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ランダムプライマー法におけるKlenow酵素の意義について

 大学の実習でサザンハイブリダイゼーションを行っているのですが、それに用いるプローブを標識するために、Klenow酵素を利用したランダムプライマー法を用いています。そこで思ったのですが、ランダムプライマー法によるプローブの標識において用いるものはKlenow酵素でないといけないのでしょうか。DNAポリメラーゼIを用いると何か不都合が生じるのでしょうか。どなたか教えて下さるとありがたいです。

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回答No.1

DNA polymerase I には、伸長活性、一本鎖特異的3'->5' exonuclease活性(校正活性)、二本鎖特異的5'->3' exonuclease活性(nick translation活性)を持ちます。Klenow fragmentは、このうち二本鎖特異的5'->3' exonuclease活性をもつドメインを欠損させたものです。 DNA polymerase I で合成を行うと、反応のはじめのほうでは伸長反応が優勢ですが、ある程度反応させ基質(ヌクレオチド、伸長可能な一本鎖状態の鋳型)が減ってくると、合成された鎖を5'端から削っていきます。結果、収量、比活性が下がってしまいます。 二本鎖DNAにDNAse Iでnickをいれ、DNA polymerase I を使ってnickから伸長方向のDNAを削りながら新たなDNA鎖を合成させてラベルするnick translation法もありますが、反応時間による合成量と分解量の兼ね合いが難しい。 その点、Klenowを使うランダムプライム法なら、反応時間を長くしていっても、収量があがることはあっても、下がることはないので、失敗が少ないのです。

sputnik110
質問者

お礼

なるほど、Klenow酵素が5'-3'エキソヌクレアーゼ活性をもっていないというところがポイントなのですね。分かりやすい回答をありがとうございました!

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