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2次元の力学の問題です
####################### 水平面上に、クサビABCがおいてあり、 クサビの斜面AB上を物体Dが滑り降りる。 すべての接触面の摩擦を無視できるものとして、くさび の加速度aを求めよ。 ※地球上の話だと思ってください。 (つまり、各々の物体に対して質量と重力加速度の積で表される力が働いているということです) 下にその状態の詳細を書きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーー ○クサビABCについて ・三角形である。 ・角BACはθ ・角ACBは90°、 ・辺ABの部分を水平面にのせている。 ・質量はm2。 ○物体Dについて ・物体は長方形である。 ・斜面ABにのっている辺の長さはABより小さく、 また、それは長方形の長いほうの辺である。 ・質量はm1 ーーーーーーーーーーーーーーーー です。 ####################### という2次元の力学の問題なんですが、 以下のように考えて解いても答えがあいませんでした。 どうしてもこの考え方が間違っている理由がわかりません。 どなたかご教授お願いします。 ■考え方 クサビに関する水平面に平行な方向についての 運動方程式は m2×a=m1×g×cosθ×sinθ ※gは重力加速度 (この場合、m1の垂直抗力の水平面に平行な方向 の力がクサビの加速度に等しいと考えたため) ∴a=(m1×g×cosθ×sinθ)÷m2
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答えが合わなかった理由は簡単です。No. 1でもご指摘がありますが、「垂直抗力」の扱いに誤りがあるからです。問題としてはごく基本的なものですので、慌てずに一つ一つ確認しながら解いてみましょう。 その前に確認なのですが、質問文中での「状態の詳細」の説明に矛盾があります。くさびについては「辺ABが水平面に乗っている」とあるのに、物体についての説明では「斜面AB」とあります。 くさびについて「辺ACが水平面に乗っている」とするなら分かりますので、そのように読み替えて解きます。 B /| m1 / | ◆/ | / | / m2 | A/θ |C  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 物体の運動を考える時は、その物体に働いている力をすべて書き出すのが第一歩です。 物体に働く力は ・離れていても働く力(重力、静電気力) ・直接触れている場合にのみ働く力(抗力、張力など) の2種類があります。 この場合はまず、「離れていても働く力」として B /| / | / | / | / m2 | A/θ |C  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ↓ 鉛直下向き 重力 m2 g があります。「離れていても働く力」はこれで全部です。 続いて「直接触れている場合にのみ働く力」について考えます。 B /| / | / | / | / m2 | A/θ |C  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ↑ |水平面からの抗力 N1 まず、水平面からの抗力N1を受けます。抗力の値はこの段階では未知です。 B N2 /| \ / | ┘/ | / | / m2 | A/θ |C  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ このほか、物体Dからの抗力N2を受けます。N2も同様に未知です。ここをいきなり「N2 = m1 g cosθ」とおいたのだと思いますがそこに失敗があります。なぜ失敗なのかはあとで考察します。 では、運動方程式を立てましょう。水平方向の加速度をα_x、垂直方向の加速度をα_yとおきます。(解き易さの観点から、垂直方向は下向きを正にとります) m2 α_x = N2 sinθ (1) m2 α_y = - N1 + m2 g + N2 cosθ (2) くさびは飛び上がったり逆に水平面にめり込んだりしませんからa_y=0です。N1について求めることも可能ですが、ここでの興味はα_xですのでそちらについて解くことを急ぎましょう。 続いて、物体Dについて運動方程式を立てましょう。上と同様に力を書き出すと ┌ 斜面からの抗力 N2 \ ◆ | ↓重力 m1 g となります。 水平方向の加速度をβ_x、垂直方向の加速度をβ_yとおきます(こちらも下向きを正)。 m1 β_x = - N2 sinθ (3) m1 β_y = m1 g - N2 cosθ (4) (1)~(4)では未知数が5つ、方程式が4つですからもう一つ式がないと解けません。その式は束縛条件、すなわち物体Dがくさびと離れないことから導かれます。 いまくさびも物体Dも静止した状態から運動を開始したとします。時間tの間にくさびは (1/2)β_y t^2 (5) だけ下方に移動します。同時に (1/2)β_x t^2 (6) だけ右方に移動します。くさびは (1/2)α_x t^2 (7) だけ右に移動します。 よって (1/2)β_y t^2 = {(1/2)α_x t^2 - (1/2)β_x t^2} tanθ (8) の関係が存在するはずです。これより直ちに β_y = (α_x - β_x) tanθ (9) が導かれます。これで5つの式が揃いました。あとは力ずくで解くだけです。 最終的に α_x = g m1 cosθsinθ/(m2 + m1 sin^2θ) (10) という答えが出てくるはずです。 N2の値も、m1 g cosθにはならないことをご自身で計算してお確かめ下さい。 繰り返しになりますが、抗力の値を即「重力とつり合っている」とおいてはまずいのです。加速度運動をしている物体では、その物体にかかっている力のベクトル和はゼロではありません。 以下のケースで考えてみます。 ↑F ┏━━┷━━┓ ┃ M┃ ┃ ┌─┐ ┃ ┃ │m│ ┃ ┃ └─┘ ┃ ┗━━━━━┛ 図のように、質量Mのカゴの床面に別の物体mを置き、力Fをもって垂直上方に引っ張り上げるとします。(F>Mg+mg) 当然ながらカゴと物体は一体となって上方に等加速度運動をします。 運動方程式は、上向きを正として カゴ F-Mg-N=Mα_M (Nは垂直抗力) 物体 -mg+N=mα_m (Nは垂直抗力) と立てられます。αは加速度を、_Mは添え字を表します。Nはカゴが物体から受ける/物体がカゴから受ける抗力です。 Nはこの段階では未知であることに注意してください。これをいきなりN=mgとおくと失敗します。 もしmg=Nとすれば、物体の加速度α_mはゼロとなります。これ即ち等速運動です。 カゴについてはα_M=(F-Mg-mg)/Mとなりますから、カゴだけが上方に等加速度運動を行い、物体は等速運動をしてそこに取り残されることになってしまいます。そんなことはありませんよね。 「いや、カゴと物体は一緒に動く」というなら、その加速度をα(≠0)として -mg+N=mα となりますから、今度はmg=Nを満たさないことになります。 加速度運動をしている物体では、加わっている力のベクトル和はゼロではないのです。 正しくは二つの式を足してNを消去し F-Mg-mg=Mα_M+mα_m 物体が床から離れずに運動するなら、α_M=α_mとなるはずです(この値を改めてαとおく)。 よって F-Mg-mg=(M+m)α α=-g +F/(M+m) となります。 納得頂けましたでしょうか。 以下のページも参考にしてみてください。 [1] http://mediacultures.com/ISSE/lib/ISSEtext/ISSEphs_t/phs_I_1/ このリストにある0p1k.pdfの、問題B4が全く同じ問題です。答えも載っていますからご覧下さい。 [2] http://www.eng.toyo.ac.jp/~nwada/physics100/5incline/5incline.html Mathematicaのプログラムとして書かれているので解読はちょっと面倒ですが、結果がアニメーションでわかりやすく示されています。
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- eatern27
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>(この場合、m1の垂直抗力の水平面に平行な方向 >の力がクサビの加速度に等しいと考えたため) これはあっているのですが、クサビ(=斜面)が加速度運動をしているため、 垂直抗力=m1に働く重力の斜面に垂直な方向の成分 が成り立ちません。 クサビとともに動く観測者から見た場合 水平面上に静止している観測者から見た場合 どちらで考えても説明できるのですが、この場合は、クサビとともに動く観測者から見た方が分かりやすいでしょう。 物体Dには、「重力」と「くさびから受ける垂直抗力」が働いていて、さらに、「慣性力」が働いているように見えます。 これらの力の合力の斜面に垂直な成分が、0である事から、垂直抗力が求まります。 慣性力が働いている(ように見える)ため、垂直抗力は重力の斜面に垂直な方向の成分とは異なります。
お礼
ありがとうございます! そういえば、 「垂直抗力=m1に働く重力の斜面に垂直な方向の成分」とすると、物体Dとくさびが離れてしまいそうですね。 物体に働く力の考え方を静力学のように考えてはだめなんですね・・・ すいません。ありがとうございました!
お礼
水平面にのっかっているのはACとなるところが ABとなっていたのは、タイプミスです。すいません。 めり込まないようにするための条件をちゃんと 求めるべきでしたね・・・ とても参考になりました。ありがとうございました!