- ベストアンサー
漸化式の問題の解法と基底の求め方
- 漸化式の問題について解法と基底の求め方を教えてください。
- 漸化式(*) x_n+2=2x_n+1-2x_n=0 (n=1,2,…)をみたす数列(x_n)_n=1,2,…全体のなすベクトル空間Vの一組の基底及び次元を求め、α=1+i,β=1-i (i^2=-1)を置いた場合の数列(x_n)_n=1,2,…全体のなす集合をそれぞれW_1,W_2として、共にVの部分空間であることを示し、またそれぞれw_1,w_2を漸化式(ⅰ),(ⅱ)をみたさない数列としてΛ={w_1,w_2}がVの基底になることを示し、Λに関する数列(1,1,…)∈Vの座標を求める方法について教えてください。
- 漸化式の問題において、漸化式の解法や基底の求め方、部分空間や座標の計算などについて教えてください。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>漸化式(*) x_n+2=2x_n+1-2x_n=0 (n=1,2,…)をみたす数列 二つ目の等号(=0)はなにかの間違いではないでしょうか。もしこの等号が入るのであれば、この漸化式を満たすような数列は{0}(つまりすべてのnについてx_n=0となる自明な数列)しかありません。 >(x_n)_n=1,2,…全体のなすベクトル空間をVとする。 ベクトル空間というのなら係数体が何であるかということも書いておいて欲しいところです。まあ(2)の問題からして係数体は複素数体Cだと思いますが。 さてこの問題は(*)を満たす数列を求めることが本質ではなく、そのような数列がベクトル空間の構造を持っていることを理解させるのが本質です。すなわちこれは線形代数の問題です。(sabukenさんは大学生ですね)。実際、以下の回答を見ればわかるように、この問題を解くために(*)を満たす数列の一般項など求める必要はありません。 (0)まず(*)を満たす数列を{x_n},{y_n}とすると、任意の複素数α,βに対し α{x_n}+β{y_n}={αx_n+βy_n} と定義することにより、(*)を満たす数列全体の集合がベクトル空間になることを確認して下さい。 このあたりのことがわからない(確認できない)ようであれば以下の回答を読む前に線形代数の教科書を見て定義や概念を復習して下さい。 >(1)Vの一組の基底及び次元を求めよ。 漸化式の形からわかるようにVの要素は第1項と第2項を決めれば完全に決まってしまいます。そこで直観的には2次元だと考えれられます。そこで(*)を満たす2つの数列 x=(1,1,0,-2,-4,-6,-4,4,…) y=(1,0,-2,-4,-4,0,8,16,…) がVの基底であることを証明しましょう。(同時に2次元であることの証明にもなっています) (A)x,yが線形独立であることを示す。 今ある複素数p,qに対し px + q y =0 (0は零数列) となったとします。第1項と第2項についての式を取り出すと p x_1 + q y_1 = p + q = 0 …(1) p x_2 + q y_2 = p = 0 …(2) となります。(1),(2)を連立方程式として解けば、p=q=0であることがわかります。すなわちx,yは線形独立であることが示せました。 (B)Vの任意の要素がx,yの線形結合として書けることを示す。 zは(*)を満たす任意の数列とします。 zがx,yの線形結合として書けるならば、ある複素数の組p,qによって px + q y =z …(3) と書き表せます。このようなp,qが常に存在することを示せばOKです。 例によって第1項と第2項についての式を取り出すと p x_1 + q y_1 = p + q = z_1 …(4) p x_2 + q y_2 = p = z_2 …(5) となります。z_1,z_2の値にかかわらず連立方程式(4),(5)は必ず解を持つことがわかります。すなわちどんなzに対しても(3)の表現は常に可能です。 (C) さて一般にベクトル空間Vのn個のベクトルが線形独立であり、かつ任意のベクトルがそのn個のベクトルの線形結合で書けるならば、そのn個のベクトルはVの基底であり、Vはn次元です。(線形代数の教科書を復習して下さい) よって(A),(B)で示したことより、{x,y}はVの基底であり、Vは2次元です。 >(2)α=1+i,β=1-i (i^2=-1)と置くとき、漸化式 >(i) x_n+1=αx_n, (ii) x_n+1=βx_n (n=1,2,…) >をみたす数列(x_n)_n=1,2,…全体のなす集合をそれぞれW_1,W_2とする >と、これらは共にVの部分空間であることを示せ。 まずW_1,W_2がVの部分集合であることを確認して下さい。つまりW_1についていえば、漸化式 (i) x_n+1=αx_n を満たすような数列が漸化式(*)を満たすことをチェックして下さい。W_2についても同様です。 ベクトル空間のある部分集合が部分空間であるというのは、その部分集合もそれ自体がベクトル空間になっている。ということです。 そこで、あとはW_1,W_2がそれぞれ(それ自身だけで)ベクトル空間になっていることを示せばOKです。その示し方は(0)の場合と全く同じようにできます。 >(3)漸化式(i),(ii)をみたす例でない数列をそれぞれw_1,w_2とするとき、 >Λ={w_1,w_2}はVの基底になることを示せ。 問題文の意味が不明です。「漸化式(i),(ii)をみたす零でない数列をそれぞれw_1,w_2と…」ではないですか。 さてw_1={a_n},w_2={b_n}とします。共に零数列でないのですからa_1≠0,b_1≠0です。 (1)で述べたように、Λ={w_1,w_2}が基底であることをいうには、 (A)Λが線形独立であること。 (B)Λの要素数がVの次元数に等しいこと。 をいう必要があります。(1)でVが2次元であることを示したので(B)については自明ですから、(A)を示します。 示し方は(1)-(A)の場合と全く同様にできますので省略します。 よってΛはVの基底になります。 >(4)Λに関する数列(1,1,…)∈Vの座標を求めよ。 (*)を満たし、x_1=1,x_2=1となるVの数列x=(1,1,0,-2,-4,-6,-4,4,16,24,…)をw_1とw_2の線形結合で表せ。ということですね。これも解き方は(3)と全く同様です。すなわち 複素数r_1,r_2で、対し r_1 w_1 + r_2 w_2 = x となるものを求めればよいのですから、 r_1 a_1 + r_2 b_1 = x_1 = 1 …(6) r_1 a_2 + r_2 b_2 = r_1 α a_1 + r_2 β b_1 = x_2 = 1 …(7) として(6)(7)を連立方程式として解き、r_1,r_2を求めます。 すなわちxを基底Λで表した座標は(r_1,r_2)になります。 最初に書いたように、出題者としては、漸化式から数列を求めることよりも、(*)の漸化式(線形差分方程式)を満たす数列全体の集合Vがベクトル空間になるということ、およびその空間の構造を理解して欲しいはずです。そして(3),(4)の問題でわかることは、Vがベクトル空間であれば、(*)を満たすすべての数列は基底となる2つの数列の線形結合として表現できるということです。この問題は(*)を線形差分方程式のかわりに線形微分方程式に置き換えてもほとんどそのまま通用します。 ベクトルというと、どうしても高校までのイメージで矢印のようなものを考えてしまうと思いますが、線形代数はそれらをさらに抽象化したもので、関数や多項式などもベクトル空間とみなすことができます。最近の同様の問題として http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=285524 がありますので、こちらの方も参考にして抽象的なベクトル空間の扱い方や応用を理解して下さい。 最後に質問とは関係ないことですが一言ご注意を。(2)の2つの漸化式を示す番号として全角小文字のローマ数字を使っているようですが、この種の文字を表示できないブラウザーやOSがあるため、この種の文字を掲示板やメールなどで使うのはマナー違反ということになっています。(私のLinux+NetscapeNavigator 4.*の環境でも見えません)丸つき数字や大文字のローマ数字、および半角カタカナも同様です。
その他の回答 (1)
- nubou
- ベストアンサー率22% (116/506)
漸化式はx[n+2]=2・x[n+1]-2x[n]ですか? x[n]=λ^nとして特性方程式をつくると λ^2-2・λ+2=0 特性方程式の根はλ=1±iである 従って前記漸化式の一般解はA,Bをそれぞれ任意の複素数として x[n]=A・(1+i)^n+B・(1-i)^n 初期条件が与えられるとA,Bは定まる 前記特性方程式は因数分解できて (λ-1+i)・(λ-1-i)=0 λ-1-i=0はx[n+1]=(1+i)・x[n]の特性方程式であり λ-1+i=0はx[n+1]=(1-i)・x[n]の特性方程式である