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無効資料調査範囲(基準となる日)について教えてください
開発スペックを上市するか否かの判断をするために先行資料調査を行っていたところ、開発スペックとよく似た構成について書かれている特許を発見いたしました。 こちらは、海外の出願人が、母国で出願しており、その母国での出願を元に優先権主張してPCT出願にて日本へ移行してきており、現在、公開中です。 開発スペックを上市する際は、日本国内でのみの製造・販売となります。 このような場合、無効資料調査する際、日本で公開されている公開公報を元に、日本国内での出願日以前の特許を調査すればよいのでしょうか、それとも、原出願(海外での出願)の出願日を基準とすべきなのでしょうか。 日本国内の出願日を基準に調査を始めていたのですが、不安になり質問させて頂きました。ご回答頂けますようお願いいたします。
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greengummiさん。 原出願(海外での出願)の出願日が基準になります。 その出願はパリ優先権を伴っていますので、新規性の判断は第一国出願の時になります(パリ4条B)。 日本国内の出願日(PCT出願の場合は国際出願日(特184条の3))より以前に公開された公開公報であっても、第一国出願日以後に公開されている場合には、無効資料としては役に立ちませんので、その辺をご確認されると良いと思います。 なお、おそらく特許はまだ成立していないと思われるので、情報提供(特施規13条の2)をなされることと思います。 情報提供制度は、特許成立後の無効審判などと異なり、ダミーも可能ですので、積極的に活用することをお勧めします。なお、特許公報は審査官も探せるので、当業者でなければ見つけられないような非特許文献の調査も重要です。情報提供は何回でもできるので、引例が見つかり次第、逐次情報提供をなされてもよいと思います。
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- packkichi
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potetanさんのご回答に補足させて頂きます。 質問文に、特許を無効にする証拠として、「日本で公開されている公開公報を元に、日本国内での出願日以前の特許を調査」と記載されています。 しかし、日本での特許要件の審査において、新規性、進歩性の判断は、「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明」(29条1項3号)が基準となります(ここでは公開刊行物等を証拠とする場合を例にとります)。 そのため、無効にする証拠は「日本で公開されている」ものには限られません。 また、新規性、進歩性を否定する証拠にするものとしては、頒布された刊行物に記載された発明、または、インターネットにより公開された発明であればよく、証拠は特許公報(特許公開公報、特許掲載公報)には限られません。 外国の論文、外国のサイトで発表された発明なども無効の根拠とすることができます。ただし、インターネットの場合には、「公開日」を証明することに留意しなければなりません。
- Murasan759
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優先権主張を伴う場合の基準日は、優先日(第1国出願日)となります。
お礼
非常にわかりやすいご回答を頂きまして、ありがとうございます。 無効資料は出願日以前に公開された国内外の先行資料であることは わかっていたのですが、開発スペックを国内で上市(国内実施)する際、抵触性の有無を判断する対象は国内で成立した特許であったはずなので、この国内の特許をつぶすには、国内の出願日以前の特許が対象になるのではないかと考えて、調査を行っておりました。 権利有効性と抵触性はまったく別の話なのに、ごっちゃに考えていたようです。 今から調査範囲を変更して対応いたします。勉強になりました。