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ボルダの振り子に対する単振り子の相当量
ボルダの振り子に対する単振り子の相当量を求めよ、という課題です。 まず、相当量というのがよくわかってないのですがこの場合の相当量というのはどういうことなのでしょうか? 実際に求める手順も説明していただけると助かります。
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単振り子の相当量というのは「相当単位振り子の長さ」のことだと思います。それは同じ振動周期を持つ単振り子の長さのことです。 ボルダの振り子は剛体振り子の一種ですが、ワイヤの影響を無視した場合と無視しない場合について、相当長さの計算方法を紹介します。 【剛体振り子の相当長さ】 剛体振り子の周期 は T = 2*π*√{ ( I + M*h^2 )/( M*g*h ) } で表わされます [1]。M は剛体の質量、h は振動中心から剛体重心までの距離、g は重力加速度です。I は支点を中心としたときの慣性モーメントです。一方、単振り子の周期は T = 2*π*√( L/g ) です[2]。L は振り子の長さですが、単振り子は大きさのない質点を考えているので、ワイヤ長さになります。 したがって、これらの周期が等しくなるような単振り子の長さ L は L = ( I + M*h^2 )/( M*h ) --- (1) となります。これが剛体振り子の相当長さになります。I や h は剛体の形や支点位置によって変わります。 【ワイヤの質量と慣性モーメントを無視した場合のボルダの振り子の相当長 】 ワイヤの質量を無視すれば、剛体の重心は球の重心位置になるので、振動中心から剛体重心までの距離 h は、支点から球の中心までの距離となるので、ワイヤの長さを lw、球の半径を r とすれば h = lw + r --- (2) となります。慣性モーメント I の、ワイヤの慣性モーメントを無視すれば、球の慣性モーメントだけになるので I = M*(2/5)*r^2 --- (3) です[3]。したがって、ボルダの振り子の相当長 L は、式(2), (3)を式(1)に代入して L = ( I + M*h^2 )/( M*h ) = h + (2/5)*(r^2)/h = lw + r + (2/5)*(r^2)/( lw + r ) となります。 【ワイヤの質量と慣性モーメントを無視しない場合のボルダの振り子の相当長 】 ワイヤの質量を m とすれば、支点から重心までの距離 h は m*( h - lw/2 ) = M*( lw + r - h ) の解で h = [ { 1 + ( m/M )/2 }*lw + r ]/( 1 + m/M ) --- (4) となります( この式で m/M = 0 としたのが式(2) )。ワイヤを棒とみなしたとき、その慣性モーメント I1 は I1 = ( m*lw^3 )/3 であり [4]、球の慣性モーメント I2 は I2 = M*(2/5)*r^2 で与えられるので、全体の慣性モーメント I は I = I1 + I2 = ( m*lw^3 )/3 + M*(2/5)*r^2 --- (5) となります。したがって、この場合の相当長 L は、式(4), (5)を式(1)に代入すれば計算できます。 [1] 剛体振り子の周期 http://ks001.kj.utsunomiya-u.ac.jp/~buturi/UUinOnly/ksb_html/yukari4//node1101.html [2] 単振り子の周期(振幅が小さい場合) http://web.phys.chs.nihon-u.ac.jp/~ishida/KeisanI/keisan/vb15/vb15.html [3] 球の慣性モーメント(3ページ目) http://members3.jcom.home.ne.jp/nososnd/riki/momen.pdf [4] 一端を回転中心とした棒の慣性モーメント(2ページ目) 同上