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「は」や「も」はなぜ格助詞ではないの?
「は」や「も」を辞書で調べて驚きました。「格助詞」ではなく「係助詞」で分類されていました。私は「は」や「も」は「係助詞」であると同時に「格助詞」ではないかと考えました。その考えは妥当ですか?
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No.1の方の回答と参考URLはお読みになったと思います。 > 「係助詞」であると同時に「格助詞」ではないかと考えました。その考えは妥当ですか? については、No.1の方のおっしゃるように、分類においては、「いくつかに含まれるのは都合が悪いから」妥当ではありません。コウモリは鳥でもあり獣でもある、クジラは魚でもあり哺乳類でもある、では分類になりません。 No.1の方が挙げたURLでは細かく分類してありますが、「は」「も」は文語(古語)においては「係助詞」、口語(現代語)においては副助詞とするのが一般的です。 まず、係助詞ですが、「種々の語について、その語や文節に強意・疑問・反語などの意味を添える。文末の活用語に一定の形を要求する。」ものです。 「文末の活用語に一定の形を要求する」というのは、ご存じと思いますが「係り結び」のことです。文語で「係助詞」とするのは係り結びがあるから、口語で副助詞にするのは、係り結びという現象がなくなったから、と考えていいと思います。 「なむ」や「こそ」は係り結びがあるが、「は」「も」は無いじゃないか、とおっしゃるかもしれませんが、「は」「も」は終止形を要求するのです。だから、一見、係り結びはないように見える。だから、学校でも取り立てて「係り結び」だとは教えません。 携帯電話ユーザーが強制的に全員、契約会社を選び直さなければならない事態になったとします。ドコモからauというふうに他社に変えるユーザーもいれば、相変わらず同じ会社を選ぶユーザーもいる。乱暴なたとえかもしれませんが、「は」「も」は後者みたいな存在だといえると思います。 さて、格助詞の方ですが、「体言または体言に準ずる語について、その語が文中の他の語に対してどのような関係があるかを示す。」ものです。その関係を「格」といい、 「主格」=主語・述語の関係(格助詞のうち、「が」「の」)、 「連体修飾格」=連体修飾・被修飾の関係(同じく「が」「の」) 「連用修飾格」=連用修飾・被修飾の関係(格助詞のうち「が」以外)、 「同格」(同じく「の」、まれに「が」) があります。 「が」や「の」のように、このうちのいくつもを兼ねる助詞もありますが、とにかく、その格助詞が用いられることで、他の文節との関係がどのようなものであるかが確定します。 しかし、「は」は、「ある事柄を取り出し、他と区別する意を表す。」働きを、「も」は、(1)並列を示す。「~も…も」、(2)同趣の一つを示す。「桜も咲いた。」、(3)感動を含めた強意を示す。「遠くも来にけるかな」、という3つの働きを持った助詞です。 「人は見る」「人も見る」というときの「人」は確かに主格ですから、「は」「も」が主格を表しているかのように見えますが、「庭には鶏がいる」「庭にも鶏がいる」の場合の「は」「も」は連用格であり、それらに共通しているのは「他と区別する意」や「同種の一つを示す」意であって、これらの助詞が「格」を示しているとはいえないのです。少なくとも第一義ではないのです。 これに対して、「を」「に」「へ」等の「格助詞」は、「動作の対象」やら、「時間や場所」を表すといった働きも持っていますが、「連用格」を示すという点が第一義であるわけです。 クジラも魚も、ひれがあって水中を泳ぎます。古代中国人はその点に注目して、クジラを「魚へん」の「鯨」という字で表現したのでしょう。現代の生物学では変温・卵生か、恒温・胎生かに注目してクジラを魚ではなくほ乳類に分類します。 格助詞か係助詞(もしくは副助詞)かについては、異論もあるかとは思いますが、上述のように考えて分類するやり方が主流であるわけです。 *文法事項の記述については、明治書院『精選古典文法』改訂版を引用し、あるいは参考にしました。
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- Quattro99
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確かに、「は」「も」も下記の格助詞の説明にあるように文の中での意味関係を表す働きもしていると思います。 ただ、格助詞とは「文の中での意味関係を表す助詞の中で係助詞などに含まれないもの」ということなのではないでしょうか。分類上の都合なのだと思います(いくつかに含まれるのは都合が悪いから)。 なお、下記の係助詞のところに(副助詞に含める説もある)とありますが、私が習った頃は係助詞というのはなく、「は」「も」は副助詞として習った記憶があります。こういう分類もいろいろ変わるのでしょう。
お礼
みなさんすばらしい回答ありがとうございました! 「おれは男だ」の「は」は格助詞ではないのでしょうか?