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複素数 i のイメージ
複素数 i を中学生にわかるように説明してみましょう、という課題があるのですが、どうしたらいいでしょうか。 掛けあわせると-1になるとか計算方法をただ伝えるのではなく、なんというか、"虚数"というのをイメージさせるにはどう説明すればよいか、ということなんです。図とかマンガを描いたらわかりやすいのでは、と先生はいうけれど・・・ よい説明の仕方はありますか?
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larryさんの回答のように複素数は一般に複素平面上の点に対応付けされ、それは全くおっしゃる通りです。 では何故「虚数単位iは複素平面上で、原点の垂直上方に位置する」のでしょうか。あるいは何故「虚数をかけることを、90度の回転に対応させた」のでしょうか。これについてはこんな説明の仕方もあると思います。 (1)まず、数直線を描きます。とりあえず正の部分だけ描きます。 0 1 2 6 +-+-+-+-+-+→ この数直線上で2×3というかけ算を考えます。 数直線上の2に対し3を掛けるということは元の点(ここでは2)を、原点からの距離が3倍離れた点に飛ばすことに対応すると考えることができます。飛んだ先は当然、数直線上の6です。 中学生なら、数直線の概念についてはすんなり理解すると思いますし、数直線上でのかけ算の表現も納得できる範囲だと思います。 (2)次に、今の数直線を負の範囲にまで延長します。 -4 -2 0 1 2 6 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+→ いま、2という数に-2という数を掛けてみます。答えは当然-4です。 原点からの距離は元の数2に対し、|-2|=2倍になっていますが、-4はもとの数2とは原点を挟んで反対側に存在します。 また-2に-3をかけると今度は6になります。原点からの距離は3倍になっていますが、同様に原点を挟んで反対側に飛びました。 すなわち、かけ算A×Bとは「数直線上の点Aに対し、原点からの距離を|B|倍にすること」「Bがマイナスなら反対側に飛ばすこと」に相当することが分かります。 この辺で「ははあ、マイナスの数をかけるということは、数直線上で180°回転させることだな」と勘付くと思います。マイナスの数を2回かければ「180°+180°」で結局元の方向に戻ってきます。「マイナスとマイナスをかけるとプラスになる」というのは、こういう説明の仕方もできるわけです。 (3)さて、今「1にある数を2回かけると-1になった」とします。 1、-1とも絶対値は1ですから、その掛けたある数の絶対値(原点からの距離)も1と考えるのは自然です。 問題は回転する角度です。かけ算2回で180°回ったわけですから、「1回かけると90°回る」と考えるのがよさそうです。しかし数直線には右と左しかありませんから、「90°回る」というのは表せません。 そこで無理矢理、数直線の上方に90°回った点を打ってみます。 ●←ここ 0 1 2 +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+→ ○ 原点(0)からの距離は、ちょうど1になるようにします。 この●に対応する数を2回かけると、絶対値は同じまま180°だけくるりと回ることになりますから、とりあえずこれまでの話との整合はとれそうです。 で、どうやらこの数は何か役立ちそうだ、ということで「虚数単位i」という名前を付けたわけです。数直線から外れた場所に点を打つという反則技(?)を使っていますが、これが数直線の自然な拡張であり、理に適った図的表現であることは気分的に分かってもらえると思います。 (注:細かく言えば、反対側の点(○)も「2回くるりと回ると、数直線上で負の方向を向く」という条件を満たします(270°+270°で、点の位置としては結局180°と同じこと)。どちらか決めておかないと混乱しますから、●か○のどちらかを「虚数単位i」とし、他方を「-i」と定義したわけです) 虚数単位iが実際にどのように役に立つかまでは、中学生の段階ではちょっと捉えにくいと思います。とりあえずは「2回かけたら-1になる数」という不思議な数が存在して、その不思議な数は実は数学でとても大事な数で、ちょっと反則っぽいけど数直線の原点上方にあるらしい、という面白さ(?)が伝わればよいのではないでしょうか。
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- RYO-shura
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これはですね・・・学校で習ったことなんですがw larry殿のように図にするといいと思います。 現にそうやって習いましたから、1年のときに。 複素数というものは実際には見ることができなくて、あくまで想像上の数。 けれど、実数ではあらわしきれないことをあらわすことができる便利なもの。 で、larry殿の図の説明では横軸が実数で見ることができる。縦軸は仮想の軸で見ることはできないが、想像してつくっている。 この図を使ってベクトルをとったりすると都合のいいことがあるから、使われてるんだ・・・・などでどーでしょ(^_^;)
お礼
その"想像上の数"のイメージが、中学生にわかってもらえるかどうかで悩んでいました。でも、そのように偽りの数を作るとこんな面で便利だから、私たちが勝手に i として使用していて、実際いろいろなところで役立っている、といってあげると、なるほど、と思ってくれますよね。 ありがとうございました。
- larry
- ベストアンサー率13% (18/138)
「理解」というより「イメージ」ですが・・・ 複素平面上でのベクトルの回転がイメージしやすいかと 思います。 | | + i | | | | | | | --------+------------+-------------+---------- -1 |0 +1 | | | | | | +(-i) | | | 実数の(+1)からはじめて、 (+1)× i = i i × i =(-1) (-i)× i =(-i) (-i)× i =(+1) と、この図で反時計まわりにグルッと1周するよ。 同じ数を掛けて、こういうふうに動く数は他にないよ。 虚数iっていうのは、こういう性質が便利な特性を いかして世の中で使われてるよ。 (たとえば電気とか) みたいに説明してはどうでしょうか。 なんかわかった気になってくれそうな・・・?
お礼
この場合やっぱり説明には複素平面が必要ですよね。 "便利な特性を生かして世の中でどういうことに使われているか"をさらに付け加えると、中学生も数学全般に興味を持ってくれそうです。 ありがとうございました。
お礼
とてもわかりやすい説明です。計算技法がある程度身についていて、偽りの数だという程度しか認識していなかった僕自身、改めて複素数ってこういうものなんだというイメージをもてたぐらい丁寧でわかりやすく、感動しました。 ご存知でしょうが、中学生ではまだ複素数は学習しません。そこで逆に、あらゆる面で教員として「中学生にもわかりやすい説明(イメージがもてる説明)」ができる技術を身につけてほしいという、教職課程の教授の意図があって出された課題だったんです。確かに、数直線ならなじみがあるし、実数の掛け算からはじめるとより一層理解しやすいですよね。 ありがとうございました。