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「仮定法」って何を指すんですか?
日本での英語教育は極めて体系的に編纂されていますが、残念ながら甚だ論理性に欠ける部分があります。そう、「仮定法」です。 仮定法というのが、構文を指すのか動詞の叙法を指すのか曖昧です。 仮定法で最初に習うのは仮定法過去ですよね。例えば次の文です。 If I were not sick, I would make a trip round the world. それで仮定法というのが if節で amがwereなっているのを指すのか, 主節でmakeがwould makeになっているのを指すのか、それともそういう構文を指しているのかよく分かりません。 次に仮定法現在です。 It is requested that the papers be made ready within a few days. この文はさっきの仮定法過去と違って、「仮定」の要素を含んでいません。そして、仮定法というのは、that節内でbeがisでなく原形のまま用いられていることを指していると思うんですが、beを should beにすることも出来ますよね。これも仮定法現在と呼ぶんでしょうか?
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こんにちは。8/17のご質問ではお返事を有難ございました。 ご質問1: <それで仮定法というのが if節で amがwereなっているのを指すのか, 主節でmakeがwould makeになっているのを指すのか、それともそういう構文を指しているのかよく分かりません。> 全てを指します。 1.仮定法とは文の時制を表現する時の一種の分類法のひとつなのです。仮定とは「事実とは異なることや、実際にはありえないことを、仮に想定する」という意味です。 つまり架空の(=事実ではない・実際には起こっていない・ありえない)事柄を、想定した文が、仮定法の文と言われます。 例: If it were fine today, I would go out. 「今日晴れなら、出かけるのに」 実際は晴れでないから、出かけられないという事実があります。 2.If+仮定法過去(過去完了)の節を「仮定法条件節」といい、主節を「仮定法条件節のその帰結」と呼びます。この従節文+主文を合わせて「仮定法の文」といいます。 3.仮定法に対峙する分類は、「直説法」になります。直説法とは「事実に即する」という意味です。叙実法と呼ばれることもあります。 つまり事実=実際には起こっている事柄を述べた文が、直接法の文と言われます。 例: As it is not fine today, I don’t go out. 「今日晴れでないので、出かけません」 1の仮定法の文を直説法(叙実法)にしたものです。事実を淡々と述べています。 4.また、仮定法条件節に対して、直説法条件節があります。これは、やはり事実に即した条件節ですので、When節とほぼ同じニュアンスで用いられます。 例: If he comes tomorrow, they will be glad. =When he comes tomorrow, ~ 「明日彼が来れば、彼らは喜ぶだろう」 このIf節の内容は、明日においてあり得ないことではない、半分の確率で、あるいはほぼ確実にあり得る内容なので、直説法が用いられます。 ご質問2: <次に仮定法現在です。~ この文はさっきの仮定法過去と違って、「仮定」の要素を含んでいません。> いえ、「仮の想定」=「事実とは異なる事柄」のニュアンスは含んでいます。 1.「書類が数日で仕上がる」というのは、まだ起こっていない架空の事柄だからです。 2.仮定法現在が、propose「提案する」、demand「要求する」、order「命令する」といった動詞の中で用いられるのも、あくまで「提案・要求」であって、それが実行されるかどうかは定かではないからです。 3.その意味で、これらの動詞のthat節の中の仮定法現在には、話し手の願望が暗示されている、と解釈されることがあります。 ご質問の例文をそのニュアンスを入れて訳すと 「できれば、書類を2、3日で仕上げて欲しいのだが」 といった、直接的な要求を緩和する働きがあるのです。 ご質問3: <beを should beにすることも出来ますよね。これも仮定法現在と呼ぶんでしょうか?> いいえ。まずshould beは助動詞を用いており、現在形でないので「現在」とは呼ばれません。 1.このshouldは言外に条件節を含んだ、婉曲表現の助動詞と呼ばれます。時制で言えば、助動詞の過去形となります。 2.言外の条件節とは、ここれは「できれば」といったニュアンスのことです。例文にshould beを用いて訳せば、「できれば、書類を2、3日で仕上げて欲しいのだが」となります。 3.つまり、婉曲表現とは直接の要求などを控え目に表現する話法として使われる、便利な用法なのです。この婉曲表現をうまく使いこなせるのは、日本語でいう敬語をうまく使いこなせるかといった、話法の技巧の問題になります。 仮定法の用法が難しいと言われるのは、仮定法に含まれる繊細・微妙なニュアンスをうまく使いこなすのは、話し手のセンス、テクニックにかかっているからです。 以上ご参考までに。 myrtille55さんの、英語、仏語を初め、さまざまな言語への真摯な姿勢に敬意を表しつつ、、、。
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- tsuyoshi2004
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私は仮定法を時制の特例のように考えてます。 (これも過去問い同様に私にとって理解のしやすい分類方法程度に捉えてください。) ちょっとSFっぽい表現になりますが、 過去形・現在形・未来形及びそれぞれの完了形や進行形はタイムマシンに乗って、その時(または時代)に行けばそのことが存在することです。 ところが、仮定法の場合は過去・現在・未来においても存在しない事象を表しているいわばパラレルワールドの世界の話だと思ってます。 仮定法現在についても似たようなことで、そのことの実現性などが加味されて(現実逃避して)いる表現と思います。 それでそのような状態を表現するには、何故か一つ前の時制を使いbe動詞は"were"とか"be"を使うという規則があるということと思ってます。
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回答ありがとうございます。 折角ですが、的を得ている回答とは若干言い難いものの、こういうユーモラスな回答 好きですよ。 タイムマシンと言えば元祖はH.G.ウェールズのタイムマシンですね。タイムトラベラーが80万年後の世界に行くわけですが、そこは高度に文明化された世界ではなく、文明は逆に退化して 人類がエロイとモーロックという二つの種族に分化してしまっているんですよね。 パラレルワールドが登場する小説や物語も少なからずありますが、昔 NHKで放映されていた藤子不二雄のパラソルへんべえを思い出します。
- silver1940
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「仮定法」は、実際に使われている「時制」を説明するための文法事項だと思っています。 形は「過去」だけど「現在の事実に反する仮定」を述べています・・みたいに。 はじめの例文では、were、 would と過去時制になっていることの説明になります、 次の例文で、should を使えば 仮定法とは言いません。「助動詞の後には原形が来る」と説明します。 はじめに実際の言葉があって、それを分りやすく学ぶための文法です。 論理的な規則があって、それに従って言葉があるのではありません。 文法は要するに正しい英語を使うための方法の一つです。 私はその昔「英語学」と言うのを専攻して頭がすっきり整理される感じが好きでした。 文法は文法のための文法ではなくて、正しく英語を書いたり、理解したりしゃべったりする助けになるものです。 但し、説明できたり規則性を見つけられるものばかりではなく 多くのことを「慣用表現」「熟語」といって学びますね。 仮定法は難しい文法事項というよりは、普通の会話でも子供向けの本でも日常的によく使うものです。 時制がずれていることを「仮定法」と言って説明しているだけのものだと思っています。
お礼
回答ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。 私は英語よりもフランス語が得意でして、フランス人向けの教材で英語をやり直したことがあります。フランス語の論理で考えると、最初の文は非現実な仮定の文ですよね。そして、if節内の動詞が過去形に置かれ、主節の動詞が条件法に置かれています 次の文では It is requestedという主節が従属節内の動詞が接続法に置かれることを要求し、 that節内のbeというのは接続法になっているわけですよね。 >いえ、「仮の想定」=「事実とは異なる事柄」のニュアンスは含んでいます。 最初の文ですが、これはフランス語では phrase hypothetique irreele と言われるものですよね。そして、この文を“If I am not sick, I will make a trip round the world.”という文に還元すれば、これは phrase hypothetique reeleというわけです。 一つ言えるのは、「仮定法」の「仮定」は明らかにhypotheseとは違うことです。 >いえ、「仮の想定」=「事実とは異なる事柄」のニュアンスは含んでいます。 つまり、indicatifではなく、subjonctifであって、hypotheseとはあまり関係ないような気がします。ちなみに hypotheseを仏仏辞典で引いてみましたが、“supposition detinee a expliquer ou a prevoir un fait, un evenement”とありました。ということは、このsuppositionが行動の実現や事実の存在を表していれば indicatifだし、意思や疑惑や不確実さを含んでいれば、subjonctifということになりますよね。ここでは 2番目の文は不確実さを表しているから、indicatifが使えないわけですよね。 >いいえ。まずshould beは助動詞を用いており、現在形でないので「現在」とは呼ばれません。 このshouldはフランス語では verbe modalと呼ばれていて、should beはsubjonctifにはならないそうなんですが、日本の英文法では これも仮定法の範疇に入れていました。 >仮定法の用法が難しいと言われるのは、仮定法に含まれる繊細・微妙なニュアンスをうまく使いこなすのは、話し手のセンス、テクニックにかかっているからです。 いや、私にとっては用法が難しいんではなく、「仮定法」の定義が捉えにくかっただけでした。もっとも、「仮定法未来」というのもあって、少し面倒ですが。そう言えば、西洋の言語で「仮定法」という用語を使っているのは英語だけなんですよね。