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全微分(1次微分の相加性)
現在偏微分のあたりを勉強中なのですが、 もうすぐ全微分が出てくる!というところで 以下のような記述がありました。 『関数u=u(x,y)の値が(x,y)から(x+Δx,y+Δy)に変わったらどれだけ変わるかを考える。 ここで、Δx,Δyは小さいとし、これらについて1次までu(x+Δx,y+Δy)-u(x,y)を求めることを考える。差を2段に分けて u(x+Δx,y+Δy) - u(x,y+Δy) = ∂u(x,y+Δy)/∂x × Δx u(x,y+Δy) - u(x,y) = ∂u(x,y)/∂y × Δy であるから、辺々足して u(x+Δx,y+Δy) - u(x,y) = ∂u(x,y+Δy)/∂x × Δx + ∂u(x,y)/∂y × Δy ・・・(1) つまり、(x,y)が(x+Δx,y+Δy)に変わるとき、関数u=u(x,y)の増分は、x,yの変化分に関して1次までなら u(x+Δx,y+Δy) - u(x,y) = ∂u(x,y)/∂x × Δx + ∂u(x,y)/∂y × Δy ・・・(2) となる。』 ここで、僕が質問したいのは (1)ここで言う「1次」の意味を教えてください。 「1回微分の話をしている」という意味でしょうか・・・? (2)(1)式から(2)式になる際、 ∂u(x,y+Δy)/∂x = ∂u(x,y)/∂x としているのですが、これはなぜ成り立つのですか? (以下、自分の考えです) ∂u(x,y+Δy)/∂x = ∂u(x,y)/∂x 単体でしたらこの等号は納得できるのですが、今は ∂u(x,y+Δy)/∂x × Δx + ∂u(x,y)/∂y × Δy というような和を考えていて、 「第二項はあるyについてyで編微分、 第一項はそのyからΔyずれた位置にyを固定してxで編微分」 しているのに、 ∂u(x,y)/∂x × Δx + ∂u(x,y)/∂y × Δy だと第一項と第二項で、 同じy近傍を考えてしまっているように思います。 どなたかご返答の方よろしくおねがいします。
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>(1)ここで言う「1次」の意味を教えてください。 Δx, Δy について一次式ということ。 >∂u(x,y)/∂x × Δx + ∂u(x,y)/∂y × Δy だと第一項と第二項で、同じy近傍を考えてしまっているように思います。 そうしないと、Δx, Δy について一次式にならない。 ( ∂u(x,y+Δy)/∂x≠定数 だから ) 近似式を求めているから、 ∂u(x,y+Δy)/∂x = ∂u(x,y)/∂x としても良い。
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- kabaokaba
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>一次近似なのでΔxは無視できず、やはり >∂u(x,y)/∂x = ∂u(x,y+Δy)/∂x・・・(3) >としてはいけない気がします。 これも確かに「厳密にはその通り」です. けど,今考えているのは「結果」であり「近似」なんですよ 今わかってるのは(x,y)での関数の値と そのときの微分係数だけという状況です. この状況下で,「点が少しずれたとき」の関数の値を知りたい ということです. だから「ずれた点の値は一切わからない」のです. そして,微分可能ということは連続,すなわち 「ちょっとずれたくらいでは値は極端には変わらない」 ということが期待できるのです. だから, >∂u(x,y)/∂x = ∂u(x,y+Δy)/∂x・・・(3) としてしまいます. 繰り返しますが,数学的には「厳密」ではありませんし 「ちょっとくらい」とか「極端に変わらない」「期待できる」 なんてのは「数学らしい厳密さ」とは縁遠いです. 実際「病的な例外」はあります. しかし,実際の「数値計算」とか 関数の形が不明で値は分からないけども ある程度の性質が分かってて,何かの手段で特別な点の値が 分かってるみたいなときには有効な手段なんですよ,これ. そして繰り返しになりますが,このある意味いい加減な 「ちょっとくらいちがってもいいや,そんなん違い大差ないでしょ」 が数学的に厳密な理論で,そこそこ正当化されてしまうのです. >微少量について、無視してよいものと >よくないものの見分けがつかなくなるのですが・・・。 これは「何が分かっていて」「何を求めて」 「どういうものを無視するのか」ということが 明確になればおのずと明らかになります. 研究レベルになるとですね・・・・ 理論を構築するには「***」があると大変だし 「+++」の条件では「***」はそんなに大きくなさそうだから, とりあえず「***」は無視しておこう. で,理論が出来たら実験結果とつき合わせて 「無視した***の影響量」を考えてみよう. それがわかれば「***」を考えた理論もできるかもしれない みたいなことは結構よくあります ある意味「スルーする力」が重要です 閑話休題. 納得できなかったら,例えば, f(x,y)=x^2y^2としてみましょう f_x(x,y)=2y^2x f_y(x,y)=2x^2y です. (x,y)からほんの少し(h,k)だけ動いた 点(x+h,y+k)での値f(x+h,y+k)が知りたいのです. そこで 実際にf(x+h,y+k)を (1)本当の値 (2) f_x(x,y)h+f_y(x,y)k (一次近似) で計算してみてください. x=y=0, h=k=0.001とか適当な値を設定すれば 簡単にできるでしょう? プログラムが組めるなら「桁落ち」とか「丸め誤差」に注意すれば かなりのパターンを計算可能です. 関数の形もいろいろ変えてみてください. いろいろ計算すると かなり「妥当な近似」ができることが納得できますよ (正確には「「許容できる誤差」がどういう条件ででてくるか なんとなく体感できる」というような表現の方がいいかな).
- hugen
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No3には、推論上誤りがある。 f(x+h,y+k)-f(x,y+k)=fx(x,y+k)h [ u(x+Δx,y+Δy) - u(x,y+Δy) = ∂u(x,y+Δy)/∂x × Δx ] これは、近似式として h → 0 のときは成り立つが h,k → 0 のときは,一般には成り立たない。 例えば f(x+h,y+k)=0 ( h≠k ) , h (h=k )
- hugen
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f(x+h,y+k)-f(x,y+k) =fx(x,y+k)h ={fx(x,y)+fxy(x,y)k}h =fx(x,y)h+fxy(x,y)kh (二次式) =fx(x,y)h
- kabaokaba
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>ここで、Δx,Δyは小さいとし、 この条件を忘れてます. この手の計算は「近似」であって,本当に等しいわけではありません. 厳密に考えれば,質問者のいうとおりですが, 今は 「考える範囲が小さいから細かいことはぐだぐだいうんでねー. あとできっちり正当化しちゃるから,まってろ,おらっ!」 みたいなのが根底にあります. その現われが「x,yの変化分に関して1次までなら」という言明です. これは多変数のテイラー展開で正当化されるのです. そもそも,点(x,y)から(x+Δx,y)までの変化分が u_{x}(x,y) Δx としている段階で厳密ではなく「一次近似」になってることを 理解できてますか? 話を簡単にするなら,まずは (1+x+d)^2 - (1+x)^2 とかで考えれば十分でしょう. f(x)=(1+x)^2 として f(1+x)-f(x) = (1+x+d)^2 - (1+x)^2 = 1+x^2+d^2+2x+2xd+2d - (1+2x+x^2) = d^2+2xd+2d = 2(1+x)d + d^2 = f'(x)d +d^2 ここで「dについて一次の部分」だけをとれば f(x+d)-f(x) = f'(x)d 記号をd=Δxとすれば f(x+Δx)-f(x) = f'(x)Δx これが上であげた 点(x,y)から(x+Δx,y)までの変化分が u_{x}(x,y) Δx としている段階で厳密ではなく「一次近似」になってること の正体です.これは一変数のテイラー展開で一般に正当化されます. 多変数の場合は教科書を見てください. 本質的に大差ありません. 関数f(x,y)に対して 全微分 df = f_x dx + f_y dy ってのを考えると,いろいろ都合のよいことがあるのですが, これの導入の一つとして上記のような一次近似が 使われることは多いようです.
お礼
返答ありがとうございます! 一次近似の話、とても納得できました!! 分かりやすく説明してくださってありがとうございました! しかし、まだ腑に落ちない部分があったので質問させてください! 一次近似ということなので|Δx|<<1のとき Δx^2 = 0 とみなすのはわかったのですが、 一次近似なのでΔxは無視できず、やはり ∂u(x,y)/∂x = ∂u(x,y+Δy)/∂x・・・(3) としてはいけない気がします。 ∂u(x,y)/∂x = ∂u(x,y+Δy^2)/∂x なら分かるのですが・・・。 (3)式が成り立つとみなしてしまうと、 微少量について、無視してよいものと よくないものの見分けがつかなくなるのですが・・・。 それとも、 「df = f_x dx + f_y dy という式は本当はこのような計算から得られるわけではなく、 式計算から求めるとすると、特別にこういう近似をして 求めることになる。ちなみにこの近似自体は回答者様の言うとおり 『考える範囲が小さいから細かいことはぐだぐだいうんでねー. あとできっちり正当化しちゃるから,まってろ,おらっ!』 ってことで気にすんなよっっ!!」 と解釈すべきなのでしょうか?