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接触角について
酸化クロム上に純水を滴下した場合、水滴と酸化クロムとの接触角がいくらになるのか、ご存知の方いらっしゃいませんでしょうか。
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No.1の回答を書いたものです。その後いろいろ書いて却って混乱を招いて済みません。 No.1にお礼を書かれてしまったのでまた書きます。 γ1=γ3+γ2cosθ というYougの式はどこにも書いてありますね。ここでγ2は水の表面張力ですから76 mJ/m^2程度です。そこでγ1-γ3が分かればcosθが出ます。これが固体の表面エネルギーと、固体が濡れて固液界面になった時の表面エネルギーの差ですから湿潤熱に対応しそう、ということは分かりますね。 そこで化学屋がよく参照する化学便覧で湿潤熱を見ましたら、定義がΔH=Es-Esl([固体表面エネルギー]-[固液界面エネルギー])、となっていました。普通に定義するなら終点(浸漬後)マイナス起点(固体表面)ですからEsl-Esとした方が自然と思います。なお、表面エンタルピーと表面エネルギーはほぼ同じ値としています。これは問題ないと思います。表は-ΔHででているので表で正ならΔHは負となります。Cr2O3は646とあるのでΔH=-646 mJ/m^2です。これだと濡らした方がエネルギー(エンタルピー)が上がってしまうのです。ここまでは前の繰り返しです。 ところでYougの式はγ1-γ3=γ2cosθ=76cosθです。 もし左辺が76 mJ/m^2よりも大きな正の値ならば、水は完全に濡れ広がります。固体表面を残すよりも、固液界面にした方が遥かにエネルギー的に有利だからです。もし左辺が-76と+76の間の数字ならば、固体表面にある接触角の液滴ができてcosθが計算できます。もし、左辺<-76ならば、固体表面が濡れることは圧倒的にエネルギー的に不利で、接触角が180度の水玉になります。 私がひどい勘違いをしていないとすれば、化学便覧の表の数字は-ΔHでは無くΔHのような気もしないではありません。ここに自信がないのでNo.4のコメントで打ち切ろうとした次第です。
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- jamf0421
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No.1とNo.3の回答を書いたものです。 化学便覧をチェックしてすぐに書いてしまったのですが、化学便覧の湿潤熱の定義で、エンタルピー変化がマイナス(発熱)であるならば、固液界面エネルギー(固液界面エンタルピー)が(乾いた)固体表面エネルギー(固体表面エンタルピー)よりも高くなります。 即ち、浸漬が吸熱反応になりますね。 これでは普通の感覚と合わないので確信がもてません。No.3のコメントは忘れてください。(化学便覧の記述は間違いがありませんが...)
- jamf0421
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No2さんの文献でけりがついたのかも知れませんが、No.1で予想したことに間違いがありましたので書かせていただきます。 化学便覧(改訂5版 II-99)ではCr2O3の湿潤熱(浸漬熱)が-646 mJ/m^2です。(なお、表では-ΔHでプラスで書いてあります。)そこの説明で、表面エネルギー変化を、[固体表面エネルギー]-[固液界面エネルギー]、としています。また、浸漬では表面エンタルピー変化を表面エネルギー変化と解釈できます。 そうするとNo.1の私の記述に従えば、湿潤熱=γ1-γ3です。これがマイナスなので固液界面のエネルギーが固体の表面エネルギーよりかなり高いことになります。(濡れないほうが安定) またγ2(水の表面エネルギー)=76 dyn/cm =76 mJ/m^2ですから、これと化学便覧の数値をγ1=γ3+γ2cosθ、つまりγ1-γ3=γ2cosθに当てはめると、等号は成立しようがありません。圧倒的に濡れないことになり接触角180℃に限りなく近いことになります。 対象がお手元にある特定の製法、処理でできた物質ならば、ご自分で接触角あるいは湿潤熱を測定できれば一番安心できます。 たよりない話で済みませんでした。
- inara
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酸化クロムとはCr2O3(chromium trioxide)のことですか? でしたら以下の論文をご覧ください(他にいくつかありますが)。 M. Harju, E. Levanen and T. Mantyla, "wetting behaviour of plasma sprayed oxide coatings", Appl. Surf. Sci., Vol. 252, No. 24, 8514-8520 (2006)
お礼
ありがとうございます! 大変参考になりそうです。
- jamf0421
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固体の表面張力(空気と固体の界面張力)をγ1, 水の表面張力をγ2、水と固体の界面の表面張力をγ3とすれば、γ1=γ3+γ2cosθでつりあったところが接触角θであることはご承知と思います。ここでγ1>γ3+γ2ならば水はどこまでも濡れ広がります。 表面張力が小さな固体(テフロンのようなポリマーなど)はγ1が小さくて、θが大きくなり、水は表面で水滴になります。これに対して金属や酸化物の表面張力は水よりもずっとおおきな値をもつ可能性が高いです。 接触角という直接データでなくても、酸化クロムの表面張力を調べられ、それが水よりもはるかに大きければ、水は濡れ広がる可能性が高いです。
お礼
酸化クロムについて調べてみたいと思います。 ありがとうございました。
お礼
詳細な説明ありがとうございます。 理論値の算出については全くの無知でしたので、参考にさせて頂きます!