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単語記憶の中で、提示方法が違うと記憶がよくなることはありますか?

例えば、あめ・みず・にわ・かさ・くも‥と、1つずつ順番に単語を提示したとき、「かさ」だけ文字フォントが大きかったり、赤文字で書いてあったりしたら、よく記憶されているというようなことは、心理学的研究の知見からいえますか? 「○○効果」などと名前がついている場合などは、それもおしえて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。  

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  • ruehas
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回答No.1

こんにちは。 学習作業におけるこのような現象は、構造的には「処理水準効果」ということで良いのではないかと思います。 全く同じ条件でただ単純に暗記作業を行ってゆきますと、通常の場合は最初の部分が記憶に残りやすい「初頭効果」や、あるいは後の方が思い出しやすいという「親近性効果」といったものが発生します。最初と後ろという違いはあるのですが、どちらにしましても、覚える言葉の意味や内容とは全く関係のない現象ですよね。心理学ではこのようなものを「系列位置効果」といいまして、ほとんどのひとに法則として当てはまります。 これに対しまして、前述のような系列的な序列法則に反し、より深く、より複雑な水準で処理・判断の成されたものの方がそうでないものよりも記憶に残り、検索・再生がしやすくなることを「処理水準効果」といいます。全く同じ条件で行われたものは時間や順序に従って誰しも憶え方や忘れ方が必然的に定まってしまうのに対しまして、異なった条件が加わることによって「処理水準」の深さに違いが表れ、それが学習効果に反映するということですね。 この「処理水準効果」といいますのは、心理学の分野では課題の複雑さなどを比較することによって古くから統計的に確かめられていたものですが、生理学的には、神経系の反応というのは環境の変化や刺激の違いなどに対応するものでありますから、「処理水準」といいますのはそれらに比例するものと考えて良いと思います。従いまして、このご質問の場合、例えば太文字や赤文字で書かれていた単語であるならば、それは視覚刺激として発生した「モダリティ(様相)」の違いが神経系の反応水準に変化をもたらしているということになります。そしてこれにより、知覚系の処理が選択的注意に移行したり、中枢系の認知機能が高まるなど、脳全体の覚醒状態が亢進されますので、記憶されやすくなります。 具体的には「注意を引く」とか「見やすい」といった要素があるわけなんですが、例えば他にも、その部分が太文字だったとか、それが文章のどの辺りに書かれていたのかといった情報も一緒に処理されたりしますので、注意力が高まるだけではなく、より思い出しやすい記憶として獲得されることになります。 一般の心理学の教科書には基となった有名な実験の説明しか書いてありませんので、このような解釈はあまり載っていないかも知れませんが、生理学的には全く同じことですので、構造的にはこれも「処理水準効果」ということで一向に構わないと思います。

参考URL:
 
yuyuyu-
質問者

お礼

なるほど。処理水準の違いとしていえるのですね。脳派の分野からも、いえるみたいですね。 構造の違いという処理の違いから成績が異なるのか、処理水準を基に、自分でももう少し調べてみようと思います。 ご丁寧な説明、本当にありがとうございました。

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回答No.2

 「○○効果」があるのかどうかは、分かりません。 しかし、記憶をする際に、人は視覚を含めた認知をします。認知とは、外界から情報を取り入れ、それを意味付けして、反応を返す情報処理のプロセスです。広義的な意味合いで視覚も含まれます。  ここで重要なのは、「それを意味付けして」という箇所ではないでしょうか。ある単語の羅列の中で、ご質問の内容の状態の文字があると、人はそこに注目をし、何かの意味合いを探そうと自然と行います。例えば、教科書や書籍で、太字を目にすると「重要箇所?」とか「キーワード?」という事を自然に考えると思います。それにより、羅列している単語の中でより強い認知をしている事になります。結果的に、記憶の記銘・保持・貯蔵・想起の想起をしやすくなると考えられます。

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