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日本軍の派閥について
日本軍の派閥の変遷について詳しい方にご質問します。 私は軍隊に関する事に興味を持っているのですが どうも日本の軍隊に関する本を読んでいると引っかかるところが出てくるのです。 それは軍隊内の派閥の話です。 というのもこれらの本を読んでいると必ず「当時~らを中心としたグループに睨まれて」などの記述があるのですが、どうも具体的な派閥の変遷について書かれた本やホームページなどが無くいまいちピンときません。 仮にこれら派閥の事に少しふれている本を読んでも明治期には薩摩閥と長州閥が幅を利かせていたくらいにしか書いてなく明治期の話が終わったら突然間を飛ばして昭和期の皇道派と統制派に分かれたくらいにしか書いてありません。 砲兵や騎兵、工兵などの違いで派閥が違ったりとか出身地域や配属地域の違いで派閥が違ったなんてことはなかったのでしょうか? そしてさらに謎なの日本海軍の派閥です。 日本陸軍ならば多少の事も触れられているのですが 海軍に関してはさっぱりです。 もしこれらのついておしりの方がいましたらお教えいただけないでしょうか? よろしくお願いします。
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海軍の場合について書きましょう。 大正10年(1921)から始まった「国際的な海軍軍縮問題」にどのように対応するかで、それまで一枚岩であった海軍内部で意見が真っ二つに割れました。 「条約派」と「艦隊派」と呼ばれています。 大正10年、アメリカの呼びかけでワシントン軍縮会議が開催されました。 要は、主力艦(戦艦)の保有比率を日本は、対米英6割とする提案です。 この条約締結を推進したのが主席全権・加藤友三郎海軍大臣で、締結に尽力した山梨勝之進、堀悌吉らを「条約派」といいます。 他方、この会議で主席随員をつとめた加藤寛治中将は、対米7割を主張しましたが、これを支持する人々を「艦隊派」といいます。 東郷平八郎、伏見宮博恭王という海軍の最高実力者たちが艦隊派を支援しました。 昭和5年(1930)、今度は、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦など補助艦に制限を加えるロンドン軍縮条約が結ばれました。 このとき艦隊派は、世界三大海軍国の一国としてこんな屈辱的な軍縮条約は容認できないと反対運動を激化させました。 艦隊派は政界に働きかけて、野党の政友会に浜口雄幸首相を攻撃させました。 「統帥権干犯」問題が出たのがこのときです。 このあたりの事情は次のURLに詳しいです。 http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/tousuikennnokannpann.htm 決着したのは、昭和8年から9年にかけて大角岑生海相のときに行なわれた「大角人事」で、条約派の中心人物が次々と予備役に編入され、海軍を去っていきました。 艦隊派が主導権を握ることとなり、そして昭和11年、軍縮条約は期限切れとなり、日本はアメリカ相手に「無制限建艦競争」を展開し、そして行き着く先は真珠湾攻撃でした。 大角人事は、中堅クラスには好評でした。 つまり、日露戦争で世界に名をとどろかす前後に海軍に入ってきた人たちにとっては、日本は一流国だという認識があり、だから対米協調路線の条約派を軟弱と非難し、対米強硬路線を主張しました。 以後、海軍には「派閥」と呼ぶ存在はないと思いますね。 主流派だけですね。 条約派・古賀峯一提督の持論は 「あの条約を以って日本が英米の6割に抑えられていると思うべきではない。アメリカの国力、無尽蔵な資源、イギリスが保有する領土の広大さから見て、米英が日本の六分の十で我慢していると考えるべきだ」 書き出すときりがありませんが次のURLは参考になると思います。 海軍中将・堀悌吉 http://www2b.biglobe.ne.jp/~yorozu/sub3-12.html 参考文献。『文藝春秋』2007年8月号「昭和の海軍」
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- warsman
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派閥がらみの話は執筆者の主観も入るため、これ一冊でOKというものはありません。地道に色々読んでいくしかないと思います。 リンクは2chの日本史板にあった派閥スレッドのログです。 長いですが参考になると思います。 陸軍の統制派と皇道派について http://homepage3.nifty.com/greatarmy/1024259247.html 日本軍閥闘争史 http://homepage3.nifty.com/greatarmy/1047455220.html 軍人軍閥綜合スレ http://homepage3.nifty.com/greatarmy/1093003670.html
お礼
非常に難しい質問にご回答いただきまして本当にありがとうございました。 リンクの2chの日本史板非常に参考になりました。 お教えいただいたように地道に調べていくようにしてみます。
お礼
非常に難しい質問にご回答いただきまして本当にありがとうございました。 海軍における派閥の形成とその推移がとても良く分かりました。 そして今まで海軍は陸軍と違い一枚岩であまり派手な派閥抗争が無いと思っていたのでまさか主流派が反主流派を海軍から抹殺したなんて聞いてビックリしました。 海軍のまとまりの良さは自然発生的なものではなく主流派による粛清の上に成り立っていたなんて自分は陸軍に比べて海軍に良いイメージを持っていたので考えがかわりました。