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球体の回転について

球体の回転エネルギーは0なんですか? 教科書を見てみると球体の慣性モーメントは、ゼロになると解釈できるのですが、回転の速度や球体の大きさでエネルギーが変わるように感じます。

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noname#21219
noname#21219
回答No.6

遅くなり大変申し訳ないです。 古典論的な議論は、それはそれとして矛盾はないと考えています。 ただ、もしかすると全般的に議論を修正せざるを得ないかも しれないです。統計力学で、エネルギー等分配の法則というのがあって、これは分子の自由度1つにつき1/2kTのエネルギーがあるというものですけど、通常、重心座標の並進の自由度3に加え、分子の回転の自由度、振動の自由度について付与されます。この回転の自由度というのが、例えば二原子分子ならθとφです。θが、二原子の相対位置ベクトルのz軸となす角度、φが、相対位置ベクトルをxy平面に射影したものが x軸となす角度です。それらの二つの座標につき、1/2kTのエネルギー が付与されます。 つまり、仮に二原子の軸を中心に回転するだけだとしたら、 θもφも0のままです。だから、仮に分子軸の周りに回転していたとしても、エネルギーは付与され得ないと言うことになります。 エネルギー等分配則に従わないからといって、分子軸の周りの回転が 0であると断定はできませんが、その可能性は高いのかもしれません。 単原子分子の場合にも同様なことがいえると思います。 統計力学的にもこうなので、ちょっと 古典力学で説明は出来ないかもしれません。 なお、少し付け加えると、単原子分子=球体ではないと思います。 エネルギーの状態により、形は変化すると思います。水素原子の s状態(角運動量0の状態)の形(電子の確率分布)は、球体といわれます。 でも、p,d等では球体ではありません。だから、単原子分子の 軸の周りの回転エネルギーが統計力学的に0というのは、 一概に"量子論的球体"の慣性モーメント(能率)が軸対称性により0だからだ、とも即断は出来ないと思います。

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noname#21219
noname#21219
回答No.8

♯6の内容、少し変でしたので一部訂正します。 まず、分子軸の周りだけ回転していても、 φの自由度だけはありますよね。だから、その分1/2kT 分配されておかしくない。でも、統計力学の教科書(岩波、物理入門コース)を見ると、 並進の自由度3に加え、自由度がプラス1されたものに対応する 二原子分子の比熱のデータがありません。プラス2されたものなら あるのです。比熱はfR/2=f[cal/K]で、3があって、4がなく5以上なら あるというものです。なおR=2cal。つまり、分子軸の周りにだけ回転するものに 対応するエネルギーの吸収がないということです。 ここで、3があるとさりげなく書きましたが、これは希ガス原子の 比熱のデータです。つまり単原子分子のものです。 単原子分子の比熱がfR/2=f[cal/K]≒3ということは、単原子分子 の回転によるエネルギーの吸収がなく、並進のみエネルギーの吸収があるということです。 やはり、近似うんぬんではなく根本的に回転していないということでしょうかね。回転がないなら確かに慣性モーメントもありませんか... 私もこれ以上は分かりません。

sukini
質問者

お礼

grothendieckさん、sky fireさんありがとうございました。 書いていただいた参考文献を探してみて、改めてそれを見ながら考えてみたいと思います。 こちらが参考にしていた教科書は、物理化学の教科書(アトキンス)なのですが、そこでも定容熱容量の部分で「単原子気体では運動モードは並進しかない」という一文があったので熱力学的に考えるなら単原子分子の回転はないと考えていいのかもしれません。まだ、詳しく読んでないので確かかわかわかりませんが。。。

回答No.7

原子核の殻模型は平均ポテンシャルの中を核子が独立に運動するとし、原子と同じ様に内側の軌道から核子がつまって行くと考えます。球形核とは「核子がs軌道にしか入っていない核」ではなく、一番外側の軌道が埋まっている核(閉殻)です。単原子分子になるのは一番外側の軌道が埋まっている原子だと思います。何度も言いますが、私は原子・分子のことは知らないのでこれ以上のことを言うのは控えます。

回答No.5

原子核の教科書を見て頂きたいのですが、変形核の回転運動は書いてあっても球形核の回転運動は書いてないはずです。変形核も球形核も大きさは大して違わないのになぜ変形核だけが回転運動をするのでしょうか。原子核がある軸の周りに軸対称な形をしているとき、この軸に関する慣性能率は0です。このことはどの本にでも書いてあるのですが、一つだけ挙げるとすれば  池田清美、高田健次郎「原子核構造論」p.134 角運動量の固有値はJを整数としてJ(J+1)という形をしています。私は分子の回転・振動のことは知らないのですが、単原子分子でJ(J+1)という形の回転スペクトルは観測されていないのではないでしょうか。

noname#21219
noname#21219
回答No.4

質問を整理しましょう。 一般的な"球体"について慣性モーメントは、球の半径a,質量Mとして I=2/5Ma^2です。I=∫∫∫ρ(x^2+y^2)dxdydzで計算できます。 回転に伴う運動エネルギーは、U=1/2Iω^2 U=∫∫∫1/2ρ(x^2+y^2)ω^2dxdydz=1/2Iω^2です。回転のエネルギーも 慣性モーメントも0ではありません。だから、量子論における"球体" の角運動量、回転エネルギーが0だとしても、球体全体に一般化は出来ません。 目に見える大きさの球体が回転する時、その球体を構成する 各々の無数にある原子は、回転してはいますが自転ではなく、公転です。それらの総和がU=1/2Iω^2となり、I≠0でもあるということです。 なお、二酸化炭素の軸の周りの回転対称性が球体と同じだからといって、 それが即、原子核の球体の回転対称性→回転により状態が変わらない →回転していない、ということと同じレベルに議論されるとも思いません。原子核は原子の大きさの10万分の1か、そのレベルの大きさです。 <<CO2などの直線回転子では回転軸を分子軸にとったときの慣性モーメントはゼロになると書いてあった というのは、あくまで軸の取り方により、古典論においてI=ΣΔmr^2により定まるrの大きさが、分子軸を軸にすれば小さくなるから、という ような古典論の意味だと思います。 なお、水素原子を例にとって見ると,確かに基底状態のsは角運動量 は0です。角運動量L=Iωと対応させて、I=0と考えることは出来なくも ないでしょう。でも、他のp,d,f...状態では角運動量は0ではありません。Iω≠0だから、単原子でもI=0とはいえないと思います。

sukini
質問者

お礼

丁寧な回答ありがとうございます。 今回の回答とANo.3の方の回答からも量子論における球体と一般的な球体を区別しなければならないのはわかりました。上半分の一般的な球体の回転エネルギーの話は理解できたのですが、下半分の話がいまいち理解できませんでした。CO2は回転軸を分子軸と垂直に取ったときに比べて分子軸を軸に取ったときはrが小さくゼロとみなせるだけであって、1原子分子の回転には適用できないと言うことですか?

回答No.3

私は分子の回転・振動のことは知らないのでお答えするのは適当ではないのですが、有限な大きさの物体の運動は原子核の理論でも扱われています。量子論では球の慣性能率はご指摘の通り0です。しかし回転のエネルギーが0というより球は回転しないとされています。角運動をJ、慣性能率をI とすると回転の運動エネルギーは J^2/(2I) なので慣性能率が0なら角運動量が0でない限りエネルギー無限大になってしまいます。量子論では同種粒子は区別できないとして扱わなければならないことはよく知られています。ある軸の周りに回転不変性がある時、物体をこの軸を中心として回転させても回転前の状態と区別できないのでこの軸まわりの回転は量子論では考えません。原子核でも分子でもこれは同じだと思います。原子核では非球形核でのみ回転スペクトルが観測されています。

sukini
質問者

お礼

量子論は苦手なので原子核の非球形核については良くわかりませんが、理解がかなり深まりました。ありがとうございました。

noname#21219
noname#21219
回答No.2

確かに、二酸化炭素の分子軸を軸に取ったら、回転のエネルギー は限りなく0に近いと思います。Oの中心を通って垂直に軸を取れば 大きくなるとは思いますが。確かに、単原子分子の慣性モーメントを 考えるとすれば、小さい値になるでしょう。でも0ではないと思います。原子核にも電子にもスピンはあるし、電子の"公転"による 軌道角運動量は存在しますから。それらの合成が原子の回転の エネルギーです。ただ、原子スケールになると、回転しているのではなく電子雲を考えることになり、それは電子の確率分布ですから、 原子の回転は厳密には回転ではないと思います。マクロな量、通常の物体になると量子力学的に平均して回転しているように見えるだけです。 また、普通の球体を考えて慣性モーメントがあるのは、その球体の内部の質点は、球体が自転する時、自転軸の周りで各々公転していますよね。だから、質点の公転の慣性モーメントを認めるなら、球体の慣性モーメントは0ではありません。2/5Ma^2です。

  • rabbit_cat
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回答No.1

球体の慣性モーメントは0ではありませんが..

sukini
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 球体というのは、括りが大きすぎたかもしれません。 私が見た教科書では、分子の平均回転エネルギーについて書いたもので、CO2などの直線回転子では回転軸を分子軸にとったときの慣性モーメントはゼロになると書いてあったので、1原子分子の慣性モーメントはゼロになると考えました。そこから、ひょっとしたら球体の回転による慣性モーメントはゼロではないかと思ったのですが。。。

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