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昔の日本の刀
戦国時代や江戸時代などの刀(要するに日本刀)は、鉄だったのでしょうか、鋼だったのでしょうか? (そもそも鉄と鋼の違いが良く分かりません。) また、まだ鍛えたばかりの新しい刀は弱かったというのは本当ですか?
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こんにちは。 順序が逆になりますが、 >また、まだ鍛えたばかりの新しい刀は弱かったというのは本当ですか? これは本当の話で、焼入れ(火であぶって熱くして水や油で急に冷やす事)をした物は時間と共に硬くなる性質があります。 これを時効硬化といいます。 http://hz-hp.zaiko.kyushu-u.ac.jp/lectures/2-strength.html >鉄と鋼 は現在では含まれている炭素の量によって区別するようです。 非常に純粋な鉄は割と柔らかいのですが、わずかの炭素が含まれると非常に硬くなります。 これを「鋼」と言い、炭素の量によって硬さが変わり、軟鋼、硬鋼などと更に分ける事もあります。 日本刀は、かなり純粋な部類の鉄で、今で言う軟鋼の部類でしょうか。 しかし部分ごとに硬さの違う材料を組み合わせているので、全てがそうではないです。 昔は日本刀レベルの純粋な鉄を作る技術がなく、たたらという特殊な製法によって「たまはがね」という鉄が作られて、それを赤熱して何度も叩く事でさらに純粋にして用いていました。
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- myeyesonly
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先の時効硬化の回答者です。m(__)m 古刀だとか新刀、という区別によるという話は知らなかったので私も大変参考になりました。 さて、私の回答ですが、実は刀鍛冶の作業の中にその秘密があるのです。 刀鍛冶は一般に神事として執り行われます。 打ち上がった刀は刃を付けて「必ず」1~数日、「神棚に供えて魂を入れてから」納品されます。 実はこの「神棚に供えて魂を入れる」のが、現代の化学の目で見ると時効硬化の時間を与えていたと考 えられます。 時効硬化以外にも、土を付けて焼き入れする事で収縮率の違いで曲げる為に、内部応力というのが残り 、これが不均一だと簡単に折れる刀になってしまいます。 これを均一にする為にある姿勢で一定時間寝かせる必要があったはずで、その両方の目的で神棚に捧げ られていたはずです。 ちなみに現在の鍛造では、時効硬化も内部応力の調整も鍛造の行程の中に組まれ、精密な温度制御が可 能になったので、ある程度加熱して置かれる事が多いようです。 秘伝を中途半端に究めた刀鍛冶が面倒くさいからと、意味も知らずに神棚を省略して納品したら、早速 試し切りでもされたら悲惨な評価を貰ったことでしょう。 このように古式の形の中に思わぬ重要な秘伝がある事は珍しくなく、お相撲の土俵の塩まきなどもそう いう部類です。 化学を勉強すると、くだらない所作が実はいろんな情報を持ってる事に気づき、面白いですよ。 #昔なら、関の刀鍛冶は師匠の焼入れのお湯に手を入れたらその手を切り落としたと聞きますから、こ んな事バラしたら死刑ですね。
- komimasaH
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鉄といっても、どういう状態で産出されるかで違います。現在の鉄は鉄鉱石の形で得られます。 しかし、昔の刀は砂鉄を使っていました。今では砂鉄は入手が困難なため、いい刃物ができないようです。ですから、人によっては、昔の砂鉄で作った鎌や鋤を古い農家から手に入れて刀鍛冶に溶かしてから加工しなおすようにしてもらっている人もいます。私の知り合いもそうでした。 日本刀の金属学的な構造としては、表面が硬く、内面が比較的ですがやわらかいということです。表面は焼きいれをして硬くする(タングステンを混じらせる)、しかし、あまり水で冷やしすぎると中身まで硬くなってしまって全体がもろくなってしまいます。それもノウハウでしょう。 鍛えたばかりの新しい刀は弱いというのは、備前長船、正宗、,井上真改などの本当の刀とは違う大量生産の刀の話では。
お礼
砂鉄は子どもの頃磁石で集めたことがあります。 あれは純粋な鉄なのでしょうか。。 もちろん剣術指南といっても一藩士が持っていたくらいですので、高級な刀ではないのかもしれません。 包丁でも鋼でよく研いである包丁とステンレスのやッすい包丁とではまるで違いますけど、 日本刀はもっと顕著だったのかもしれませんね。
補足
たくさんのお詳しいご回答は、ど素人の私には時々難しかったのですが、すべて拝読しました! 命のやり取りをするための道具ですから、随分凝った造りになっていたのですね。 単に鉄、あるいは鋼の単独の塊だと思っていました。 実物は随分重いそうですから、平和な時代でも片側の腰にぶら下げていて、武士の魂(?)となっていたのでしょうね。 やっと納得できました! 皆様、どうもありがとうございました!!
- Pinhole-09
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鉄は鋳鉄、軟鉄、鋼などに分かれます。 内容は先賢の書かれた通りです。 鋼には特殊鋼があります。 特に硬度の高い特殊鋼もありますが、日本刀の刃は普通の鋼です。 材料の鉄は古くは砂鉄から作りましたが、その後は鉄鉱石から冶金で得た物や、国産より高品質の南蛮鉄(輸入品)も使われました。 日本刀の切れ味は材料の鉄より、鍛造法によったようです。 元禄以後泰平の飾り刀が、幕末風雲急で実用の刀の需要がふえ、日本刀が量産されました。 いわゆる新々刀です。 粗悪品も多く新刀が弱いとはこのことです。 新々刀の中にもすぐれたものがあり、切れ味は原料にはよらない事が判ります。
お礼
ありがとうございました!
- k762
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>新刀が弱いというのは この場合の新刀とは古刀(慶長以前)と区別する為の呼び方で慶長以後文化頃迄の刀を指す言葉で、決して鍛えたばかりの刀を指す言葉では有りません。 (文化以後は新々刀、明治以後は現代刀と云います) ちなみに古刀、新刀、新々刀、現代刀全て金質も鍛え方も違います.....
お礼
ありがとうございました!
- phantom1
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No2です。 失礼、先ほどの記述で中心と外側の材料が逆でした。
- HERO TKS(@HERO_TKS)
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ふつう材料を示す場合には鉄というと軟鉄を指します。綱というと炭素綱または合金を指すと思います。 刀は刀鍛冶によって鍛えられます。よく見るのが焼き入れでしょうか? 鉄は熱することで炭素を含み、急激に冷やすことで(昔の場合には)鉄よりもさらに強度が上がります。しかし強度が上がる反面、粘りが無くもろくて折れやすいものもできるというのが事実です。 現在では熱処理の方法も様々で、またニッケルやクロムなどを添加することによって、錆びない綱(ステンレス)、抗張力綱、耐熱綱など様々な用途の綱ができます。 さてご質問の >まだ鍛えたばかりの新しい刀 ですが現在のように品質が均一な綱は作れなかったものと思います。 熱処理の形態(冷却温度や焼き入れ時間、温度)や、刀鍛冶の技量によって相当ばらついていたものと思われます。 強くすることにとらわれてもろくなってしまった刀はやはり折れやすかったのでしょう。 しかし、一流の職人が鍛えた刀はそんなこともなかったと思います。
お礼
色々ありがとうございました!
- belrin1122
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鋼は鉄(軟鉄)より炭素分の多い鉄です。釘が鉄で、カッターの刃が鋼です。 日本刀は鋭さと折れにくさを兼ねそなえるため中心にやわらかい鉄。刃の部分と外側にかたい鋼を用いた複雑な構造になっています。 》また、まだ鍛えたばかりの新しい刀は弱かったというのは本当ですか? 聞いたことはありませんが、鉄は製造直後は比較的やわらかいので、プレス加工などはやりやすいのですが、鋼を焼き入れした日本刀は関係ないと思います。
お礼
カッターは普通の鉄だと思っていました! 新刀が弱いというのは、荒木又右衛門について書いてあるウィキペディアで知りました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92%E6%9C%A8%E5%8F%88%E5%8F%B3%E8%A1%9B%E9%96%80 ありがとうございました!
- phantom1
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中心に鋼、外側に軟鉄を使っています。サンドイッチ構造にして鍛造する事で、丈夫さと切れ味の鋭さを両立させているのです。このサンドイッチ構造の境目に現れる模様が刃紋と言うやつで、刀工毎に色々な種類があり、玄人の目にはこの刃紋の違いで作刀者(流派)が分かりますし、日本刀の美術工芸品としての評価基準にもなっています。
お礼
ありがとうございました!
- shinkun0114
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鉄であり、鋼です。 鋼は鉄に微量の炭素を加え、強度やねばり強さを増したものです。
お礼
よく分かりました。 早速のご回答、どうもありがとうございました!
お礼
化学的なことにまでありがとうございました。 純粋な鉄が(割りと)やわらかいものだとは知りませんでした。 日本刀の部分によって成分が違うなんて、びっくりです。