はじめまして。
1.ご質問:
<関係詞whichは、非制限用法だと前の文の文内容を先行詞とすることができるということなんですが、挿入の場合だと後ろの内容を先行することもあるということなんでしょうか?>
ありえます。「~であるが」という意味で、主節に先立って挿入されることがあります。その場合、先行詞は後ろに来ます。ただし、先行詞が後ろにくる用法は文語的な表現になります。
例1:whichの例:
Moreover, which he never believed, they had decided to dismiss him.
「さらに、彼は夢にも思わなかったことだが、彼らは彼を解雇することに決めていた」
このwhich=「夢にも思わなかったこと」の先行詞は後の主文、they had decided in advance to dismiss him「彼らが彼を解雇することに決めていた」になります。
例2:whatの例:
He was dismissed, what is worse, he became ill.
「彼は解雇された。さらに悪いことには、病気になった」
このwhat=「さらに悪いこと」の先行詞は、後のhe became illになります。
2.which(what) amounts to the same thing:
(1)amount to:「~に等しい」「~と同じだ」という動詞です。動詞の前に関係詞whichがありますから、このwhichは主格の関係代名詞になっています。
(2)先行詞は何になるのか。確かにご想像の通り、またNo.2の回答にあるように、前文のような気がします。しかし、ここは前文の内容が先行詞にはなりません。ここではやはり、後の文の(you) insist that he speak yours「自分の方の言語を話すように強要する」が先行詞になります。このwhichの先行詞は後続文の内容になります。
3.or, insist that he speak yours:
(1)では、or~yoursの部分はどんな働きになるのかというと、「言い換え」になっているのです。何の?それは前文のyou take a man's language from himの言い換えです。
(2)どこでそれがわかるか?それは「or」という等位接続詞です。orは「すなわち」という意味で、語・句・節・文などの言い換えに使われます。
(3)等位接続詞ですから、A or BのAとBは同じ働きになっていなくてはなりません。A or B のBを見ると、insist that he speak yoursという主語のない文になっています。ということは、それと同じ働きをするものがAになりますから、Aは、前文のtake a man's language from himだとわかります。つまり、この2つの文の主語は「When you」を共有しており、最初のwhen節の言い換えが、orを介して(when you) insist~で表されているわけです。
(4)わかりやすく言えば、この英文の従属節はorを介して2つのwhen節がある、ということです。
1)When you take a man's language from him
「他の人から母国語を奪うと」
or「すなわち」
2)When you insist that he speak yours
「自分の方の言語を話すように強要すると」
4.whichの働き:
(1)非制限用法のwhichは、「そしてそれは」という風に訳し下げることが多いのですが、ここでは「次に言うことは」と置き換えてみれば、わかりやすいと思います。
(2)または、which amounts to the same thing as that「それと同じ事になるのだが」と、as that を補ってみるとわかり易いと思います。thatは前文の内容を指します。
(3)直訳でこの文の従属節を訳すと、
「他の人から母国語を奪うと、次に言うことは結局それと同じことになるのだが、すなわち、自分の方の言語を話すように強要すると、」
となります。
(4)whichの先行詞、つまりamounts to the same thing「結局同じことになる」の主語は、「後で言い換えたこと=or, insist that he speak yours(すなわち、自分の方の言語を話すように強要すると)」になっているのです。
(5)わかりやすく言えば、この従属節は
A, which amounts to the same thing (as A), or B,
「A、Aと同じ事を言うようだが、B」という構造になっており、whichの先行詞は後続のBになるわけです。
5.ご質問:
<この文のような挿入を見分けるコツというのがあれば教えて下さい。>
関係代名詞の挿入部には、前後に「,コンマ」があるはずです。それが、関係詞の挿入部を見分けるコツになります。
以上ご参考までに。
お礼
細かく解剖をしていただきありがとうございます 大変ためになりました どうもありがとうございました