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化学の言葉について。
私は現在高校生です。化学を勉強していますが、 ラジカル,共鳴効果,立体配座,という言葉の意味が分からず困っています。知っている方、教えてください!
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高校生ということで,ごくさわりの部分だけ説明します. ◆ラジカル ポイントは,「結合が切れたときに電子が何個に分かれるか?」ということです.NaClとCl2を例にとって考えましょう.本来であればLewis電子式と副核理論を理解していれば話が早いのですが,高校生の知識で考えます. NaはM核に1個,ClはL核に7個の電子があって,これがお互いに共有しあって8個となって安定な結合を有します.今,L核を4つのブロックに分けて考えます.つまり,L核は「2個の電子が入る部屋が4つあるマンション」と考えられます.そうすると,Clは1つの部屋だけシングルですよね.だから,Clの結合は「この1つの電子が結合に関与している」と捉えることもできますよね.そうすると,NaClにしてもCl2にしても,お互いに電子を1つずつ出し合って結合が成り立っていると考えられます.つまり,Na:Cl,Cl:Clという結合になっています(:は電子が2つあるってこと). じゃあ,これが解離したときを考えます. Na:Cl --> Na+ + :Cl- (イオン) Cl:Cl --> Cl・ + Cl・ (ラジカル) NaClが解離するとき,Clは電子をもらい,Naは電子をあげたほうが有利ですよね.つまり,電子が0個と2個に分けられます. 一方,Cl2の場合は,お互いに電子を仲良く1個ずつ分け合う傾向にあります.このことから,「電子が0:2に分けられたものをイオン,電子が1:1に分けられたものをラジカル」とされているのです.要は,ラジカルは電子が1個余っているわけで,これが活性を持つのです. ◆共鳴効果 「π電子雲の重なりによる結合の相互作用」 これが共鳴効果の簡単な定義です.が,何ですか?って感じですよね.さすがに,これを1から説明するのは大変です.ので,詳しく知りたければ,まず副核(s,p,d軌道)やσ結合,π結合についてお勉強してみてくだされ. で,この言葉のイメージをお伝えします.これはまさに白川博士の研究なんかが身近です.あれは,アセチレンを長い鎖上に重合すると,ポリアセチレンができます.これは,-C=C-C=C-C=C-…という,二重結合と単結合が交互になっています.こういう化合物は,ある外的な因子(光が当たったりとか)が加わったとき,=C-C=C-C=C-C=…というように,二重結合が1つ隣にずれます.これがいわゆる共鳴効果に値するものです. ◆立体配座 簡単に言うと,3Dの世界です.例えば,エタンCH3-CH3は,C-Cという単結合で結ばれていますよね.ここで,これを団子に串を1本さした状態と考えましょう.そうすると,串を持ったままでも団子はクルクル手で回せますよね.ということは,逆に考えるとCH3-CH3というのは,回転することで立体的にはいろんな形を取りうるのです(なぜなら,C-Cが回転することで,Hの相対的な位置も変化するから).これが立体配座です. が,エチレンCH2=CH2になったらどうでしょうか.お団子に串を2本刺せば,回転できなくなりますよね.こういうものは,「立体配座をとらない」といって,ただ1つの立体構造に限定できるのです. ---------------------------------------------------- さてさて,猛烈に長くなってしまいましたが,なぜ長くなってしまったかというと,それは高校化学では説明がつかないからです. そこで,僕は大学の化学の導入部分として,「副核(s軌道,p軌道とか)」という考え方をぜひ学んでいただきたいと思います.実は,以上の3つの説明は,s軌道,p軌道という話を使えばほんの数行で説明できます.同時に,この理論は理解するまでにかなりの時間を要するかもしれませんが,これさえ身につければ,有機合成はその理論で予想できますし,遷移金属の水溶液の色なんてのも説明できちゃったりと,いいことずくめです. そこで,高校化学と大学化学の橋渡し的な,使い勝手のよい参考書を紹介します. 卜部吉庸(「うらべよしのぶ」と読む)著「化学1B・2の新研究」(三省堂)…グレーのソフトカバー これは,まさにバイブルです.ぶっちゃけると,大学3年の今でもきわめてよく使用します.大学化学の考え方が学べると同時に,今まで暗記メインだった高校化学の「なぜっ?」という部分が,本当に手に取るようにわかります.2500円ですが,僕に言わせればこの10倍の値打ちはあります.ぜひ購入してみてはいかがでしょうか.
その他の回答 (1)
極端に簡略化しますので.正しい定義ではありません。以下の内容は厳密な意味で間違っています。 ラジカル.電子雲の構造を思い出してください。電子雲にはK,L,M,...軌道があります。これら軌道は.2つの電子が集まって一つの軌道をつくり.さらにこの軌道が複数集まって.L,M,...ができます。複数の原子が集まったものが分子です。分子のなかの1個の電子を取り除きます。ある場合には.あんていな状態になるでしょう(例としては酢酸イオン)でも.あんていな状態を作らない場合もあります。あんていな状態を作らない場合をラジカルといいます。 共鳴効果.忘れました。メソメリー効果の話しのはずですが...。 立体配座.忘れました。立体構造(たとえば炭素の4本の手に全部異なる元素がつながっている場合等)の状態の定義の一つですが.忘れました。
お礼
ありがとうございました。
お礼
こんなに詳しい説明をしていただいて、どうもありがとうございました。 春から大学に通うことになるので、いまのうちに少しでも勉強しておこうと思います。