- ベストアンサー
小説のタイトル/描写法
英語の小説には、どんなふうにタイトルをつけたら良いのでしょうか? 冠詞が気になっています。たとえば『林檎』というタイトルの小説を英訳する場合、"AN APPLE"にしたらよいのでしょうか、それとも"THE APPLE"にしたらよいのでしょうか。パターンみたいなものがあるなら、お教えいただければうれしいです。 あと、英語の小説の描写法についてなんですが、時制はどのくらい厳密に扱われるものなんでしょうか? 日本語で書かれた小説の場合だと、時制って割合いいかげんですよね。たとえば、 『目の前に彼女が立っていた。そして、まっすぐに空をながめあげている。彼女の瞳には、なにかしら憂鬱そうなものがある。私は、だから話しかけることができなかった』 みたいな感じに、現在形と過去形が入り混じっている場合が多いと思うのですが、英語の場合だとどうなんでしょうか。文法の本には、現在形の用法として「歴史的(劇的)現在」というものが載っているのですが、これは日本語ほどには頻繁に使われないものなんでしょうか。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
はじめまして。 1.「林檎」というタイトル: 小説は全て著者の主観に全権を委ねられます。文法的に合っていようが合っていまいが、著者が何らかの理由でそれを使った場合は、それが著者の「考え方」「表現方法」「想像力」として評価を問われることになります。 「林檎」をAN APPLE、THE APPLE、APPLES、SOME APPLES、SOME APPLEと、どれをタイトルにしても、それは著者の意図を反映するもので、読者は「そういうものとして」著者の意図を理解しながら小説を読んでいくものです。ですから、どのタイトルが正しいとは言えないのです。 これは、英語を日本語に翻訳する時も同じで、日本語訳の主観は、翻訳者に全権を委ねられます。ですから、原作者にとってどの翻訳者と契約するかは、重要な人選になるのです。翻訳者は、例えば「AN APPLE」を「一個の林檎」「たったひとつの林檎」「ある林檎」「林檎」「林檎というもの」など、自由な翻訳を選べます。翻訳作品が原作の意図を十分反映したものになるかどうかは、翻訳者の力量にかかっています。 ここでは、一般に「林檎」であれば、AN APPLE、APPLESなどでいいと思いますが、あくまで参考で、決定するのは著者です。 2.時制の描写について: ご質問文にある例文 『目の前に彼女が立っていた。そして、まっすぐに空をながめあげている。彼女の瞳には、なにかしら憂鬱そうなものがある。私は、だから話しかけることができなかった』 のような場合ですと、付帯状況を表す分詞構文~ingや、前置詞withなどを駆使して下記のように過去時制を現在時制のように紛らわします。例: She was standing before me, looking straight over the sky, with something lonely in her eyes, which made me hesitate to talk to her. 直訳「彼女は私の目の前に立っていた。空をまっすぐ見上げながら、目には一筋の寂しさを浮かべて。そしてその姿が私が彼女に話すのをためらわせた」 と、現在分詞、前置詞、関係代名詞を使って、一文で表すこともできます。これを、ご質問文のような、過去時制、現在時制の入り混じった文にするのも、翻訳者のテクニックになります。 過去時制の場面で現在時制が使われる用法として考えられるのは、話が「一人称=私」の視点で展開し、時々感情が過去から現在に戻る場合などです。あるいは、過去の生々しい事実を再現するために、現在形を使って読者の視点を現在に移行し、読者に原体験させるテクニックとして使われる場合もあります。 時制の描写も著者の主観次第です。小説の「描写法現在」などという呼び名の文法用語なないと思いますが、文法的には過去形を使うところを現在形にしてもかまわないのです。それは著者に何らかの意図があるはずですから、それを解読するのが英文学者となるわけです。 ただ、やはり読者にわかりにくい文法は、著者も普通は選ばないと思います。小説は「堪能すること」が主眼ですから、???が多すぎて文の流れが中断してしまうような表現は、なるべく避けるのがプロといえると思います。 以上ご参考までに。
その他の回答 (1)
こんばんわ。 タイトルなら「The Apple」でしょう。 時制についてですが、英語の小説では会話文以外で時制をごっちゃにすると非常に読みづらいので、過去形で統一するのが普通です。 私は読んだことがありませんが、現在進行形で統一して書くのもアリだとは思いますが、とても実験的な読感になるでしょう。 しかし、ごっちゃはあり得ないような気がします。 歴史的現在は確かにありますが、会話文ならば我慢できるけれど、情景を正確に把握したい部分まで隅から隅までそれでやられると、ちょっと読めないのではないかと思います。 もしかしたら凄腕の小説家が実際にそんな小説をすでに書いていて、もしかしたらそれなりに読めるかも知れないですけど・・・。 確かに日本語の小説では時制がごっちゃになっているものがたまにあって、それなりに読めてしまいますが、その点が日本語と英語の大きな違いだと思います。 私は文法の専門ではなく、説明もできませんが、英語の小説を読めば自動的にそうなります。 文法書を穴があくまで引っくり返して首を傾げるよりも、数冊の英語の小説を読まれたほうがずっとはやいとおもうのですが^^;
お礼
どうも、ご回答ありがとうございます。 そうですね、タイトルというと、やはり the がついたものをよく見かけますね。場合によっていろいろありえるでしょうが、多分 the が無難なのでしょうね。 時制につきまして。やはり、ごちゃまぜはあまり良くないのですね。逆に、日本語がどうしてこんなに時制をごちゃまぜにして使える言語なのか、ふしぎな感じがしてきました。 >文法書を穴があくまで引っくり返して首を傾げるよりも、数冊の英語の小説を読まれたほうがずっとはやいとおもうのですが^^; おっしゃる通りですね、ごもっとも(汗。頑張ってチャレンジしてみたいと思います。
お礼
どうも、ご回答ありがとうございました。たいへん参考になりました。そうですね、英語というのは言語で、言語であるかぎりそれは心を通い合わせるための手段なのですから、固定的な考え方をしてはだめなのですね。 時制の描写についても、よく分かりました。なるほど、分詞構文などを使うと、時制もあまり気になりませんし、こなれた感じの英語になりますね。あまり意図なく時制をごちゃまぜにしてしまうのは、分かりにくい表現になるので避けた方がよさそうですね……。 それでは、どうもお世話になりました。