「少し複雑な4変数の連立方程式」を強引に解いてみよう.
まず,X=abcd, Y=ab+cd+bc とおくと与式は,
X*A_1^2 + Y*A_1 = 4 ・・・・・(1)
X*A_2^2 + Y*A_2 = 4 ・・・・・(2)
X*A_3^2 + Y*A_3 = 4 ・・・・・(3)
X*A_4^2 + Y*A_4 = 4 ・・・・・(4)
と書ける.(1), (2)を1つの連立方程式と考え,(3), (4)も別の1つの連立方程式と考える.(1), (2)から,行列式の表現を用いて,
Δ=|A_1^2 A_1| Δ_x=|4 A_1| Δ_y=|A_1^2 4|
|A_2^2 A_2|, |4 A_2|, |A_2^2 4|
とすると,これにより
X=(Δ_x)/Δ,Y=(Δ_y)/Δ ・・・・・(5)
である.次に,(3), (4)から,同様に行列式の表現を用いて,
Ψ=|A_3^2 A_3| Ψ_x=|4 A_3| Ψ_y=|A_3^2 4|
|A_4^2 A_4|, |4 A_4|, |A_4^2 4|
とすると,これにより
X=(Ψ_x)/Ψ,Y=(Ψ_y)/Ψ ・・・・・(6)
である.(5)の X と Y は(6)の X, Y と等しくなければならないから
(Δ_x)/Δ=(Ψ_x)/Ψ,・・・・・・(7)
(Δ_y)/Δ=(Ψ_y)/Ψ ・・・・・・(8)
を得る.この(7),(8)は A_i^2 (i=1,2,3,4)およびA_j (j=1,2,3,4)間の関係を与える式(制限を与える式)である.ただし,Δ≠0, Ψ≠0 とする.次に,変数 a, b, c, d に対して,α,β,γ,δを任意の実数と仮定し,
a=αt ・・・・・(9)
b=βt ・・・・・(10)
c=γt ・・・・・(11)
d=δt ・・・・・(12)
とおく.X=abcd と Y=ab+cd+bc により,
X=αβγδt^4 ・・・・・・・・・・(13)
Y=(αβ+γδ+βγ)t^2 ・・・・・・(14)
と書ける.(14)の両辺を2乗すると,
Y^2=(αβ+γδ+βγ)^2*t^4 ・・・・・・(15)
(13)と(15)より
X/Y^2 =(αβγδ)/(αβ+γδ+βγ)^2 ・・・(16)
この(16)は,α,β,γ,δと A_i^2 と A_j の関係を与える式である.ただし,Y≠0, αβ+γδ+βγ≠0 とする.一方,(13)より t は
t={X/(αβγδ)}^(1/4) ・・・・・・(17)
で与えられる.これで計算は終わりである.a, b, c, d は,(17)と(9), (10), (11), (12)により与えられる.因みに,一般に,行列式とは,
Ω=|A B|=AD-BC のことである.
|C D|
これから先のことは,自分で考えて下さい. 以上