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自発的対称性がある模型での真空期待値
自己相互作用するスカラー場のラグランジアン密度 L = (1/2)∂φ∂φ - (λ/4)(φ^2 - v^2)^2 を考えます。ポテンシャルエネルギーはφ=v で最小になるので真空期待値は <φ> = v になると通常説明されています。しかし私はこれに納得できません。ハミルトニアンが H = (1/2m)p^2 - (λ/4)(x^2 - v^2)^2 のシュレーディンガー方程式を考えると基底状態での座標の期待値は <x> = v になどなりません。いうまでもなく<x> = 0 です( <x^2> ≒ v^2 は成り立つと思いますが)。障壁の透過を準古典的に考慮すると透過がない場合のエネルギー準位は分裂し、そのエネルギー差は(プランク定数を1として) E1 - E2 = (ω/π)exp(- ∫ |p|dx) で与えられます。場の理論においても<φ> = v ではなく<φ> = 0, <φ^2> = v^2 そして基底状態のすぐ近くにパリティの異なる別の準位があるという前提から出発するべきではないでしょうか。またこのときGoldstoneの定理が変更を受けたりしないでしょうか
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- atomicmolecule
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自然がエネルギーが低い状態に落ち着くとするなら<φ>=vではないんでしょうか? 運動項を無視する(近似)限り、有効ポテンシャルが量子論的な効果を含めたエネルギーだというのが私の理解です。すると dV(φ)/dφ=0を満たすのが真空ということになるんだと思っています。 ============ 以下にその理由================= 有効作用を定義してその微分方程式を計算すると古典場に対する方程式が出てきます。さらに古典場に<φ>=一定という条件を貸せば、運動項は消え有効ポテンシャルだけが残り、dV(φ)/dφ=0 が導出できる(はずです(うろ覚えです))。 そこで有効ポテンシャルは量子効果を入れたポテンシャルエネルギーと解釈をすれば自然な気がします。統計力学とのアナロジーで言えば、やはり有効作用はエネルギーと解釈できるものだと思います。そこでエネルギーが最低の状態が真空だとするとφ=vだということになると思います。 これもうろ覚えですが、φ=vとなるような本当の真空は通常厳密には計算出来ないそうなので、摂動的に計算して行くそうです。つまり通常はφ=v0+v1+v2+・・・とその精度を上げて物理量は本当の真空での計算に近づくと期待するんだということらしいです。(指導教官の言葉です)その第ゼロ近似φ=v0が、grothendickさんの言っているラグラジアンに現れるポテンシャルの最低値だと思います。そもそも有効ポテンシャルには凹凸性があるということなので、真面目にやると二重井戸型になるはずがないと思います(私は真面目に考えたことはありませんがそんなはずはナイト思っています)。
- atomicmolecule
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場の理論ではそういうわけにはいきません。場の理論では無限自由度のためにノイマンによるユニタリー同値表現に関する定理が成立しないので、真空期待値をあらかじめ設定しておかなければ全く意味のない結論になってしまいます。
お礼
ご回答ありがとうございます。場の理論では異なった表現が同値ではないので適切な表現をとらなければならないとすれば、<φ> = v とするのが適切な表現である根拠はなになのでしょうか。一つの表現を選ばなければならないとすればなおさら <φ> = v という間違った値ではなく<φ> = 0という正しい値から出発しなければならないと思いますが。