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銅の酸化について
いつも分かりやすく教えてくださってありがとうございます。今度は酸化銅についてです。 私は私立の中3(4月から)です。中高一貫校なので、教科書はほとんど使わず、先生のプリントと問題集中心の授業です。 春休みに入る直前、イオンを学んでいました。そこで「高校レベルの酸化と還元」を少しやりました。電子を失うことが「広い意味=本来の意味 の酸化」で、金属と酸素が結びつくのはたくさんある酸化のなかの一部、ということだったのですが、そこで疑問点かあります。 銅を熱すると酸素と結びつき酸化銅となる、ということを以前学んだのですが、この時、銅が電子を放出し、酸素がその電子を受けとるのですか?だとすると、何の力が働いてそのやりとりになるのですか。 例えば、硫酸の中に亜鉛を入れると、亜鉛は水素よりイオン化傾向が大きいので電子を放出し、溶け出すのですよね。それはとてもよくイメージできるのですが、銅を熱するとなぜ酸素と電子をやりとりするのですか。熱が関係あるのでしょうか?また、金を熱すると「酸化金」ができるのでしょうか。 とんちんかんな質問だと思いますが、よろしくお願いいたします。何か私の理解に間違いがあったら、指摘して下さい。
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- htms42
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「酸化」のもともとの意味は何かについては混乱があります。 >酸化とは文字通り酸素と結びつく事です。 というわけでもありません。 酸化がこういう意味だとするとあまりにも「ちゃち」なものだと思いませんか。「テレフォンカードをテレカ」と言うというたぐいの言葉だということになってしまいますから内容が乏しすぎるのです。塩素と化合することを「塩化」と言うというのと変わりません。内容に乏しいから簡単だということですぐに受け入れてしまいます。ところがそのあとで「塩化」も「酸化」だというのが出てくると訳が分からなくなるのです。化学なんかに付き合ってはおられないということで試験さえ済んだらさっさと忘れてしまう候補の筆頭のものになってしまいます。 電子の移動で考えるというのが教科書に出てき始めたのはこの20~30年前からです。その前は「発生期の酸素」とか「発生期の水素」という考えが使われていました。燃焼のイメージの酸化だけでは水溶液中での酸化剤の反応をうまく説明ができなかったからです。私が高校の時には過マンガン酸イオンや二クロム酸イオンの反応は発生期の酸素を使った表現で説明されていました。そうなると電池の話はまたおかしくなります。「イオン化傾向の異なる2つの金属と電解質溶液」というのはその当時、よく使われていた説明です。現在のように酸化・還元反応の立場で一貫して考えていこうというものではありませんでした。 「酸化」はラボアジェが最初に使い出した言葉であるとして歴史的な裏付けがあるというニュアンスの文章がよく出てきます。確かにoxidationという言葉はラボアジェが使い出した言葉です。でも意味は現在の「酸化、還元反応」という使い方での「酸化」とは異なっています。oxideも現在使われている意味での酸化物ではありません。これはラボアジェの書いた本「化学入門」、「化合物命名法」を見ればわかります(以前は翻訳が出ていましたが多分、手に入れることができないでしょう。英語版がDoverから出ています。値段も安くて手に入れやすいです)。化学史の本でラボアジェの本に書かれていることを踏まえた解説をしている本を見たことがありません。東大教授の書いた化学史の本でも同じです。たぶん誰も読まずに書いているのだと思います。 ついでに 「ラボアジェは「酸性の原因を酸素」だと考えた。これは誤った考えである」 という文章もよく出てきます。これもラボアジェの本を読まずに書いているものです。こんなことは一言も言っていません。ラボアジェが言っているのは「空気中の呼吸に役にたつ方の成分は酸でないものを酸に変える働きがある」ということです。炭素は酸ではありませんが燃焼でできた気体は水に溶かすと酸性を示します。リンを燃やした時にできる気体、硫黄を燃やした時にできる気体でも同様です。さらに2種類以上の化合物ができる場合には結合の程度の進んでいる物質のほうが酸性は強くなるということも知られています。そこで空気中のこの成分にoxigenという名前を付けたのです。oxi-は「酸」を表す言葉です。「酸でないものを酸に変える働きするもの」という意味になります。こういう働き自体にはoxigenationという言葉を当てはめています。「酸創生」というような意味です。燃焼で酸を生じるのは非金属元素です。金属元素の場合は燃焼で塩基ができます。同じような反応のはずなのに金属元素か、非金属元素かでできるものが違うのです。そこで酸の出来方と似ているが酸とは異なるものができるという意味で生じる物質をoxide、そういう物質ができる変化をoxidationと呼んだのです。-ideは「似ているが異なる」という意味の語尾です。よく似た語尾に-oideというのがあります。周期表の下のほうにアクチノイドという元素のグループがあります。以前はアクチニドという名前でした。アクチノイドというと「アクチニウムに似ているもの」という意味になりますがアクチニドというとアクチニウムに似ている元素でアクチニウムを除いたもののグループという意味になります。あくんちに度というグループ名は正確ではないということでアクチノイドに変更されました。 oxideというのは今でいう塩基性酸化物の意味になります。酸性酸化物は以前から「酸」と呼んでいましたからoxideの中には含まれていなかったのです。 (oxideの意味を取り違えているというのは国際的にです。ラボアジェが早く死んでしまったので自分の説を十分に説明する機会がなくなってしまったということがおかしいことがそのまま広まった理由になっているの賀茂しれません。 オスとワルドの「化学の学校」を見ても「燃焼」は出てきますが酸化は出てきません。 酸化、還元の考え方や表現が整理され、それが定着したのは20世紀の後半になってからだと言ってもいいのではないでしょうか。
- ORUKA1951
- ベストアンサー率45% (5062/11036)
>電子を失うことが「広い意味=本来の意味 の酸化」で、金属と酸素が結びつくのはたくさんある酸化のなかの一部、ということだったのですが、 違います。酸化とは文字通り酸素と結びつく事です。 それを拡張して、酸素が関わらない反応にも適用するために「酸化」の定義を拡張したのです。 >銅を熱すると酸素と結びつき酸化銅となる 常温でも長い時間をかければ酸化します。化学反応は基本的に __/\ 反応前-\ -----\____ 反応後 のように進みますが、峠を越さないと・・・水素と酸素混ぜただけでは反応しない。 また、温度によって安定な状態が変わります。鉄は低温では四三酸化鉄が出来ますが、高温になると酸化鉄IIのほうができるとか。 金は加熱では酸化できませんが、王水のような強力な酸化剤と出会えば酸化されます。