%E6%88%A6
その他の回答 (6)
- hgg83474
- ベストアンサー率28% (37/131)
第二次大戦では国家そのものを最終目標とする、 総力戦となったことでこの言葉が言われたのでしょう。 近代戦は軍だけでは戦えない、その意味は? これは数か年という長期間にわたり軍を保持し戦線を維持するのには、 兵員の補充、兵站の確保、消耗した兵器を補充するための製造など、 国家が一丸となる必要があったからであり、 最初に整備された軍だけでは戦い抜けないということを指しています。 さて現代における先進国家間の戦争は近代戦になりえるのか?という疑問がありますが、 これは否です。 高度にハイテク化された兵器を動員されたばかりの一般国民が、 おいそれと使用することなどはとうてい不可能であり、 そもそも精密兵器の製造は消耗したからといって簡単には補充できないからです。 ハイテク兵器がぶつかりあう現代の戦争においては、 国民動員令など待たずして雌雄が決し、 停戦などにいたるからです。
お礼
ありがとうございました
- PENPENMAKKY
- ベストアンサー率17% (344/1984)
国民動員令と総力戦を結びつけてはいけません 総力戦というのは、生産計画その他を軍事優先にして全ての生産ラインを兵器・弾薬生産に回す事です 国民動員令というのは、本人の好き嫌い関係なく国が命令して働かせる制度のことです 戦争が拡大すると兵員が不足してしまうので、除隊した兵士を再召集します。彼らは既に社会に戻り働いてますのでそこに穴が空くわけです。それでは生産その他に悪影響が出ますので、それを何らかで埋める必要があります。それを実施できるのが国民動員令です。工員や鉱夫の補充が主でした。某国の主張みたいに女性の産業に穴が空く事は有り得ません。
お礼
ありがとうございました
- jkpawapuro
- ベストアンサー率26% (816/3045)
NO1,NO2さんの答えはいささかその発言とは意図が違うでしょう。 WW1以前の戦争(正確には日露戦争も後者にあたるのですがヨーロッパ的にWW1以前の戦争はという意味です)は、だいたい数カ月で決着がついていたのです。 騎兵などの突破力のある兵種がぶつかり合って、正面対決で敵を突破すればそれで終わりです。 主力が生き残った側が勝利で、それ以上は相手も抵抗が難しくそれで和平です。 それが第一次大戦になると、火力(銃の射程が長くなったのと機関銃の登場)が突破力に優越して、一方が一方を突破して蹂躙という決着が無くなりました。 その結果お互いが陣地を築いて射程外から銃口を向けあってにらみ合う、突破はできないから塹壕を築く、お互い塹壕が永遠と横に伸び長大化、そんな状況のまま永遠と戦いが続く様相に戦争が変わったんです。 こうなると、昔は初めに強力な部隊を作ってそれをぶつけあって決着という構図が、陣地を守りあってより多くの兵を集めにらみ合いを続けるという時間と弾薬と金が無尽蔵に必要な戦い方に変質してしまったんですね。 これでより多くの兵力、より多くの武器弾薬、より万全な補給(金)を整えたものが戦争に勝つようになったんです。 こうなると成年男子は根こそぎ兵力として必要になりますし、全ての産業も軍事物資を集める目的に転換させられます。 こうして戦争が軍隊だけでなく全ての国民に影響を与えるものに変わったし、戦争が戦前に用意した強力な戦闘部隊のぶつけあいから双方の国力のぶつけあいに変質したんです。
お礼
ありがとうございました
- k99
- ベストアンサー率47% (491/1025)
WW1以前の戦争というのは、どこか適当なところで敵の軍隊を補足して撃破します。 負けたほうは戦争の継続が困難になるので、和を乞い戦争の始まるきっかけであった政治的な案件について譲歩を行います(たとえば領土を割譲するとか、賠償金を支払うとか)。 そうすると、勝った方は政治的な目的を達成できますから(戦争は外交の延長であることを思召せ)、そこで戦争はけりがつくわけです。 ところが、WW1からはテクノロジーの進化によって、「敵の軍隊を補足して撃破する」という状況が出現しにくくなりました。 WW1では欧州を縦貫する塹壕によって双方の軍隊が対峙と出血を続けることになります。 また、進歩したテクノロジーによって、軍の消費量自体も以前から比して増大しました。 そうすると、前線の軍を維持するために後方の生産力(兵隊ってぇのは飯も食えば弾も使うし、靴下なんかも擦り切れる)を軍需に振り替える必要が出てきますし、逆に敵の生産力を何らかの方法で落とせば間接的に前線は有利になるはずです。 #この「何らかの方法」ってのが、例えば長距離砲による都市攻撃だったり、空爆だったり、プロパガンダによる厭戦気分の蔓延であったりするわけです。 このためにWW1を経た時点で各国は戦時には経済を統制して軍需を支える必要、ってぇものに気づくわけです。それがまあ、動員関連の法規なわけでして。 まとめると 戦争が一発勝負ではなく、長期の消耗戦に ↓ 消耗を補充するための生産管理が必要 ↓ 法令による国民の動員 ということになります。 ただし、現代の戦争はつまるところ最終的に核戦争だったり、非対称戦争だったりするので、この図式が必ずしも当てはまるわけではなくなっていることには留意してください(左派のプロパガンダにありがち)。 ウィキペディアによれば 「1935年にルーデンドルフが『国家総力戦』で論じられたために用語として定着したが、戦略思想としてはカール・フォン・クラウゼヴィッツの唱えた絶対戦争理論にその起源が見られる」
お礼
ありがとうございました
- Ginga_Hasegawa
- ベストアンサー率9% (19/199)
先の大戦のように、軍事力にのみ注力する日本に対して、少しは考えろよと 指摘しているようにすら思えます。他の回答者の言うように、軍隊にはカネが かかります。そのコストを無視して、先の大戦のように国家総動員体制を 選択するのは、戦術面でも戦略面でも愚かしいという意味ではないかと思います。 補給と情報が揃っていない状態で、何がしたかったのか、旧日本軍の行動は 冷笑されるだけの愚行でしかありませんでした。補給と情報の整備に、国民が 付き合わされるのは仕方がないが、軍事力(兵力)としては役に立たない。 軍というのを軍事力として考えればいいのではないか。 まあ、一本化された国家情報機関すら持たない国が軍隊を持つなんて また、失笑されるだけなのですがねw
お礼
ありがとうございました
- strain1217
- ベストアンサー率20% (73/356)
ルーデンドルフの総力戦は読んだことが有りませんが 現代の戦争は補給との戦いでもあります 飛行機も軍艦も燃料が無ければ少しも動く事は出来ず 軍隊も食料が無ければ、三日も持たないでしょう イラク、アメリカの戦争時でもアメリカ軍はイラクの最前線だけでなく 補給線も攻撃しました 昔の日本軍は逆にアメリカの輸送船を全く無視して 攻撃もしませんでした 補給が無ければ軍も唯の人の集まりでしかないのですが 軍隊とは全く非生産的な集団で、国民などが協力して補給に当たらなければ 全く意味の無いものになってしまいます、もちろん戦争など出来ません 国民動員令とはその様なものと思います
お礼
ありがとうございました
お礼
ありがとうございました