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大学でボルダの振り子による重力加速度gの測定を行いました。
大学でボルダの振り子による重力加速度gの測定を行いました。 このときナイフエッジのみの周期とナイフエッジとおもりを接続した後の周期を一致させるとなぜナイフエッジの慣性モーメントを無視してよいのかわかりません。 どうすれば示せますか? お願いします。 定量的に
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まず、ボルダの振り子を使わなければいけない理由は、単純な振り子だと回転軸のまわりでの振動がスムーズではないからです。だから、ナイフエッジをつかって、転がり摩擦を極限まで小さくしています。 つぎに、ナイフエッジとしたにぶら下がっている単純振り子の間の周期がズレていたらどうなるでしょう? これは、連成振動の一種であると気がつきます。そこで、単振子部分の振動(理想的な単振子として扱う)と、ナイフエッヂだけの振動に分けて考えればよい分けです。 ナイフエッジの接触点のまわりでの慣性モーメントを Ik、 オモリの半径を r、質量をm, 針金(?)の長さをl とし、 単純振り子部分の、ナイフエッジ接触点のまわりでの慣性モーメントを Ibとします。もちろん、Ib = m(L+r) + (2/5)Mr^2 です。 針金の鉛直軸からのズレの角度を Θ、ナイフエッジ装置の重心と接触点が作る線分の鉛直軸からのずれの角度をΦとしましょう。 この問題の問題の味噌は、ΦとΘが異なる値をとるときに、何かしらのトルク(T)が生じる、と仮定することです。おそらく角度は小さいでしょうから、T= b (ΦーΘ)と線形近似が成り立つと仮定しましょう。b は正の定数。 これで、ナイフエッジ部分と球が作る振り子部分のそれぞれについて、運動方程式を立てます。 Ib d^2 Θ/ dt^2 = - mg sinΘ + b (ΦーΘ) Ik d^2 Φ/ dt^2 = - mg sinΦ - b (ΦーΘ) もっとも簡単な例として、二つの振動の周期だけでなく角度振幅も等しいとすると、常に b = 0 ですから、ナイフエッヂ部分と単振り子部分はそれぞれ独立に同位相同振幅で動いていることになります。相互作用が無いだけで、ナイフエッヂの存在を無視しているのではありません。 問題は、二つの振動の角度振幅が等しいかどうかです。 おそらく、ナイフエッヂと単振り子部分を接続した実験では、初期状態は同じ角度になっていたとおもわれます。十分に密度の高い物体で短時間の実験をしているのであれば、その後振幅はあまり減少しません。 だから、たぶん、角度振幅も等しいのだと思います。 もし、周期は同じでも角度振幅が違っていたとしたらどうなるでしょう? これはおもしろい問題かもしれません。意図的に二つの振り子の周期wを合わせるのですから、 Θ = A exp(iwt), Φ = B exp(iwt) とかけるわけです。ただし、ABは実数です。 普通の連成振子の問題だと、連立微分方程式を解くテクニックとして使われることが,実際に起きているわけですね。A=B 以外の解を求めるのは教科書どおりの方法でできます。しかし、そこからご質問の内容を導き出すのはちょっとすぐにはできません。
お礼
回答ありがとうございました。 とても参考になりました。