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酸化剤について
酸化剤にはNiCl2のような2電子酸化剤もあれば、例は書かないが1電子酸化剤etcあるが、これらの違いは何なんでしょうか?また2電子酸化剤と1電子酸化剤を比べて、前者が優れている点はなんでしょうか?
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違いは一電子とるか二電子とるかですが、ってこれじゃぁ回答にならないですね。 一電子酸化剤の例としては、金属だったらフェロセンのカチオン(フェリセニウムだっけ?Cp2Fe+というやつ)や酸化銀(I)、有機物だったらアミニウムカチオンラジカル(R3N+)などが上げられます。 酸化剤も、自分自身は還元されて安定な状態に行きたいわけですから、二電子酸化剤は二電子もらった状態が安定、一電子酸化剤は一電子もらった状態が安定なのです。 有機または典型金属の酸化剤は二電子移動型が多いのは、有機物・典型元素化合物は電子対を単位として結合を作りますし、孤立電子対も二電子が単位です。そのため、酸化・還元反応も電子対単位(あるいはヒドリドを奪う、くっつけるというような場合。これも二電子移動していることになる)。 例外はラジカル反応剤ですね。これは当然ながら一電子をやりとりします。 一方、金属の場合だと、その酸化還元過程は有機物に比べバリエーションに富んでいることは既にご存じでしょう。一電子やりとりするものもいれば二電子やりとりするものもいます。 NiCl2が二電子もらえば金属ニッケルになります。すごく普通ですね。 でもフェリセニウムが二電子とったら鉄のアニオンラジカルになっちゃいます。変ですね。 逆もしかり。 利点ですか・・・これは個々の反応によって選択して使い分けるものなので、一般的にここが優れている、とか言うのは難しいのではないでしょうか? また、一電子・二電子で分けるだけではなくて、この試薬は収率に優れる、この試薬は反応後の分離が楽、とかいろいろと利点はありますし。 同じ当量の基質を酸化する場合に、前者は後者の半分の量ですむことになりますので、ものすごく適当な言い方をすれば、効率的だと言えなくもないのかな? またこれは全くの想像ですが、基質を二電子酸化したいときがあって、中間の一電子酸化体が不安定、というような場合に、一電子酸化体2分子と反応させるよりも二電子酸化体一分子と反応させた方が、中間体の分解を避けられて良い、ということもあるのかもしれません。想像です。
お礼
丁寧な説明まことに恐れ入ります。僕の知りたかったことすべてを説明していただきありがとうございました。