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Earth/The Earth/earth/the earthのニュアンスの違い
SF小説などを読んでいると、『Earth』と『the Earth』を適宜使い分けているように感じます。 辞書を見ると、”地球は『Earth』、ときとして『the Earth』ともいう”というような説明で まったく釈然としません。 小説から、断片的に例文を挙げると、例えば、次のような文章があります。 (A)The comet will bring us back to Earth. (その彗星は、われわれを地球に連れ戻してくれるでしょう) (B)The comet appeared in the sky above the Earth every two million years. (その彗星は、地球の上に200万年ごとに出現しました) 他の箇所もみると、『Earth』といった場合には、おおよそ ・われわれの故郷 ・われわれが暮らしている場所 ・母なる地球 などという、温かみのある訳がしっくり来るような感じです。 いっぽう、『the Earth』といった場合には、おおよそ ・天体としての地球 ・太陽系の惑星のひとつとしての地球 ・物体としての地球 などという、無機質かつ科学的な訳がしっくり来るような感じです。 この感じ方は適切でしょうか? 無冠詞か定冠詞かで、なぜこのような肌触りのちがいが生じるのか おもいつきません。 ご教示をお願いします。 ちなみに、小説のなかでは、小文字の『earth』、『the earth』は、でてきません。 小文字になると、大文字の場合と、またニュアンスが大きく違ってくるのでしょうか? 以上、ご教示をお願いします。
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確かに冠詞の有無によって受け止める感じも違ってきますね。これをしっかりと理解するためには、話し手(小説なら、主人公)の立場をよく見極める必要があります。すなわち、その時点だけの感じなのか? あるいは、時間を超えたものなのかというものです。 これだけではわかりにくいかと思いますが、別の例を挙げてみましょう。 たとえば、「God」と「god」の意味わかりますか? 「God]といえば、人間と違って、過去から存在し、また未来にも存在し続けるような、超越的な存在者であるという感じがあるはずです。そのような存在者は、どんな形をしているのか、その姿を見極めることは出来ないはずです。抽象的な存在者というわけです。 つまり、「区別できない」ものには、冠詞がつかないのです。ですから、冠詞のつかない「Earth」といえば、「God」のように、永久に存在するような、その時点だけの姿でなく、愛しいというか、われわれの愛する「地球」という感じです。これに対して、宇宙船の窓から外を見て、「ああ、あそこに月が見える、そして地球も見える」というような、区別できるものには、冠詞のつく「the Earth」を使うわけです。 なんで、「the earth」としないかというと、それでは、他にもありそうな星(地球に似た星)を含めて考えていることになり、「われわれの住んでいた、あるいはわれわれのあこがれる地球」であると、特別視した言い方にならないおそれがあるのです。つまり、神を単に「god」としては、他の神(イスラム、仏教、インドなど)の内の一つを意味して、まずいわけです。「自分にとっての神である」と思えば、「God]と大文字にしないと、「唯一の神である」という気持ちが出てこないわけです。 ですから、主人公の立場をよく見極めて、単なる感想なのか? あるいは気持ちを込めた感想なのかを理解する必要があります。 「the」とあったら、それは、「自分の知っている、地球である」という、目の前の判断を意味します。冠詞がついていなければ、過去から存在し、現在にも存在し、未来にも続くような、ものとかんがえるのです。「われわれの住んでいた、われわれの。。。」という感じです。質問の通りです。 教室での説明なら、「地球」は単なる用語なので、「Earth」ということもあるでしょうね。しかし、温暖化の問題で、現在の地球を述べるのなら、「the Earth」ということもあるでしょうね。 まとめていえば、冠詞のつく物は、話し手の現在の判断を示し、冠詞のつかない物は、話し手の判断を越えたようなものを示すと考えることが出来ます。難しいかな? まあ、他にも回答が来るのでしょうから、それも見て理解してください。
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- taked4700
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>無冠詞か定冠詞かで、なぜこのような肌触りのちがいが生じるのか 一般に、不定冠詞(a)は数えられるもの、つまり、具体的に一つと言う外形がはっきり意識できるものに使います。よって、普通は、「無機質」、「科学的」な感じがするわけです。また定冠詞(the)は、話し手と聞き手が同時に分かるものにつきます。つまり、それだけ限定されたものなので、その物自体として具体的なものになりやすいのです。trouble「問題、困難」と言った単語でも、過去のものなら、どんな問題か、例えば、会議で多数を取るのが大変だったと言うように具体化されますからthe trouble のように定冠詞がつきます。 これと同じで、earthと言ったとき、「地球」、「ふるさと」と言った感覚の違いが定冠詞を付けるかどうかの判断をさせるのです。ただし、これが肝心な点ですが、「ふるさと」という意味でearthを言うとき、必ず無冠詞で使うかと言うとそれはまた別の問題です。単に、文脈の中での比較の問題であり、無冠詞のときはそれだけ抽象性が増す傾向があるというだけのこと。 >小文字になると、大文字の場合と、またニュアンスが大きく違ってくるのでしょうか? 大文字なら当然固有名詞という感覚が出ます。ただそれだけのことでしょう。
No1です。 小文字の場合は必ずtheがつくと書きましたが、訂正します。 on earth 「地上で」「この世で」といった意味で使う場合、theがつきません。この世で一番とか、そういうふうに使われます。 earthはheavenと対になる言葉として使われる場合があって、この場合はあの世(天国)に対するこの世(地上)です。
theがつくかどうかの違いは、おっしゃるとおりのように思います。 小文字のearthは「大地」とか「地面」とかいった感じで使われます。なので、SFではなく、普通の小説に多いです。earthの場合、必ずtheがつくと思います。
お礼
ありがとうございます。多面的な観点から丁寧にご説明いただいて霧が晴れた思いです。