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オイラーの公式
複素平面についてつい最近から学習を始めた者なのですが、オイラーの公式について、i(j)が反時計回り90度の役割を持つということは何となくわかったのですが、どうして「e^(iθ)」のように自然対数の底が現れるのかがまったくわかりません。ことごとく分かりやすく説明してはいただけないでしょうか?
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複素数の積が原点中心の回転を表すことの証明は、三角関数を使った極座標表示を用いた方が原始的。 複素数z,wをそれぞれ z = r{cos(θ)+i*sin(θ)} w = R{cos(φ)+i*sin(φ)} とすると、その積は zw = rR{(cos(θ)*cos(φ)-sin(θ)*sin(φ))+i*(sin(θ)*cos(φ)+cos(θ)*sin(φ))} 加法定理より cos(θ)*cos(φ)-sin(θ)*sin(φ) = cos(θ+φ) sin(θ)*cos(φ)+cos(θ)*sin(φ) = sin(θ+φ) だから、 zw = rR{cos(θ+φ)+i*sin(θ+φ)} となる。 これはzを原点中心にφだけ回転させR倍に拡大したものや、wを原点中心にθだけ回転させr倍に拡大したものに等しい。 特にr=1のときには拡大されない(1倍では元と変わらない)ので、z={cos(θ)+i*sin(θ)}を掛けることは純粋にθだけ回転させることに等しい。 このように複素数の積が回転を表すこと自体は虚数単位iの性質と三角関数の加法定理に由来し、オイラーの公式は直接は関係ありません。 ところが実際、|e^(iθ)|=1で e^(iθ) = {cos(θ)+i*sin(θ)} となることが証明できるので、結局e^(iθ)を掛けることも回転を表すことになります。 複素数を絶対値と指数関数で表す書き方を、指数表示とか指数極座標表示とか言います。 こちらの書き方の方が、先ほどの証明は簡単で、 z = r{cos(θ)+i*sin(θ)} = r*e^(iθ) w = R{cos(φ)+i*sin(φ)} = R*e^(iφ) とすると、指数法則より zw = rRe^(iθ)*e^(iφ) = rRe^(iθ+iφ) = rRe^(i(θ+φ)) となります。 こっちの書き方の方がいろいろ便利なので、大学以降は指数表示の方がよく使われるようです。 さてオイラーの公式(e^(iθ)=cos(θ)+i*sin(θ))自体の証明は、厳密には難しい話になりますが、簡単にはマクロリン展開を用いて証明されます。 e^x,sin(x),cos(x)をそれぞれマクロリン展開すると e^x = 1 +x +(x^2)/2 +(x^3)/6 +(x^4)/24 +(x^5)/120 +… sin(x) = x -(x^3)/6 + (x^5)/120 -… cos(x) = 1 -(x^2)/2 + (x^4)/24 -… ここで、最初の式にx=iθを代入し、残りの二つの式にx=θを代入してcos(θ)+i*sin(θ)を計算すると e^(iθ) = 1+iθ -(θ^2)/2 -i(θ^3)/6 +(θ^4)/24 +i(θ^5)/120 -… cos(θ)+i*sin(θ) = 1+iθ -(θ^2)/2 -i(θ^3)/6 +(θ^4)/24 +i(θ^5)/120 -… 各項の係数を比べる事により e^(iθ) = cos(θ)+i*sin(θ) とわかりました。 これが指数関数と三角関数が結びつく理由です。マクロリン展開したときの形が似ているんですね。
お礼
まだ序論的な段階なのでマクローリン展開の産物として飲み込んでおきます。ありがとうございました(^^)