高校物理 力学の問題
下図に示すように互いに反対方向に毎秒n回の等速回転をしている半径rの2つの円筒がある。それらは同じ高さで、軸を水平かつ互いに並行におかれている。その中心距離を2Lとする。いま、この上に質量Mの長い一様な棒を両円筒軸に直角に載せた。棒の中心Gが円筒間の中心Oに一致するように載せた場合、棒は動かなかったが、それ以外の場合、棒は左右に振動した。この振動はP,Q点における棒と円筒間の動摩擦係数の大きさによって違ったものとなることが知られており、振動周期を測定することによって簡単に動摩擦係数を求める実験方法として用いられることもある。以下においてこの棒の運動を考えてみよう。なお棒の運動は円筒軸に直角方向に限定され、その重心GはP,Q点より外に出ないものとする。
図のようにx軸の向きを決める。ある時刻において棒の重心GはO点からxの位置にあるものとする。このとき、P,Q点において棒に作用する抗力をそれぞれRp,Rq,重力加速度をgとすると、Rp=Mg(L-x)/2L,Rq=Mg(L+x)/2L。棒と円筒間の動摩擦係数をμとすると、棒に作用するxの正の向きの力Fは、F=-μMgx/Lとなる。棒の加速度をaとすると棒の運動方程式はMa=-μMgx/Lと表せるから、棒は周期T=2π√(L/μg)の単振動をしていることがわかる。
つぎに、棒の速度と変位について考えよう。棒の重心Gが右向きにOを通過した瞬間の速度をVとすると、それからt秒後のGの速度v=Vcos{√(μg/L)t}、従って変位x=V√(L/μg)sin{√(μg/L)t}と表される。このときP,Q点における棒の円筒表面に対する相対速度をvp,vqであらわすと、vp=v-2nπr,vq=v+2nπr。
精密な実験によると、動摩擦係数μは相対速度が大きくなると、それに伴って小さくなることが明らかにされている。この事実と上の結果を考慮すると棒の振幅は時間とともに{大きくなる・変わらない・小さくなる}。
{ }のなかで適当なものを理由と共に教えてください。
自分の考え↓
振幅=V√(L/μg)より、μが小さくなると振幅は大きくなる。
十分時間がたったとき、lim[t→∞]vp,lim[t→∞]vq は発散するので相対速度は大きくなるか小さくなるか判断できない。