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酵素の特異性
酵素の特異性を決める要因とはなんでしょうか?? 本を調べても中々理解できないのでよかったら詳しく教えてもらえると 嬉しいです。
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鍵と鍵穴の説明を聞かれたことがあると思います。 あの説明は、酵素の分子構造が分かっていなかった時代に考えられたものですが、実はわりと的を得ているようです。 酵素はタンパク質からできたでっかい分子(あるいはそれがさらにいくつか集合した超分子)で、タンパク質分子の鎖が複雑な高次構造を作っています。 さて、酵素に基質が近寄ってくると、基質は酵素の反応活性部位にすっぽりとはまりこみます。 ここが重要で、酵素の活性部位(ポケットとか言う)は、目的の基質にちょうどジャストフィットするようにできています。 別の言い方をすれば、酵素は基質を高選択的に認識するということです。 タンパク質の隙間がちょうど基質の形にフィットするようにできることで、分子間のさまざまな求引的相互作用が多重に働きます。 ファンデルワールス力や疎水性相互作用といった方向性の無い相互作用から、アミノ酸残基との水素結合、金属イオンとの配位結合などの方向性を持った相互作用まで、さまざまな相互作用が同時に働くことで、特定の基質のみが強く活性部位にバインドされるのです。 活性部位にバインドされた後は、上述したような相互作用、特に水素結合が効いていることが多いと思いますが、により基質が活性化されます。 また、反応する相手の分子(水とかいろいろあるでしょうが)も、同時に反応部位の傍に持ってこられます。これも酵素の中の、アミノ酸残基との層雨後作用などによるものです。 したがって、基質と反応剤が空間的に接近し、活性化もされたことで、反応が良好に進行します。
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- anthracene
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補足しときます。 最近では、酵素の結晶構造解析が盛んになされています。 結晶構造が分かれば、基質の結合部位がどのような形状をしているか、近くにどのようなアミノ酸残基があるかが分かります。 したがって、この情報を利用することで、基質と酵素の間にどのような相互作用が働いているかを考察することができます。 薬の開発において、特定の酵素の働きを阻害するため、どのような分子を作れば、結合部位にうまくくっつくか、ということが重要なのですが、これも同じ方法で研究されています。 コンピューター上で酵素と基質(または阻害剤)の結合をシュミレートし、新たな分子を設計する研究もさかんになされています。