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純正律でのドレミの周波数は?
- 平均率と純正律の周波数の違い
- 純正律での半音12個の音階の周波数
- クラシック楽器の演奏周波数
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こんにちは。 > 完全な絶対音感の持ち主が少しの妥協もすることなく完全な音階と認められるドレミファソラシド というものは,存在しません。どの音階も,必ず何かがずれます。 例えば,一般的に純正律と言われている「ツァルリーノ音階」を見てみます。 この音階の周波数比は次のようになっています。 ド:レ=8:9 ド:ミ=4:5 ド:ファ=3:4 ド:ソ=2:3 ド:ラ=3:5 ド:シ=8:15 ドミソ,ファラド,ソシレの和音の周波数比が4:5:6になるように構成されており,これらの和音がとても美しく響きます。しかし,この音階のレとラの周波数比は,(5/3)/(9/8)=1.481となり,1.5からずれます。つまり,レとラを含むレファラの和音は濁ってしまいます。 また,この音階を単音で聴くと,普通の人にはかなり音痴に聴こえます。ミ,ラ,シの音が平均律よりもかなり低いからです。 この問題を解決するため,中全音律,キルンベルガー,ベルクマイスター,などなどの音律が考案されましたが,いずれも,どこかに響きの濁る和音や音痴に聴こえる音程を持っています。 1オクターヴを十二個の音で表さなければならないならば,最も融通が利くのは現在の平均律(十二平均律)という事になります。どの和音もそこそこに響き(そこそこに濁り),どの音から始めても,寸分たがわず同じ音階を作る事ができます。 (純正律の扱いにくさを解消し,融通が一番利きやすい音階として考え出されたのが十二平均律である,と言うべきかもしれません) 次のサイトは,かなりの読み応えがありますが,実際の音も聴けて参考になると思います。 http://www5.famille.ne.jp/~dr-m/TALKING/temper/temperam.htm また,楽器奏者がどのような音階を使っているか,との事ですが,ケース・バイ・ケースで変えています。(私は,アマチュアですがトロンボーンの経験者です) 弦楽器奏者の方も,通常は平均律で,旋律のラインや和音の響きを整えるために微調整をしているのではないかと思います。
お礼
とても判りやすくかつ詳細な解説、まことに有難うございました。
補足
この疑問の悪夢の泥沼にはまっていたのは十数年前で(歳がばれる)、Ta595さんのご回答の 『・・・・しかし,この音階のレとラの周波数比は,(5/3)/(9/8)=1.481となり,1.5からずれます。』 という部分を読ませて頂いて、本当に疑問に思っていたことを今思い出しました。 すみません。 ●本当に疑問だったことは 3音の和音なら完全にきれいに響く和音ができることと、曲にはどの瞬間にも必ずコードがあること、この2つのことから、 『コード毎に音程を調整することによって、1曲の最初から最後までの全てを完全に純正律で演奏することは可能なのではないか?』 でした。 また、別の質問に対する Ta595さんの次の回答を読ませて頂きました。 『特に,ドに解決する直前のシの音(「導音」と言います)は長三和音の第三音である(ソシレの和音になっている)場合が非常に多く,和音の響きを考えると低めに取らなければなりませんが,旋律ラインとしては高めにとった方が収まりがよいとされていて,矛盾してしまいます。』 これからすると、上記の私の本当の疑問の答えは「不可能」となるかと思いますが、本当にそうなのでしょうか? この本当に疑問だったことは、同じジャンルに別の新たな質問として立てますので、よろしければ是非また詳しく教えて下さい。 (分けたほうがポイントいっぱいあげられますし^^)