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デルタ関数について
デルタ関数δ(x)を-∞~∞まで積分すると1になるというのは分かるのですが、 デルタ関数の2乗を-∞~∞まで積分するとどうなるのでしょうか? 私の考えでは、δ関数はx≠0のとき0の値を持ち、x=0のとき∞の値を持つのですから、 δ関数を2乗しても∞の∞乗=∞で積分値は1のままなんじゃないかと考えました。 友人の考えは、x=0付近に幅h、縦1/hの長方形を考え、h→0としたのが δ関数であるから、δ関数を2乗すると縦の長さが(1/h)^2=∞^2になり、 積分値も∞倍されるのではないかというものでした。 定義できない、計算できないのではないか、という友人もいましたが、 実際はどうなのでしょうか? 分かりにくい説明で申し訳ありませんが、ご存知の方ご教授下さい。
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とても良い質問ですね。 δ(x)・δ(x)は通常の乗法としては合理的に定義できません。(矛盾が生じます。) 「定義できない」が答えですので、その-∞~∞の積分も定義できません。 f(x)・δ(x) = f(0)δ(x) という式は、f(x)が x = 0 で正則でないと成り立ちません。f(x)がδ(x)の場合はx = 0 が特異点になっていますので、妥当ではありません。 一般に任意の特異関数あるいは超関数どうしの「積」は定義できません。定義できる場合は関数に条件がつきます。 δ(x - a)・δ(x) = 0 (aが0でない場合)は正しいです。 なお、超関数どうしの「積」として合成積(コンボリュージョン)* を採用すれば、任意の超関数g(x)について、g(x) * δ(x) = g(x) が成り立ちます。 これから、δ(x) * δ(x) = δ(x) となります。 「デルタ関数の2乗」は「積」を合成積で定義した場合に意味をもちます。(超関数どうしの合成積は通常の合成積と形式的には同じ式で定義できますが、誤解の生じないように一義的に決めるには特別の注意が必要になります。) 詳しくは 今井功『応用超関数論』I、II (サイエンス社) 合成積を「積」と考える超関数論は ミクシンスキー『演算子法』2冊(裳華房) 吉田耕作『演算子法 一つの超関数論』(東京大学出版会)
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- info22
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δ(x)の性質に ∫[-∞~∞] δ(x)dx ∫[-∞~∞] f(x-a)δ(x-a)dx=f(a) この2番目の性質でa=0,f(x)=δ(x)としてやれば ∫[-∞~∞] {δ(x)}^2 dx=∫[-∞~∞] f(x)δ(x)dx=δ(0)=∞ が出てきますね。 友人の考えのように考えて lim[h→+0]∫[-h/2,h/2] (1/h)*(1/h)dx =lim[h→+0] [{(1/h)^2} x ] [-h/2,h/2] =lim[h→+0] [{(1/h)^2} h ] =lim[h→+0] (1/h)=∞ としても同じで結果が得られます。 どちらのやり方でも結果は「∞」になります。
お礼
No.2さんのおっしゃるように積分はできないようですね。 考え方によって間違えであってもいろいろな値が出てしまうのは、 難しくもあって面白くもあります。 回答ありがとうございました。
お礼
超関数というものはあまり詳しく習っていないのですが、やはり取り扱いが難しいようですね。 積分ができないのは少々残念ですが(笑)、ご紹介頂いた本を図書館で探して少し勉強してみようと思います。 回答ありがとうございました。